第九章 scene4 ハンバーガー
カフェの裏に、即席の作業台。
パン。
肉。
野菜。
調味料。
レオンが腕を組む。
レオン
「……これ、完全に俺の専門外なんだけど」
サーヤ
「写真は撮らなくていいから、味見してね」
テッド
「最重要任務だな」
⸻
まずは、ただ焼いただけの肉をパンに挟む。
クルス、ひと口。
クルス
「……硬っ」
「噛み切れねぇ」
即、却下。
⸻
次。
刻み肉をまとめて、軽く塩。
脂は落とさず、そのまま。
鉄板に置くと、
じゅわっと音が立つ。
テッドがかぶりつく。
テッド
「……お」
「……うまい」
「これでいこう」
⸻
サーヤ
「まだまだ!次!」
ベーコン。
チキン。
フィッシュフライ。
油の匂いが重なっていく。
サーヤ
「ソースは甘いのと、ちょっと辛いの」
テッド
「辛すぎはダメだぞ」
クルス
「逃げながら食えなくなる」
サーヤ
「前提が物騒」
チリ。
テリヤキ。
マヨ。
ケチャップ。
試して、食べて、首を振って、もう一口。
テッド
「おぉ!」
「これ!これにしよ!」
⸻
完成。
仮称――
・走るバーガー(定番)/ビーフパテ
・港のピリ辛バーガー/フィッシュフライ
・チキンテリヤキバーガー
テッド
「……全部売れる!」
クルス
「値段もいける!」
レオン
「……なんで俺」
「これ、思いつかなかったんだろう……」
⸻
荷車の横に、簡単な看板。
手書きで。
《焼きたて ハンバーガー》
クルス
「……シンプルだな」
サーヤ
「覚えてもらうのが一番よ」
テッド
「よし」
取っ手を握る。
「今度こそ、行くか」
サーヤ
「いってらっしゃい」
「……売れなかったら、戻ってきていいからね〜」
テッド
「それ、保険か?」
クルス
「いや、帰る場所だろ」
レオンが、ぽつり。
「……写真、もう一回、撮らせろよ」
4人、並ぶ。
やっぱりだいぶピンぼけ。
でも、荷車の看板も、ちゃんと写ってる。
じゃあな!
またね!




