神様転生短編
2XXX年。地球は宇宙人に侵略された。
別に謎の力で武器が効かない、とかはなかったが、普通に地球から観測できない遠い星から来た、つまり技術の格差が途轍もなく開いていたわけで。
最初に宇宙人側から放たれた化学兵器で地球の武装は大半が破損。
残ったミサイルを宇宙に連射しても、効果はあるが宇宙人側の戦艦はとても堅く、一隻も墜ちず。核ミサイルは地球でいう大破まで壊したが、ダメージコントロールも上の宇宙戦艦は普通にそのまま戦闘続行。
そもそも宇宙人はこうして幾つもの星を支配して資源を得ていたので物量が違う。
仮に相手と同じ技術があっても、絶対に負けていた。
最初の偵察でも、宇宙人側の戦艦は百万隻だったのだから。
もちろん、実は全戦力だった、とかではなく普通に戦力のごく一部である。
そんなわけで、文明が違う敵艦を分析して模倣、とかもできるわけがなく。
戦力差の通り、逆転もなく、順当に地球人類は敗北した。
宇宙人側も資源が欲しいだけで、考察はできても遥かに劣る文明に興味はなく。
とりあえず宇宙人のすごいレーダーで地球人は殲滅された。
地球人の赤ん坊とか、野生動物は宇宙人側の環境保護団体的なのが残した。
一応ビルとか地球人の文明も少しは跡形が残った。
でも地球は完全に宇宙人の資源になった。
「そんな世界に転生してもらう」
「どうしろと?」
「あと当たり前だけどチートとかも与えないから」
「いやほんとどうしろと?」
「普通に転生させるだけなのになんで転生特典とかあからさまなイレギュラーを付与するのか」
「何もないなら普通に、というか前世の記憶とか残さず転生したいんですけど」
「元から輪廻転生ってそういうものでしょ?ちゃんとそういう宗教あるでしょ」
「最近は変な文化ができてまして……」
「いや全知全能だから知ってるけど。妄想と現実は違う。OK」
「常識的に考えれば全知全能も転生も妄想側なんですが……」
「全知全能の神が失敗する、その被害が人間一人だけで済む。
神が人間に謝る、お詫びに一人死んだ以上に世界に異常を齎す転生特典を与える。
心・技・体、全て凡人だったのが神から特別な力を与えられた程度で……」
「ごめんなさい」
「失敗をする、明らかに神を僭称する雑魚の力と、聖者でもない凡人。
それが世界をどうこうできる英雄になるとでも。
力を振りかざすか、力に振り回される悪役がせいぜいでしょ。
凡人の技・知恵・思考・精神で……」
「あの、転生させるんですよね?」
「そうだね、
じゃあ忘れるだろうけど宇宙人とも地球人とも無関係な星の一生楽しみなよ。
ちなみに余命6年。地球人基準で。」
「……別の宇宙人ですか?」
「なんかでっかい芋虫みたいなの。SFではよくあるでしょ」
「というか宇宙人が地球を侵略云々は……?」
「こういうのでは説明をする、という思い込みが君にあったからそれを望みとして叶えた。
しかし本物の神が失敗なんてするわけないし、実際何も失敗してない。
与える転生特典も無いし、君に需要があるだろう、来世の説明をした。
転生する星の生物学的なあれこれとか環境とか説明されても分かんないでしょ」
「いや忘れるのに宇宙人とかの話をされても……」
「人類は身近なものの方が興味持てる」
「そうですけど……」
「そういうわけで良い来世を〜
ちなみに来世の死因は普通に食われて病死」
「それ悪くないですか?!」
終わり。




