第11話 家にできた森?の調査
-side オーウェン-
家に帰った俺は庭に出現した、謎の森もどき調査をする事にした。
……というか、ここに来てから思っていたけど、うちの庭めっちゃ広く無いか?
軽く東京ドーム1個分くらいありそうだ。
さらに裏庭もある。うーむ、実家だった伯爵家も相当広かったが、ここは土地が有り余っているのか、さらに広いな。
家の中も、外も、一応道は整備されているが、ずいぶん前にされたもののようだ。
調べ終わった後で、色々整備しないと。
ヴァイオリンを弾いている場合ではなかった。まあいいか。久しぶりの演奏楽しかったし。
そんな事を思いながら、森の中に入る。
「……!!綺麗だなーー、この森」
中に入ると、おとぎ話に聞くような、神々しく、美しい森が広がっていた。
思わず、口をぽかんと開けてしまう。
木々は緑豊かで、陽の光が枝葉を通して地面に穏やかなシルエットを描いている。
「それに、この感じ、なんか、珍しい薬草ばっかだな?試しにこの草を鑑定してみるか。
[鑑定]……!!!」
[鑑定結果] エリク草
エリク草と言えば、万能治療薬、エリクサーの原料となる草である。1草で大体、100万バルト。日本円に換算すると、およそ1億円である。見つかる事自体が奇跡の薬草。それが、これだけ生えているとなると、一体どれくらいの価値なのか……想像もつかないな。
「おっと、お金のためもあるけど、今後、本当に、このエリク草を必要とする人が出るかもしれない。念のため、少し取っていくか」
取りすぎも良く無いという事で、その場にある1/3程度取っていく。
「他の薬草も凄そうなのばかりだから勿体無いような気もするけど……、調査のためだし、とりあえず先に進むか」
そう考え、森を進んで行くと、静かな音が聞こえてきた。よく耳を澄ませてみると、それは鳥のさえずりや、水の流れる音、風が木々を揺らす音が聞こえる。
「美しい音色だな。こんな魔境で、ここまで平穏な鳥の音色が聞こえるとは思わなかった」
うーーん。ヴァイオリン弾きたくなってきた。ちょっとくらいなら……、良いよな?
「[ヴァイオリン召喚]」
うん、1曲だけ弾いてしまおう。
鳥の音色に合わせて、ヴァイオリンの音色は森に溶け込み、鳥たちも俺の演奏に合わせるように、さえずり始めた。
自然の音楽会場か、ここは?と思うほどに、自然と人間が一緒に音楽を奏でている。
気持ちがいいな--。
1曲弾き終わり、ヴァイオリンの音色が静かに鳴り止む。もう1曲だけ、弾きたい気持ちをグッと堪え、さらに、奥に進む事にした。
「うーーん。周りを索敵しても、生えてる木と草がやたらと珍しくて神々しい以外は、何一つ、違和感がないな」
索敵魔法に引っかからない違和感、違和感か……、うーーん?思えば、心なしか、さっきヴァイオリンを弾いた後、この森に受け入れられたような感じもする……、気もするだけだが。
「待てよ……、そもそもこの神々しさ、人の仕業とか、魔物の仕業とかではない気がする。突拍子も無いが、まさかとは思うけど……、精霊とか、神の悪戯とか、そっちの方面だったりするか?」
しかし、この前、エリーゼさんは、精霊の門は現在閉まっているって言ってたからな。
もしそうだとしても、俺がこれ以上調べたところで、分からないだろう。
とりあえず、可能性が無いわけでは無いから、冒険者ギルドには、報告しておくか?
「うーーん。まあ、でも眠いし、明日でいいか?」
ここの森はやたらと癒される……。リオンシュタットに、着いて3日目だが、既に色々なことがあって、疲れていた俺は、念の為、周囲に浄化の魔法をかけ、結界魔法を張り、その場で、泥のように眠ったのだった。
♢ ♢ ♢ ♢ ♢
〜side ???〜
『あ、この音色だよ。この音色!!』
『そう、この音色ですわ〜!』
『確かに、美味しい魔力!森の木達も喜んでいるね--って、まさかとは思うけど、この森、お前達が作ったとかでは無いよね?』
『ん??そうだけど……?』
『馬鹿!人間達に、僕たちの存在がバレたらどうするんだ!?--っというか、人間既にここに入ってきてるし--!!』
『あ、そうだった』
『あ、そうだったじゃ無いよ!全く。……あれ?人間の気配が消えた--?というより、これは、結界魔法使ってるな?行ってみよう!』
『あっ……!待ってください!シルフ様!』
『待つのですわ〜!!』
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