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みんなでセントーに入ろう


 キタカゼを送喚すると同時に、部屋のドアがノックされて、クロエとヒルデガルドが入ってくる。


「御主兄様、よろしければ、お風呂ご一緒いたしませんか?」

『アトランティアのお風呂は特殊だと聞きました。是非、ご一緒に』


 愛する美少女メイドたちのお誘いだ。断ることなど、太陽が西から昇るぐらいあり得ない。


「見聞を広めることは大事だからな。俺も行こう」


「さすが御主兄様です!」

『カケルさまの向学心、是非とも見習わせてください』


 ふふっ、何でも買ってやろう。金ならある。っていうか、溜め込まないでガンガン使わないと溜まる一方だし、経済がまわらないからな。




「公爵さま、セントーへようこそ!」


 メイドのサテラを始めとしたサキュバスちゃんたちが出迎えてくれる。


 セントーか……おそらく深海の影響だろうが、おそらく魔改造されているのだろうな。あの男変態だし。ええ、自分を棚に上げておりますとも。


「アトランティアでは、一部のお風呂をセントーと呼ぶのですよ」

「り、リリムさま!?」


 なぜお風呂にいるのかわからないが、王妃リリムさまが親切に教えてくれる。もしかして、一緒に入ってくれるんですか?


「もうっ……リリム!」 


 不満そうに口を尖らせるリリムさま。やれやれ。とりあえず頭を撫でる。


「……リリム、普通のお風呂とセントーはどこが違うんだ?」

「んふふ〜、入れば分かりますよ?」


 意味深な笑みを浮かべるリリムに期待が高まってしまう。落ち着くんだ。ただの風呂だ。



 だが、期待は呆気なく裏切られてしまう。


「え? 湯衣を着用するのか?」


 誤解しないで欲しい。がっかりしたのではなく、日本人として、違和感を覚えただけだ。


「でも、これはこれでエロいね、先輩?」


 それな。半透明のビキニスタイルの湯衣は、とてつもなくエロい。ギリギリ見えそうで見えない透け具合に職人のこだわりを感じる。店主、職人を呼んでくれないか? 礼を言いたいんだが。


「あ、あの……あんまり見ないで欲しいにゃん」

「駆さん……いきなり混浴はハードル高いんだけど?」


 恥じらうミレイヌとヨツバが素晴らしい。やはり恥じらいは最高のスパイスだな。



***



 大浴場に案内されると、すでに100名以上のサキュバスたちが待ち構えている。


「公爵さま、婚約者さま方、こちらにお座りになって、楽にしてくださいね」


 各自用意された、なぜか穴が空いている椅子に座ると、5人のサキュバスたちが、丁寧に全身をマッサージしてくれる。これはヤバい。


「ふふっ、気持ちいいですか、公爵さま?」


 俺の担当に付いてくれたサテラが耳元でささやく。はい、気持ちいいです。


「それは良かったです。ご覧ください、婚約者の皆さまも気持ち良さそうですよ?」


 知ってます。さっきからガン見してます。何これセントー最高じゃないか!


「ちょっ、旦那様……見ないで、ああっ、恥ずかしい……」

「み、見ちゃだめです……御主兄様のエッチ……」


 んふふ~、何を恥ずかしがっているんだね? ただの風呂じゃないか。といいつつ、すかさずミヅハを呼ぶ俺。いやまて、よく考えたら今更な気も……


(大丈夫です、お兄様。今回は逆バージョンで行きましょう!)


 な!? 逆バージョンってまさか……止めてくれ、何の羞恥プレイだ!?


「……す、凄いことになってますね。公爵さま……」


 くっ、手遅れだったか。あの……サテラさん、あんまりガン見しないでくれると助かるんだけど?


「後で楽にして差し上げますから、もう少し辛抱なさって下さいね」


 そんなこと言われると余計に辛くなるんですが?



 マッサージが終わると、今度は身体を洗ってゆく。いわゆる洗体というやつだな。


 本来なら、俺の神級の洗体技をみんなに披露したいところだが、せっかくお持て成ししてくれているのだから今日は自重しよう。


「じゃあローショを付けていきますね」


 全身に透明なヌルヌルの液体が塗られてゆく。これって……完全にローションだよな?


「このローショは、天草という、この島に自生している植物から抽出したものなんですよ」


 ほほう……またサクラ植物園で栽培すべき植物が増えてしまったな。


 しかもこのローショ、塗り込んでゆくと泡立ち始めて、殺菌消臭洗浄効果があるんだってさ。風呂に入れない者たちは、このローショで身体を洗っているらしい。素晴らしいじゃないか。



「しかもですねえ……これ、食べられるんですよ」


 なんだって!? もはや天草じゃなくて、神草じゃないのか?


「どんな味がするんだ、サテラ?」


 もしかしたら、新しい料理につかえるかもしれない。まあ食えるだけで、不味いかもだけど。


「うふふ……試してみますか?」


 たっぷりローショをすくうと、自分にかけるサテラ。


「……さあ、どうぞ、召し上がれ」


 おおおおっ! サテラさん、良いんですか? そんなとこにローショかけちゃってますけど? 仕方が無いですね。いざ、実食!


「あはあ……こ、公爵……さま、お、お味は……いかがですか?」


 貴重なローショだから、一滴も無駄には出来ない。残さず全て舐め終わると、サテラは息を荒くして立っているのもやっとの様子だ。


「うん、美味いなこれ。優しい甘さがくせになる」


 甘さの感じは、花の蜜と水飴の中間ぐらい。鑑定によると、胃もたれや、便秘にも効果があって、全身デトックス効果があるらしい。ヤバいぜ天草。


 

 

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i566029
(作/秋の桜子さま)
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