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古代遺跡⑤

とある森の中。


そこにいるのは、レアード、レイブン、ランザ、ミニヴィアの4人。

互いに均等に距離を開け、あたりを警戒して進んでいく。


しばらく進み、目の前に遺跡が現れる。


「遺跡ってのはこれかぁ?」


「は、はい」


「なら入るぞ」


レアードが目を向けると、すでに武器を構えている3人。

レアード達は遺跡の内部に入っていった。





遺跡の内部は広場のようになっていた。

中央の空間は草木もなく、砂が広がっているだけ、逆に端の方は草木が生い茂っており、中央に何かあるのがはっきりわかる状態になっていた。


あたりを警戒していると、遺跡の天井がいつの間にか開いていて、そこから大きな四角い遺跡機械が下りてくる。


レアード達は、武器を構え警戒する。


四角い遺跡機械は、地面に降り立つと形を変えていく。

横に伸び、伸びた頭を、4本の足を、長い尾を作り、正体があらわになる。


「なんだこりゃぁ?」


「こ、これは・・・」


「知ってんのかぁ?」


レアードはレイブンに目を向ける。


「あれは確か古い文献で見たことがある。たしか川岸に生息していたとされる・・・・・・名前は確か・・・鰐・・・だったかと」


「古い文献って・・・絶滅種ってことじゃねえか!!」


グオオオオオオオオオ!!


鰐はレアードたちに目を向け、大きく雄たけびを上げる。






鰐は巨大な胴体を引きずってレアードたちに接近する。


幸い動きはそこまで早くはない。


レアード達は距離を取り、鰐を観察する。


「おい、鰐の特徴ってどんななんだぁ?」


「たしか、鰐皮が非常に人気で、とてつもない強度だったとか・・・。あと、噛み砕く力が尋常じゃ・・・とか」


「・・・・・・たしかにとんでもない顎力だなぁ。壁を食ってやがる」


鰐は壁を嚙み砕き、旨そうに咀嚼している。


やがて、食べ飽きたのか、咀嚼をやめレアード達に向き直る。


「いくぞぉ!」


レアードは、鰐の腹部から岩の棘を生やす。

貫こうとするが、腹部の強度も尋常ではなくなっている。


鰐の巨体を浮かすこともできず、岩の棘は鰐の巨体によって潰される。


鰐はレアードに向けて突っ込んでくるが、ミニヴィアの幻覚により、方向を変え、壁にぶつかる。


レイブンはそのすきを狙って、瞬時に鰐の背中に飛び乗る。

そして、一閃。


ギュアアアアアア!


レイブンの一撃は強靭な皮膚をきれいに切り裂き傷を負わせる。


鰐は体を壁にたたきつけることで、レイブンを背中から引き離す。


鰐はレイブンに怒りの視線を向ける。

再警戒をレイブンに変えたようだ。


「お前ら!レイブンの援護に回るぞ!」


レアードは岩を生み出し、鰐とレイブンの間に障害物を作る。


鰐は障害物を壊しレイブンに襲い掛かろうとするが、ミニヴィアの幻覚によりレイブンを見失う。


ギュアアアアアアア!!


そして、今度は側面からレイブンの一撃。


鰐は、レイブンを必要に追いかけようとするが、障害物と幻覚に翻弄され苛立ちを覚えていく。


いける!


