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糞神様と大株主

―――キキキーッッッ

キャッーーー!

「ん、なんだ? この白い空間」

「あ、起きた?」

は? なんだこいつ? どこここ? てか誰?

「いや起きたかじゃなくて、あんた誰?ここどこ?」

「ああ、言うの忘れてたな。私神様、ここ天界、君死んだの。―――手違いで」

いや、手違いでじゃなくて。なんだこいつ? しばき倒してやろうか?

気が動転していなかったら手が出ていたところだ。

「は? はっ倒すぞ、人殺しておいて何ヘラヘラしてんだお前」

「あー、ごめんごめん。(チッ、めんどくせーなこいつ。てか神様の前だろ? もうちょっと敬ってもいんじゃねーの? なんだこいつ)」

「いや小声がガッツリ聞こえてるんだが? 態度悪っ! まず謝罪しろよ、土下座土下座」

「ごほん、というわけで君を転生させてあげようと思う」

「いや、騙されねーからな? 何しれっと論点ずらそうとしてるんだよ」

「あーもうめんどくさい、めんどくさい。地獄に送るよ? こっちだって譲歩してあげてるんだから」

「わかったよ! じゃあ俺をとびっきりの美少女がいる異世界に転生させてくれ!」

それを聞いた神様は、タブレットを開いて検索をかけだした。

「んーと、あーご希望の物件は全部埋まってますね。残念ながら今空きがあるのは、君がいた元いた世界だけだね」

神様はそうしれっと居直った。

いや、定員が空いてるのは「お前が殺したからだろうが」と喉の奥から、言葉が出る寸前であったがなんとか堪えた。

「じゃあせめて俺の願いを一つ叶えてから転生させてくれ。じゃないとここで暴れ散らかしてやる」

「君、根っからのクレーマー気質だね。まあいいや。それで君の気が済むなら願いの一つくらい叶えてあげるよ。で、なにがいいの?」

「俺が死ぬ前につとめていた会社の社長に説教してやりたい! つまり、社長よりも偉い存在にして転生させてくれ!」

「社長より偉い存在? 何その小学生レベルの要求。まあいいや、それで君が納得するならそれでいいよ」

「おう、わかったならはやくしろ!」

エイッと、神様が何やら呪文を唱えると俺の体は光輝いた。

「うお、これでようたく元の世界に戻れるのか!」

「うん、じゃあねー。もうこっちに来るんじゃないよー」

「お前が連れてきたんだろう―――」

そういい終える間に俺は、その白い空間から消えていた。

「頭悪そうな人だったなー、あれで生きていけるのかね」

白い空間に取り残された神様は、そうポツリと呟いた。


目が覚めると俺は、ベッドの上で眠っていた。

そうか、俺は生き返ったのか。

さっきまでの会話が嘘のようであった。

もしかしたら夢なのかもしれない。

そう俺が心の中で思った瞬間であった。

(あ、生き返ったんだ? 約束通り君を転生させてあげたよ)

なんと頭の中に直接話しかける声が聞こえた。

この声は間違いない。さっき会った神様の声だ。

「うわ、びっくりした! いきなり話しかけてくるなよ」

(あー、ごめんごめん。)

「ところで本当に俺は社長より偉い立場になったんだろうな?」

(あー、それね大丈夫大丈夫。ちゃんと君は社長より偉い存在だよ)

「本当か! やった! 俺は社長より偉くなったんだ! ……で、社長より偉い存在って一体なんなんだ?」

(え、そんなことも知らないの? まず会社は誰のものか知ってる?)

「そんなの社長のものだろ?」

(あー、本当に知らない感じかー。会社は株主のものだよ。そして君は元勤めていた会社の筆頭株主だよ)

「は? 本当か! それはどこで確認できる!」

(会社のIR※会社が投資家に向け開示している資料 を調べればいんだけど、まあ適当に君の会社の投資家情報が乗っているサイトを見てみそ)

そう言われて俺は、自分のスマホを取り出し、Uニクロ 投資家情報と検索した。

すると、なんとそのサイトの大株主という欄の一番上に俺の名前が書いてあった。

「なんだこれ! 俺の名前が書いてある! 本当に俺が会社の大株主になったというのか!」

(そうだよ君は、もうその会社の大株主オーナーさ)

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