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第六章 scene8 発覚

カフェの夜

いつもの席。

灯りは柔らかい。


レオン、爺さんのカメラを撫でながら

「――俺、行ってもいいか」


サーヤは即答しない。

ただ、じっと見る。


「また“逃げる”んじゃないんだ」

レオンは笑うけど、笑いじゃない声で言う。


「今度は……

“ちゃんと見るために”

“ちゃんと残すために”

それと“ちゃんと助けるために”

行きたい」


サーヤ、静かに息を吸う。


「……うん。行って」


「止めないんだな」

レオンは少し寂しそうに笑う。


サーヤ

「止めないよ。だってそれが――

“レオンが生き返る道”でしょ」


しばし沈黙。


サーヤは自分の胸に手を置いて言う。


「私はここにいる。

ここで、“帰ってくる場所”を作る」


「……帰ってくる前提かよ」

レオン、照れ隠しみたいに笑う。


サーヤも笑う。


「帰ってこなかったら、絶対──迎えに行くからね」


レオンの喉が鳴る。

返事は短く。


「……あぁ」





サーヤ

「…ねぇ、レオン」


レオン

「なんだ」


サーヤ

「ちょっと前からさ……

……疑ってたよね? わたしのこと」


沈黙。

レオンが、少しだけ笑う。


レオン

「…今それ言う?…お前こそだろ」


サーヤ

「やっぱり!じゃあ、どの辺から?」


レオン

「最初は――パンの成形だな」


サーヤ

「え、そこ?」


レオン

「そこだけじゃねぇけどな。クレープも、ポカリもちょいちょいワードでてたしな。


しかしあのパンは“経験”じゃない。“感覚の記憶”だ。

この世界でそんな手際になるやつ、そういねぇよ。しかも子どもがよ。てか、おまえほんとは何歳だよ?」


サーヤは笑い。


サーヤ

「えー、言わない。いいじゃない。17歳で。

じゃあ、わたしの番。

レオンはね……熊さんのところの探偵ぽいので確信した!熱でうなされてめっちゃぶっちゃけてたし。

“死ぬ話の仕方”が、この世界の人じゃなかった」


レオン、視線を逸らす。

その横顔、少し切ない。


サーヤ

「怖がらないんじゃない。

“知ってる人の声”だった」


沈黙。

でも、温かい静けさ。


レオン

「お互い様、ってことだな」


サーヤ笑う。


「転生者同士のくせに、

確認するのこんな遅いとか、ほんとバカだよね」


レオン

「……でも、それでよかった」


サーヤ

「うん。たぶん――

“急いで認めたら壊れる気がした”んだよね」


二人とも笑う。


ここは転生者が集まるカフェか?


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