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第十一章 scene17 恋する乙女

チリン。

扉が開く。


フードを深く被った二人組。


サーヤは、ミルを回す手を止めずに言った。

「……はいはい。お忍びですね」


「サーヤ!!」

フードがばさっと外れる。


「聞いて!!」

ライラだった。


サーヤ

「……どうしたの、そんな勢いで」


ライラは、両手を胸の前でぎゅっと握る。


「わたしね!」

「気になる方ができたの!!」


サーヤ

「え?」


一瞬、脳裏をよぎる顔。


(……まさか)


「……騎士たち?」


リオが、横で小さくため息をついた。

「違います」


即答。


「ライラ様は、先日のパーティーで出会った」

「貴族の方に、すっかり夢中になられまして」


ライラ

「もう!言い方!」


「でもね!」

「優しくて!」

「踊りも上手で!」

「声も素敵で!」


サーヤ

(あー、恋ね)


ライラは、ぐっと身を乗り出す。

「それでね!お願いがあるの!」


サーヤ

「……なに?」


キラキラした目。

「可愛くなる方法、教えて!!」


一瞬の沈黙。


カウンターの奥で、レオンが肩を揺らしている。

リオは、半目。


サーヤは、にこっと笑った。

そして、即答。

「ございません!」


「えええええ!?」


ライラ

「そんなはずないじゃない!」

「サーヤ、可愛いもの!」


サーヤ

「それはね」


コーヒーカップを置きながら。


「恋してるときは」

「みんな、勝手に可愛くなるの」


ライラ

「……!」


リオ

(正論)


サーヤ

「だから」

「今のライラで、十分です」


ライラは、一瞬ぽかんとしてから――

ぱぁっと笑った。


「……サーヤ、やっぱり好き!」


サーヤ

「はいはい」


その様子を、少し離れた席で見ていたルカとガルム。


ガルム

「……平和だな」


ルカ

「……ですね」


レオンが、ぼそっと言う。


「な?」

「人生、回るだろ」


サーヤは、コーヒーの湯気の向こうで思った。


(ほんとにね)


恋も。

友情も。

人生も。


――ちゃんと、次に進んでる。


カフェの朝は、今日も賑やかだった。

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