07 幕間 神界にて イリゼとミコト
ちょっと息抜きのミコトさんです。短めですが。
~ 神界 ミコトの家 ~
「やっほーミコちん、あなたの親友イリゼが来ましたよ~」
「……イリゼ、おはよう」
私は女神イリゼ。実は結構偉いのだよ。同期の出世頭とは誰でしょう? そう、私です。今日は親友のミコトに会いに来たのだけど、いつにも増してテンション低いねミコちん……
「ミコちん、ひょっとして、カケルくんもう出発しちゃったの?」
「うん。たった今行ったところ」
「あちゃー、間に合わなかったか~。仕方ない。直接授けるより若干効果落ちるけど、カケルくんに加護、贈ってあげる。これで幸運値90ぐらいまで上がるはず」
「イリゼ……ありがとう。異世界行きの件も感謝してる」
「別にいいって~、親友なんだしこれぐらい何てことないよ。それに、やっとミコちんに良い人ができたんだから私も嬉しいよ」
「…………」
おお……ミコちんが照れてる……ものすごくわかりづらいけど、親友の私じゃないとわからないぐらいだけど、めっちゃ照れてる……カワイイ。
「でも……本当に良かったの? 自分で言うのもなんだけど、私の世界、結構世紀末状態だよ? そんなところにカケルくん送り出して心配じゃないの?」
「大丈夫。魂集めるにはむしろ好都合」
「そ、そう。ミコちん結構スパルタなんだね……」
全然大丈夫じゃないと思うけど、カケルくん……健闘を祈るよ。お姉さんは。
「まあ、私も久しぶりに勇者と転生者送り込んでるから、ぎりぎり何とか持ちこたえられるとは思うけどね~」
「……イリゼ、機嫌悪い。何かあったの?」
「さっすがミコちん、そうなのよ! また勇者、女だったのよ~。なんで私ばっかり女勇者が来るのよ……私もミコちんみたいに勇者に求婚されたいのに~」
「……どんまい」
う……なんか 余裕あるねミコちん。さすが愛されてる女は違うよ。
「それより、あの飾ってある絵って、ミコちんだよね? カケルくんが描いたの?」
「!?っ こくこくこくこく」
おっおお……めっちゃ食いついたよ。うわっ、なんかいっぱい絵持ってきたんだけど……。
さっきから何百枚ものミコちんを見せられてる薄幸の美女はだれでしょう? 私です……。
「ほわぁ……本当に上手。ミコちんすごい美人さんに描いてもらってるね~」
「……カケルは、本物の私のほうが何倍も綺麗だって言った」
……はいはい、ご馳走様です。でも、あのミコトがここまで入れ込むなんて……私もカケルくんに興味がでてきちゃったわ。
「ところでミコちん……なんでさっきからデスサイズ研いでんの? 今日は仕事ないでしょ?」
「ん、いつでもカケルを殺せるように準備してる」
「怖いよっ」
ミコちん……心配して様子見に来たけど、大丈夫そうだね。うん。
創造神イリゼさま 絵/ 貴様二太郎さま