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第三話

「グガァ!!」


 角熊(仮)が襲い掛かってくる。今のが本当だったとしたら、俺にも魔法が使えるらしい。強化魔法だっけ?


「えっと、『自己強化(セルフブースト)』。せいっ!!」

「ガゥ!?」


 魔法すげえ!軽く殴っただけなのにあんなに吹っ飛んだ。

 ふと変なことを思いついた。ん~、手ごろな石は…お、あったあった。


「『強化』」


 硬くするイメージで魔法をかけてみた。外見に変化はないな。


「グルルルルル…」


 おーおー睨んでる睨んでる。魔法使ってるからかな?全然怖くないわ。次の動きとかわかりすぎてむしろ時分が怖いくらいだ。まいっか、とりあえず投げよう。

 俺が思いついたのは、石を強化(硬く?)して、自分も強化したままで投げたらどうなんのかな?って感じだ。軽く殴ってあの威力なら、普通に攻撃手段になると思うんだよな。


「よっと」

「ギャン!」

「へ?」


 さっきの比じゃないほど吹っ飛んだ。ってか周りの木にも被害が出てる。音速並みに速くなると、衝撃波がでるとかどっかで聞いたような…なんだっけ?

 自己強化には視力にも影響があるようで、遠くに行ってしまった熊の姿もよく見える。おぉ、起き上がった、なかなかしぶといな。などと思っていたのだが、熊の方は諦めたようで、反対側に去っていく。よかった。って違う!


「奏音!大丈夫か?」

「…お兄ちゃん……今の…何?」

「………」


 めっちゃジト目で見られてる。あ、でもこれはこれで、などという変態では断じて無い。どうしよう……いきなり自分の兄貴が素手と石ころで熊撃退してんだもんな…そりゃこんな目になるわ。説明したくなかった俺は話を逸らすことにした。


「い、今のはまぁ……うん。それよりもう立てるか?」

「……ま、いいよ。大丈夫、立てるよ。っあ」


 奏音は立とうとしてふらついた。駆け寄って支えると、やはりぐったりとしている。こりゃ歩くのは無理だな。


「おいおい、全然大丈夫じゃねえだろ。さっきの川まで戻って水飲んで休もう。ほら、おぶってやるから」

「うん…。お願い…」


 本当はベッドとかしっかり寝かせてやりたいんだが、まだ人も見てねえし休めそうな建物も見当たらない。川沿いを歩いてれば見つかるかな?

 俺は奏音を背負って川についた。背もたれになりそうな石があったのでそこに奏音を座らせて、俺は水を汲もうとした。だが、身一つなため、水を入れる器などあるわけもない。どうしたもんか…。


「あ、魔法使えんじゃん」


 強化魔法の他に、絶魔法ってのも使えるみたいだしな。石とかくりぬけそうじゃん?物は試しだ。ゼクスが使ってたのを思い出しつつ


「ん~呪文とか使ってなかったっぽいよな~。念じればいいのかな?」


 手ごろな石をとってうんうんうなっていたが、何も起こらない。


「指定した空間自体を消す…ねぇ…。なんかそんなの使ってる漫画あったな。えっと…こんな感じか?おお!できた!」


 某漫画のように手順をおってイメージしたらうまくいった。うん、なんとなくコップっぽいな。それに水を汲んで奏音のところへ戻る。


「ほら、奏音」

「…あ、ありがと。ん……」


 奏音が水を飲んでいるとき、誰かが近づいてくるのがわかった。また熊か?とも思ったが、足音が軽いので違うと判断。人っぽいし、奏音を休ませてやりたいので少し話してみることにした。


「君たち、こんなところで何をしている?」

「え~、道に迷ってしまって……」


 来たのは金髪碧眼の二十台くらいの女性だった。よく見ると耳がとがっている。これは…エルフというやつか?ゆったりとしたものを羽織っているが、中は非常に男子高校生を誘惑する体付きなのがわかる。エロい美人だな。


「そっちの子はどうかし…た……」

「?」


 なんだ?俺たちの顔を凝視したまま硬直している。


ガシッ


「!?」


 急に俺の肩を掴んできた。目が爛々としていて怖い。


「二人とも私の家に来ないか!?」

「え?」

「そうか!来てくれるのか、よかった。では早速行こう!『転移(テレポート)』」


 話聞けよ。金髪エルフが俺たちの手を取った次の瞬間には、視界が川ではなく洋風の家の中の景色に変わっていた。








 拉致られた?

某漫画:サ●デーで連載していた結●師ってやつのつもりです。

魔法については、主人公が大雑把に考えているので無駄に応用が利いていると思ってください。何でも都合のいいように強化できます。

読んでいただきありがとうございます。

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