表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

作者: 金魚さん

グロいかも。注意して。目安としては、MTGよりちょっと下ぐらい?

男(少年、もしくは青年?)と、人々を交互に書いてます。

読みにくいのは、仕様ですw

今、僕の手の中が熱い。

別に、火傷したわけじゃない。

思いっきり握り締めたこぶしから、煮えたぎった血が溢れている。

だから、手の中が熱いんだ。

醜くも、美しい手が。


手?

ああ、とても大切なものだね。

人が人へと進化する上で、もっとも大切だったものの一つだろう。

いや、手、というより、指、か。

それでそれがどうしたんだい?


指から、血が滴っている。

こいつは、何にもわかっちゃいない。

指じゃない。

大事なのは、手なんだ。


よく言うだろう?

最も大切なのは血さ。

命の象徴、命の源。

その前では何者も霞む。


血じゃない。

血は命じゃない。

大切なのは、手なんだ。

命は、血じゃないんだ。


だから、なんだというんだ、君。

人の持つもの?

知性、そして理性だろう。

君の持たないものだよ。


だめだ、話にならない。

僕はそいつの顔を殴る。

一発だけ。

そして…。


大事なもの?

決まってるでしょ。

美貌よ。金よ。

猿との決定的な違いはそれ。

さ、早く帰って。


僕はそいつも顔が原形をとどめぬほど殴り、

手を、腕ごと切り取る。

わかるかい?

腕が大事なんじゃない。

けれど、腕からなんだ。


手だよ。

神が人に与えられたもの。

それは手だよ。

だって、こんなに美しくて醜いじゃないか。

そして、神が口付けを許してくれるのも、手だよ。

はは、足は違う。あれは神への隷属の証さ。

口付けじゃない。

最後にもう一つ。

愛しい人を掻き抱くのもまた、手だよ。


やっと、会えた。

この人は、手を理解している。

酷使するためのものではない。

眺めるためのものでもない。

神へ、恋人へ、捧げるためのものだ。

さあ、彼の手を切り落とし、僕の手と付け替えよう。


痛い痛い痛い。

なぜ、僕が手を切り落とさなければいけないんだ?

手、手、手!

あの質問で自分の手を愛し始めていたのに!

僕の手を、自分の手と挿げ替えるなんて!

痛い痛い痛い!

仕方が無い、奴の手をつけよう…





さあ、これで準備は整った。

さあ、神よ、この手で、私の命とこの手を貴方に奉げよう。

そしてまた、私は自分の手に戻り、また手を捜そう。

手の価値を知るものの手を。最上の供物を。


私は死ぬ。命を奉げて。

けれど、神よ、貴方への供物は絶やしません。

手の魔力に憑かれたら、すべてみな私になるのだから。

あの人はすでに、手の狂気に憑かれ始めている。

気分悪くなったらごめんなさい。

手を眺めてて、突発で書いたので短いです。

今後機会があれば、これを膨らました長編も書きたいです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 短い文でしたが《手》の事について何かを感じました。言葉では言えないんですけどその何かです。 自分も恋愛や学園から離れてホラーでも書こうか迷っています。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