プロローグ
初投稿です!主人公最強モノが書きたかったので書いてみました。書いてて楽しいことを重視しております。ご都合主義、俺最強!などが含まれますのでご注意ください。それでもよろしければどうぞ。
「……冴島響、俺と交際してくれ」
「断る!!」
どうしてこうなった……。放課後、高校の中庭に呼び出されて来てみればこの始末だ。
「なぜだ?何が不満なんだ?」
「不満しかねぇよ!」
口調からわかると思うが、俺は冴島響、健全な高二男子だ。それなのに…
「俺は、お前を一目見たときに確信した。これは運命だと!」
「何がだ」
「俺のような歴戦の戦士の横に立つべきなのは、守るべき美しい者だ。お前こそ俺にふさわしい!」
…何こいつ…。ところどころ使ってる単語がヤバい。交際だの歴戦の戦士だの、と高校生とは思えないな。
俺の外見については、まぁ認めよう。今までも言われ続けてきたことだ。全然嬉しくないが。
顔は母親譲りなのか女顔で、体も細いし髪も長い。体が細いのは、女にみられるのが嫌で武術で鍛えていたらこうなっただけ(裏目に出てる気がしないでもない)だし、髪が長いのは、どこに行ってももったいないといわれ切ってえもらえないからだ。
「俺といればおまえは幸せになれる!さぁ、共に行こう!俺にすべてをゆだゴフッッ!」
「黙れ!!」
うん、キモい。目がイッちゃってた。ウザかったので、鳩尾を殴らせていただきました。なんでホモでもないのに男と付き合わなきゃいけねえんだよ。にしても弱かったな、歴戦の戦士。
「あ、響。終わった?」
「見てたなら止めてくれよ……」
校舎の陰から出てきたのは、五月雨帝。俺の幼馴染だ。腹黒いイケメン。
「だって面白かったし」
「人の不幸を笑うなよ……」
「それより早く帰ろうよ。奏音ちゃん体調悪いんでしょ?」
「あぁ、そうだな」
冴島奏音、中三の俺の妹。そして帝の彼女だ。
奏音は体が弱いので、よく体調を崩す。今日も熱を出して寝ている。
「ただいま」
「お邪魔します」
「あら、帝君いらっしゃい。奏音なら音部屋にいるわよ」
「ありがとうございます。じゃ」
そういって帝はそそくさといなくなった。帝の両親とうちの両親は、大学が一緒だったとかで仲がいいので、帝と奏音のカップルは両家が認めている。親公認だから遠慮がないんだろう。
「で、響は誰に告白されてきたのかしら?」
「なんでわかんだよ!?」
「勘で!」
「勘!?」
ハァ…。母さん無駄に勘いいからな。二十代後半くらいにしか見えないのに、実はそろそろ四十
「響?何を考えてるの?」
「何でもありません」
なんだろう?急に寒気が…。
「はぁ、疲れたから部屋で寝る」
「そう?じゃあ夕飯の時起こすわ」
そう言って部屋に向かう。ベッドに倒れこもうとしたとき、
「きゃあっ!」
「奏音ちゃん!うっっ!」
なんだ今の?急いで奏音の部屋に向かう。ドアを開けると、
「誰だお前!」
仮面をつけた黒ローブの仮面男と、扉のような黒い空間があった。奏音は、男の左腕に抱えられている。
「奏音を放せ!」
「黙れ、小僧。邪魔するならばそうなるぞ」
と、男が示した方をみると、
「う……ひび…き」
「帝!?」
帝が血まみれになって倒れていた。何をされた?
「この娘をわが主が所望していた。だから連れていく。さらばだ」
そういって男は身を翻し黒い空間へと向かう。
「お兄…ちゃん…」
「奏音!」
奏音が熱でうるんだ眼で見てくる。行くしかねえ!
「うおぉぉぉぉぉぉぉ!!」
俺は、背を向けていた男にぶつかり奏音を奪い返す。が、ぶつかった勢いで、俺は奏音を抱えたまま黒い空間に飛び込んでしまう。
「しまった!!」
男の悔しそうな声が聞こえる。ざまぁみやがれ。
俺はそのまま意識を失った…。
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