第二話
投稿に失敗して三回くらい同じ話を書きました。こまめに保存した方がいいと痛感しました。
「ここは…」
俺は見慣れた道場にいた。確か異世界っぽい感じのとこにいた気がしたんだけどな…。なんで道場にいるんだ?
「気づいたか」
「誰だ?」
見覚えのあるような顔の男がいた。クールな印象を受ける。背は高い。185cmくらいか。体つきは細いが引き締まってる感じだ。なんだろうな、この何とも言えない既視感は。
「会ったことあるか?」
「いや、ないと思うが…」
男も同じように感じたらしく、不思議そうだ。
「まぁいい。構えろ」
「ん?」
いつの間にか俺の手には稽古で使ってる竹刀があった。見ると、男の手にも竹刀が握られている。
「なんでだ?」
「ここはお前の心の中だからな、お前のイメージの中から戦いに使いそうなものを読み取っただけだ。準備はいいな」
「は?っつ!」
いきなり斬りかかってきた。俺は慌てて剣筋を逸らして距離をとる。だが、男のほうも距離を詰めてきていた。
「なんなんだよ一体!?」
「……」
男は何も言わない。代わりに首を突いてきやがった。躊躇いのない動きに対して、俺はしゃがんで躱す。しかし、その先には男の足があった。
「ぐっ!」
蹴ってきやがった!咄嗟に腕を交差させて防ぐ。が、予想外の威力に耐えられず、俺は体ごと吹っ飛ばされた。腕がいかれそうだ。
「立て。まだ動けるだろう」
「くそっ」
転がりながらも立ち上がって、今度は俺のほうから斬りかかる。
竹刀を握ってはいるが、俺が使っているのは剣道ではなく、剣術の類だ。剣術は、剣道と違って攻撃禁止部位など存在しない。より実践的な武術のはずだ。
それなのに当たらない。俺もそれなりに鍛えて素人とは言えない腕にはなっているはずだ。にもかかわらず、俺の攻撃はすべて余裕でいなされてしまっている。
いったん距離をとる。勢いをつけて横なぎに斬りかかったのだが、
「なっ!」
「フン」
ガードすらせずにそのまま素手で受けやがった。しかも全く意に介した様子もない。竹刀とはいえ武器だぜ?当たったらそれなりに痛いはずなのに何の反応もない。
あまりのことに動きが止まってしまった。それを狙い澄ましたかのような掌打を胸にくらった。
「かはっ」
やはり吹っ飛ばされる。普通の人間の威力じゃねぇだろ!
「この力が不思議か?」
「……」
「悪いが俺は人間じゃない。力の差など当然のこと」
「なっ!」
「そんなことはどうでもいい。『自己強化』」
「!!」
男の姿が掻き消える。次の瞬間には俺の目の前に立っていた。さっきの掌打で10メートル以上離れていたにもかかわらずだ。
「くっ」
竹刀を振るが、男は既に元の位置まで下がっている。
「この世界には魔法が存在する。これはその一つだ」
「は!?」
「強化魔法という。次で最後にする。構えろ」
最初と同じ言葉。今度は俺も構える。男の姿がまた消える。そして俺の目の前にいた。最初と同じ太刀筋で斬りかかってくる。これは見える。俺はまた剣筋を逸らそうと竹刀を当て
「は?」
俺の竹刀は半ばほどで斬られていた。男の竹刀は俺の顔の目の前で寸止めされている。男の竹刀を見るとわずかな違和感。
「これは絶魔法。指定した存在や空間自体を消滅させる魔法だ。今は竹刀が纏うように指定した」
「絶…魔法…」
俺の竹刀が斬れたのは、触れた部分が消されたからか。竹刀で竹刀を斬るとかどんだけだよ!
「先ほどの身体強化の魔法とこの絶魔法はお前にも使えるはずだ」
「へ?」
さっきから驚いてばっかだが、これは一番驚いた。俺も使えるだと?
「どうやって使うかは自分で考えろ。俺の要件は以上だ」
「な、なんで俺に…?」
「絶魔法の使い手足りえる者は少ないのでな、久しぶりに見たので少々遊んだだけだ気にするな」
「遊んだって…おい」
「そろそろ現実に戻れ。あの熊ごときに手間取るな。また会おう」
男の姿が薄くなる。いや俺が薄れてきてるのか。
「待ってくれ!あんたは一体誰なんだ?」
「いってなかったか?俺はゼクス。絶龍皇ゼクス=ローガンだ」
その言葉を最後に俺の意識は現実に戻された。
そしてあの角熊と対面する。
戦闘描写ってこれでいいんでしょうか…。4/3改稿しました。