そう感じたレアード達は一層畳みかけるが、ここで鰐の策略にはまる。


背中に乗ったレイブンは刀を突き刺そうとするが、その瞬間、皮膚が逆立ちレイブンを穿つ。

瞬間移動により移動をするが、ギリギリ対処できず足に大きな傷を負ってしまう。


「治療します!」


ここで後方で控えていたランザが現れる。

レイブンを中心にサークルが現れ、緑色の光がレイブンを覆う。

少しずつではあるがレイブンの足は傷が塞がっていくのが見える。


しかし、この機会を逃す鰐ではなかった。

今度は背中の逆立った皮膚を飛ばし、棘の雨を降らせる。


レアードがスキルにより壁を作るが、その壁を貫通して、レアードたちを襲う。


雨が止んだ時には皆、針により猛攻により、傷だらけになっていた。


ランザが自身を含む全員をなんとか回復させる。


回復の時間を稼ぐためにミニヴィアも力を振り絞り幻覚を発生させる。


しかし、鰐の前に幻覚はすでに無意味なものとなっていた。

鰐は全方向に皮膚を飛ばし、レアード達を襲う。


針による追撃を受け幻覚が消える。


レアードたちを正確にとらえた鰐は自身をジャイロ回転させ、こちらに接近してくる。


レアードは岩の壁を何重にも展開するが、すべて粉砕されて鰐が迫ってくる。


鰐は巨体であるため、全員を一度に攻撃できる。


レアードたちは傷が深く、身動きが取れない。


鰐の一撃が、後方の壁を抉った。





気が付くと、目の前には鰐の後ろ姿。


「間に合った・・・」


レアードが声の主に目を向けると、そこにいたのは傷だらけのレイブン。


「何をした?」


「俺のスキルで全員を飛ばした」


それだけ言うと、レイブンは膝をつく。


レアードは察した。レイブンのスキルは自身の体力を消耗するものだと。


レアードは、鰐に目を向ける。

鰐はすでに反転し、再びデスロールを仕掛けるつもりなのだろう。


レアードは額に汗をかき、対処法を考える。


「手がある・・・」


レイブンは消えそうな小さな声で呟く。


「奴が皮膚を飛ばした瞬間、その瞬間なら私のスキルで首を飛ばせる」


レアード達は黙って聞き耳を立てる。


「しかし、それには集中力がいるため、攻撃を一度でも受ければ逆にやられるだろう」


「つまり、俺らだけであの攻撃を凌いで隙を作れってことだな」


「そうなる」


「むちゃ言いやがる・・・」


レアードは立ち上がり、デスロールで向かってきている鰐に目を向ける。


「やってやるよ。その代わり、ぜってえ成功させろよなぁ!!」


レアードは鰐に向かっていった。





レアードは鰐に向かって向かって走り出す。


岩石の障害物を作り出し、軌道修正に図る。

しかし、軌道を変える事すらできない。


「くそおおおおお!!」


「私もいる!」


いつの間にかそばまで来ていたミニヴィアが幻覚で軌道の修正に成功する。


鰐はなにも巻き込めていないことに気づくと、今度はデスロールで反転しながら、皮膚を全方位に飛ばしてくる。


「固まれ!!」


ミニヴィアを呼ぶと、レアードは先ほどよりも、質も量も勝る岩石で壁を作る。

鰐はそのすべてを破壊するが、わずかに軌道修正に成功し、ミニヴィアを抱いて、横に飛ぶことで何とかかわす。


ミニヴィアは再び幻覚を見せる。

鰐は皮膚を飛ばすが、その直後をレアードは襲う。

鰐の上下左右の壁から岩を出して、鰐の首を穿つ。


レアードの全力の一撃であった。


そのせいで、皮膚を躱すゆとりはない。


レアードとミニヴィアは正面から皮膚をもろに受けることになった。





レアードの捨て身の攻撃により、鰐はいったん動きを止めた。


しかし、それもほんの一瞬。


すぐに岩棘を破壊し、すでに満身創痍のレアードたちを襲う。


鰐は口を開け、レアード達を飲み込もうとする。


その瞬間。


鰐の首は飛んだ。


岩棘により僅かに再生が遅れた首をレイブンが見事に切り裂いたのである。


レイブンが着地すると同時に、鰐の頭が地面に落ちる。

レイブンはすぐさま、レアード、ミニヴィアのもとへ向かう。


レイブン、ミニヴィアはすでにランザの治療を受けている。

レイブンも力を使い果たし、動くこともままならないがそれでも看病に参加する。


しかし、2人の状態が悪すぎる。


皮膚により体の彼方此方を貫かれており、重症どころの騒ぎではなくなっていた。


レアードは、顔半分、脇腹、左腕、右足が吹き飛んでおり、ミニヴィアは体が上下に真っ二つになっている。


ランザの治療により徐々に再生しつつあるが、完治まで持ちそうもない。


レイブンは諦めた表情で、ランザは必死な表情で2人を看病していた。


そうして、鰐が消滅したタイミングで、空間が崩壊し、全員の意識が途切れたのである。

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