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天使なリエルと守護獣のルーラ


『破翼天斬・ソウルセイバー!!!』


――――――ザシュッ!!―――――――



 16人のカケルによって同時に放たれる一撃。極限までコントロールされた神力は、世界そのものを切り裂くほどの威力を持ちながら、周囲にそよかぜすら起こさない。その命のみを刈り取る優しき死神の祝福だ。



『レベルが上がりました』

『レベルが上がりました』

『レベルが上がりました』

『レベルが上がりました』

『レベルが上がりました』

『レベルが上がりました』

『レベルが上がりました』



『レベルが上がりました×999 はい、お疲れさま、カケル君』



 脳内にリエルの優しい声が響く。


 そうか……リエルの脳内アナウンスももうすぐ終わりなんだな。


 邪神からリエルの身体を取り戻したら、こんなふうに脳内で話すこともなくなるのだ。そう思うと少しだけ切ない気持ちになる。


『ふふふ~、なになに? 僕と話せなくなるのが淋しいの? むふふ~可愛いね』


 余程嬉しかったのか、大騒ぎではしゃぐリエル。ちょっとだけ頭がガンガンするが我慢しよう。


「リエル、あと少しだからな」

『うん……ありがとう、カケル君。でもね、僕も双子欲しいんだけど?』


 リエルよ……お前もか。


「身体を取り戻したらな」

『イヤだ。今すぐ欲しいんだよね』


 シルバーブロンドの幼女が姿を現す。


「なぜそんなに急ぐんだ? あと数日待てば――」

『……天使の身体に戻ったら、一緒に居られなくなっちゃうからだよ! もう決めたんだ。僕はカケル君にもらったこの身体で君が死ぬまで一緒に居るって。天使に戻るのはそれからでも遅くないからね?』


 ヴァイオレットの瞳が潤んで揺れている。


 そんな可愛いリエルの気持ちに応えないわけにはいかないよな。



「おいでリエル」

『やったー! 僕ね、男の子と女の子の双子が良い!』


 見た目は犯罪すれすれだが、ストライクゾーンは低めいっぱいギリギリセーフだ。


 リエルも無事男の子と女の子の双子を授かったよ。



***


 

「さてと、そろそろガルーダを召喚してみようかな……」


 すでにスケッチブック契約は完了している。あとは呼び出すだけの段階だ。


『主、我も立ち会わせてもらうぞ?』

『主、我も立ち会う』


 リヴァイアサンのリーヴァとベヒーモスのベステラが、メイド服姿で現れる。いつものことだが、呼んでもいないのに自由に出てくるよね。君たち。でも千年以上ぶりに3姉妹が揃うなんて胸が熱い。



「よし、それじゃあ呼び出すぞ。スケッチブック召喚、いでよ、『ルーラ』」


 本当はカルラにしたかったのだが、もうすでに俺のお嫁さんにいるからな。


 毎度初回限定、超特大の魔法陣が何層にもわたって出現。


 魔法陣の中央には眠そうに目をこする白髪の美女がぼんやりと立ち尽くしている。手足は折れそうなぐらい細いのに、飛ぶのには邪魔そうな立派なものをお持ちだ。言うまでもないことだが、全裸だ。


 サイズそのものはベステラに軍配が上がるだろうが、肉感的なベステラとは違い、ルーラは細身ゆえインパクトがすごい。俺のまな板以外耐性を易々と突破してくる破壊力だ。



「ルーラ、俺がお前の主、カケルだ。よろしくな!」


 ルーラの全身を余すところなく記憶しながら、手を差し出す。


『……ふーん、お前が主なんです? な、中々可愛い顔しているのです。なんかいい匂いがするのです』


 俺の胸に顔を押し付けてスリスリと匂いをかぐルーラ。細身なのにグラマラスな部分を惜しげもなく当ててくるので、これはたまらない。


「ち、ちょっと待て、さすがに全裸は不味いだろう。とりあえずこのメイド服を着てくれ。着方がわからないだろうから、俺が手取り足取り……え? 大丈夫? ……そうか」


 器用にメイド服を着こなすルーラ。ちゃんと翼があっても大丈夫なようにデザインされているから安心してほしい。抜かりはないのだ。



『あれ? よく見たらお姉さまたちがいるのです?』


 ようやく姉たちの存在に気付いたようで、目をぱちくりするルーラ。


『久しぶりだなルーラ』

『久しぶりルーラ』


 さっき付けた名前を、さも何千年もの間使い続けてきたかのように使いこなす姉たち。


『うわあ…会いたかったのです。リーヴァお姉さま、ベステラお姉さま!!』


 そして、ルーラもまた自然体で使いこなしている。かっけえ。


 

 和気あいあいと久しぶりの再会を楽しむ三人。これで原初の魔獣もコンプリートしたし、とりあえず邪神との対決前に戦力的な意味では万全だな。



『主、この機会に我らにも子を授けておくれ』


 うむ、俺もそう思っていたさ。今までの経験上、子を宿すと最低でも二倍以上にパワーアップするからな。リーヴァとベステラも欲しがっていたし、頑張ってみるか。


「よし、わかった。三人とも双子でいいのか?」


 どうせ双子だろうが、念のため聞いておく。


『『『いや、三つ子が欲しい』』』


 ……三つ子!? 予想外の答えだったな。ま、まあ出来なくはないけど、加速度的に子どもの数が増えている件。


「よし、まとめて面倒みてやるぜ!」


『我は、女の子三人が良いな』


 リーヴァは女の子ね。


『我は男の子三人だな』

 

 はいはい、べステラは男の子と。


『わ、我は男の子女の子男の子が良いのです!』


 えっと……その並び順関係ないよね? え? 順番大事!? そ、そうか。



 その後、無事三姉妹の強化に成功するカケルであった。

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i566029
(作/秋の桜子さま)
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