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第六章 scene10 風

ひとりになって、ある日。


昼の光。

人の声。

コーヒーの香り。


ドアが鳴り、入ってきた青年。


爽やかで。

優しそうで。

柔らかい立ち方で。


――横顔。

サーヤの呼吸が止まる。


(修……)


喉が勝手に動く。


「……修?」


青年、振り返る。


「え?」


全然知らない顔。

でも、似てる。

目の奥の光が。


サーヤ、笑う。

でも震えてる。


「…あ…ごめんなさい。

ちょっと、知り合いに似てたから。」


青年はきょとんとして――

ふっと優しく笑う。


「――幸せな人だったんですね、その人」


胸に刺さる。

でも、温かい。


青年

「ここ、すごく落ち着きますね。

一人でやってるんですか?」


サーヤ

「……うん。“いまは”ね」


青年は椅子に座る。

少し子どもみたいに足を揺らして。


「じゃあ、通います。ここはいい時間を過ごせそうだ。……許可、もらえます?」


サーヤ、

笑う。


完全に今の世界の笑顔で。


「――どうぞ。いつでもいらしてください」


青年は常連になり、イケメンムーブをかましてサーヤに懐く。


だがサーヤの心の声。


いや、修ポジションでそれやられると、母性の方向に情が出るだけなんだけど?キュンじゃない。むしろ――ひくわぁ。どうしよう。これは恋愛ポジなのかしら


日常は続く?

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