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閑話 人外娘たちの夜

 ――――キャメロニアの夜、カケルの作った異空間内――――



「今日もたくさんありがとな、リーヴァ、ベステラ、クロドラ」

『主~!!』


ぶんぶん尻尾を振りながら集まってくる美女3名。


 リヴァイアサンのリーヴァ、ベヒーモスのベステラ、暗黒竜のクロドラだ。


 召喚獣たちのケアは主たる俺の務めだ。特に女性の場合、一日3回のブラッシングを欠かすことはできないからな。彼女たちに笑顔の花が咲くのをみれば、俺も心底嬉しくなる。


『主、そろそろ我も子が欲しい。頼んだぞ』

 

 ブラッシングをされながら力強く念を押すのはリーヴァだ。心配するな、俺は百発百中だからな。むしろ問題は、リヴァイアサンの妊娠期間が120年と長いことだ。子が生まれた時に、俺が死んでいたらあまりにも可哀想なので、長生きしないといけないというか、俺が死んだらリーヴァも死ぬんだった!? ああ、これは当分死ねなくなってしまったぞ。


『主、リーヴァ姉ばかりずるいぞ。我にも子を授けてくれる約束だろう?』


 奇跡のビッグマウンテンが活性化し、メイド服のボタンが弾け飛ぶ。我ながら素晴らしいギミックを作ったものだと自画自賛しながら、世界最高峰の頂へと思いを馳せる。


「心配するなベステラ、何人でも作ってやる。ただし、お前が耐えられれば……だがな」

『くっ、我とて世界最強の一角、無様な姿は決して見せない!」


 ククッ、みんなそう言うんだよ、最初はな。


『粋がるのは止めておけ、ベステラ。我ですら何もできずに無様を晒したのだ、まな板を持たぬお主に何が出来ようか、いや出来ない』


 リーヴァの言う通り、確かにまな板は俺に対してクリティカルだからな……あるのと無いのでは、天と地ぐらいの違いがあるだろう。正直、ベステラでは厳しいだろうな。


『り、リーヴァ姉ですら敵わないというのか……くっ、こんな役にも立たないビッグマウンテン取ってしまえば……あうっ!?』


 これはいけない。俺はべステラより早くビッグマウンテンを平手打ちする。むろん痛みを感じないように、計算されつくした一撃だ。メイド服から零れ落ちんばかりのべステラのビッグマウンテンが、山頂部への振動により、たわわと揺れる。彼女の動きを止めるには十分だったようだ。


 突然の平手打ちに身動きが取れず、困惑するベステラに追い打ちをかけるかのように言葉をぶつける。


「べステラ、登山家がなぜ山を登るか考えたことがあるか?」

『と、登山家!? い、いや無いが……』

「登山は危険だし命懸けだ。それだけのリスクを背負って、人生かけて成し遂げたところで、得られるものは、せいぜい自己満足か、わずかな名誉だけ。だが、それでも登山を辞めない理由はなんだと思う?」

『さ、さあ……』


「……そこに山があるからだ! お前がしようとしたのは登山家を殺す行為だ、存在意義を奪う行いだと知れ!」

『はうっ!? 我はなんという愚かなことを……主、どうかこの愚かな未踏峰を踏破してくれまいか。頂上から我を踏みにじってほしいのだ』


 どうやらわかってくれたようだな。そっとべステラの黄色い髪を撫でる。


「べステラ、お前の山は、世界最高の山だ、最高峰の霊峰、聖なる山なんだ。もっと誇っていいんだぞ」

『ううう……主、感謝する。今夜はたっぷりと可愛がっておくれ』


 任せておけ、こう見えて、俺は世界7大陸の山を登る予定を立てていた男だ。準備に抜かりはない。


「クロドラはどうする?」

『ふえっ!? わわわ我は、その、た、たくさん……欲しいのだ』

「ふふっ、たくさんじゃわからないな、何人欲しいんだ?」

『……さ、三十……ぐらい?』


 なんでお前はそんなに可愛いんだ? もはや暗黒要素ないな。


 しかし、多いな……ま、まあ別に良いか。多くて困るものでもないしな。


『ご主人様? 私も子が欲しいです!』

「エロース、お前の場合は剣が産まれるのか?」

『そんなわけないじゃないですか! 本当にいやらしいですね!』


 くっ、どのあたりがいやらしかったのかは分からないが、まあ産めるなら構わないだろう。 

 

『カケルくん、私もぜひ苗床にされたいわあ』


 る、ルシア先生……貴女はされるより、する方が……って何でもないです。でも世界樹との間にできる子は光合成できるんですかね。


『カケルさま、なかなか呼んでくださらないから、来ちゃいましたわ。ルシアだけ美味しい思いするなんてダメです。ね、私とも子作り……しましょ?』


 なぜここにエンシェントエルフのシルヴィアさんがいるのか分からないが、答えは当然イエスだ。彼女もお嫁さんだからな。


『でも~、私とっても妊娠しづらいから、頑張ってくださいね、ダンナサマ』 

「わかった、1%でも可能性があれば、引き寄せてやる。子どもが出来るまで寝かせないからな?」

『ふふっ、なんだかその言葉だけで妊娠しそうですわ……頼もしい殿方』


 一番妊娠期間が短いシルヴィアさんですら30年と規格外のお嫁さんたち。

 

 俺はチートだから気にしないけど、みんな、家族計画は慎重にな!


 一気に家族が増えそうなカケルであった。


『主殿、拙者を忘れているでござる!!』


 あわてて飛び出してくるシグレであった。


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i566029
(作/秋の桜子さま)
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