第四話
言葉づかいがブレブレな気がします。
「………」
「「………」」
いきなり拉致られた俺と奏音は、なぜかソファに座らされて、金髪エルフにじっと見られ続けている。非常に居心地が悪い。なんだこの状況?奏音はぼーっとしたままだから早く休ませたいんだが…。
「…君たちのその姿は自前かな?」
「?はい、そうですけど」
「ちょっとじっとしててくれないか?」
「はぁ」
そういってエルフが俺たちに近づいてくる。そのまま俺の顔をぺたぺたと触ったあと、同じように奏音の顔も触っている。なんか意味があるのかな。ん?エルフの息が荒くなってきている。
「ハァハァ……ハァハァ」
「…ん……ゃ…ぁ………」
「って何してんだ!離れろ!」
奏音が抵抗しないのをいいことに、手がいろんなところに入っていた。目が濁っていて危ない人にしか見えなかった。慌てて奏音からひっぺがす。
「何をする」
「こっちのセリフだこの変態!」
「否定はしない」
「否定しろよ」
俺たちを拉致ったのは変態のエルフさんでした♪
……どうしよう…。
「まあ冗談はさておき、まずは名前を聞こうか」
「人を誘拐した方からしてほしいですね」
「む、それもそうか。私はエラン・ルルフェット。エランと呼んでくれ」
「俺は冴島響です。響って呼んでください。でこっちが妹の奏音です」
「……よろしくお願いします…。」
「君たちは何属性の魔法が使える?」
「………」
「…魔……法?」
「あんな森の深くにたった二人でいたんだ。ある程度の魔法は使えるだろう?」
「え…?何を言ってるのか…?」
「……」
俺は何も言わない。奏音に言ってなかったのが気まずいんだよなぁ。後で何言われるんだか…。
「まさか今まで魔法を見たことがないというかとはないだろうな?」
「私はありません」
「…一応俺は使えます。」
「え!?じゃあさっきのアレって魔法でやったの?」
「ああ」
「待て待て。姉が魔法を使えるのに妹が見たことないだと?隔離でもされてたのか?」
「いえ、さっき初めて使えることを知りました。というか俺は男です」
「なん……だと…」
(イラッ)
「しょうがないよお兄ちゃん。いい加減諦めようよ。どう頑張っても女の子にしか見えない顔だもん」
「嫌だ!俺は男だ!!」
「…そうか、男だったのか……。だがその容姿なら問題ない」
「何が問題ないんだ言ってみろこの野郎!」
「暇だったので何か刺激的なものがないかと、森を徘徊していたら君たちを見つけたんだ。どうせなら可愛いのと一緒に生活できたら楽しいと思っていたからちょうどよかった」
「何がちょうどいいだ……」
畜生!ここでも女扱いされんのかよ!もううんざりだ!!
「お兄ちゃん落ち着いて。エランさん、私たちをここに置いてくれるんですか?家を飛び出してきてしまったので、寝るところを探していたんです」
(さらっと嘘ついたな)
(変に疑われるよりはいいでしょ!)
「大丈夫だ。もとよりこちらはそのつもりで連れてきたんだ。むしろ歓迎する。それにエランさんなどとかしこまらないでくれ、エランでいい」
「ありがとうございます!」
自分の妹だが、随分と白々しい台詞を吐くもんだと思う。そういや帝と付き合いだしてから性格があいつに似てきたんだよなぁ。まだまだおとなしいが。
「お兄ちゃん」
「どうした?」
「ごめん、もう限界・・・」
「?おい!」
奏音が倒れてきた。咄嗟に支えて、体が熱を持っていることを理解する。結構歩いて疲れてるとこにこの展開だもんなぁ。そりゃ限界にもなるわ。俺は見なれちゃってるけど、倒れるほど具合悪くなるまでがんばんなくてもいいとおもうんだよな。
あれ?なんか俺まで意識が………
「…やっぱり私の魔力にあてられちゃったか♪」
「リリーが隠れているのを感じ取る…か」
話が進まなくてすみません…。次でいろいろ動かしたいです。