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異世界行ったら、出会う女性みんな俺を好きになるので収拾つかなくなっている ~スケッチブックに想いをのせて 死神に恋した男の無双&ほのぼのハーレム~  作者: ひだまりのねこ
第十五章 コーナン王国へ

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ありのままの君が好き


 一旦みんなをプリメーラに送り届け、夕食の仕込みと下準備をしてから婚約者たちを迎えに行く。


 やはり最後はアリエスのいるイリゼスだろう。眷族化する約束だからな。んふふ。


 早く全員眷族化したいところだが、こればかりは焦っても仕方ない。なるようにしかならない。



***



 イリゼスに到着した頃には、すでに日が沈み、聖なる光に包まれた神殿が神々しく夜闇の中に佇んでいる。


 聖なる光には、見るだけで状態異常を癒やし、傷や怪我を治す効果がある為、総本山に入れなくなった日没後も、世界中から集まってきた信者たちは一晩中祈りを捧げ回復の奇跡を願うのだ。



 神殿本庁内はすでに参拝客はおらず、神官と関係者しかいない。


「こんばんは、英雄さま、聖女さまのお迎えですか?」


 声をかけて来たのは、以前案内してくれたクール系神官さんのミランダさん。


「こんばんは、ミランダさん。アリエスは?」

「聖女さまは湯浴み中です」


 危ない危ない、いきなり転移しなくて正解だったな。また怒られる……いや、今夜に限ってはその方が正解だったか? くっ、さすが異世界、難易度が高い。


「クスクス……英雄さま、何をお考えか顔に出ておりますよ?」


 しまった!? そういえばミランダさんにはユニークスキル読心があるんだった!? うっかり変なことを考えたら筒抜けなんだよね。


 それにしても、なぜ有用なスキルは全て記憶出来ないユニークスキルなんだ? 異世界難易度高過ぎ高杉くんじゃないの?


「ご心配なく……誰にも言ったりしませんから」


 頬を染めるクール系神官さんのギャップがヤバい。


「ふふっ、今考えたこと……私としてみますか?」


 くっ、大変魅力的なお誘いだが、アリエスが待っている。鋼のメンタルが試される時は今。


「残念だけどアリエスが待っているからな、案内してもらっても良いかな?」

「それは残念です……ではご案内いたしますね」

 

 ミランダさん……そんな顔しないでください。残念なのは本当なんですから。


 そんな俺の心を読んだのか、クスクス笑うミランダさん。彼女に案内されてアリエスの寝所に到着する。


 別れ際、ミランダさんがそっと耳打ち。


『英雄さま、神官は生涯独身が基本ですが、例外もあります。ご存知でしょうか?』

『い、いや……知らないな』

『ふふっ、聖女さまが結婚した相手となら許されるのです。この意味……お分かりですか?』


 ミランダさんが腕に柔らかいものを押しつけてくる。


 神官服というより完全に巫女装束なその生地は、ぎりぎり感触と体温が伝わってくるかどうかの際どいラインを攻めている素晴らしい逸品だ。ぜひワラノハラ家でも採用しようと思う。


『聖女さまとの婚姻が公になれば、世界中の女性神官たちから狙われることになりますので、どうかご注意くださいね……』


 なんだって!? ということはあのキツネっ娘神官ちゃんや、九尾のキツネ神官長や可愛い系神官ちゃんも……かはっ、これはヤバい、危険すぎる。もはや世界に安全な場所など無い。そうか……これが神の試練というやつか。


「クスクス……という訳で、今度たっぷり情報料をいただきますからね?」


 一瞬だけ妖艶な微笑みを見せたかと思うと、すぐにいつものクールな無表情に戻って、ミランダさんは去っていった。



***



「お待ちしておりました。英雄殿。今宵、私のすべてを貴方のものにしてください」


 身を清め、聖女の正装である巫女服に身を包んだアリエスが熱を帯びた上目遣いで俺を待っていた。


 畳の部屋には布団が敷かれていて、完全に高級旅館です。ありがとうございます。


 

 世界中の女神教のトップで、崇拝される聖女さまが俺の前にいる。こうしている間も、神殿の周囲では、無数の信者たちが熱心に祈りを捧げていることを考えると背徳感が半端ではない。だからといって止める理由にはならないが。


 しかし、残念ながら時間が無い。正味3分というところだろうか。


 だから、ここは禁断の時空魔法100倍を使う。イヴリースからは、使うなと言われていたが、今使わなくていつ使うというのかね?


 体感時間を100倍にする時空魔法は、術者に大きな負担と代償が求められる。実質100倍のスピードで動くことになるのだから当然だが。


 

 酷使された身体は悲鳴を上げ、翌日は筋肉痛待ったなし。だが、俺には神水がある。ふふふ。


「アリエス……俺の眷族になってくれるか?」

「はい……喜んで」



*** 



「英雄殿……妖精族は伴侶にだけ発動する特殊能力があるのですよ」

 

 無事、眷族化した後、幸せそうに抱きついてくるアリエス。


「特殊能力?」

「はい、英雄殿の見たい姿に私が変化する力です。例えば、ミランダになることもできますよ?」


 意地悪そうな顔で微笑むアリエス。げっ!? なぜそれを?


「なるほど、サキュバスの夢の回廊に近い能力なんだな……でも――――」


 アリエスをぎゅっと抱きしめる。


「せっかくの能力だが、俺が見たいのはアリエス、ありのままのお前だ。変身する必要なんてない」


 そうだ。彼女に別の誰かを重ねるなんてアリエスに対する最大の侮辱だろう。俺はそのままのアリエスを愛しているんだから。


「英雄殿……嬉しいです……ですが、この格好はなんでしょうか?」


 メイド服姿のアリエスが不思議そうに首を傾げる。くっ、可愛い。


「いや……その、せっかくの能力だし、有意義にだな。まあその……俺の趣味だ」

「くすくす……そうなのですね? でしたら存分にお楽しみください」

「へ? 怒らないのか?」

「まさか……私に好きな格好をさせて興奮している英雄殿の姿がとても愛おしいとは思いますが」


「アリエス……お前はマジで聖女だな」

「はい……よく言われます。ふふっ」


 これは延長待ったなし。すまんなイヴリース。禁断の300倍を使わせてもらおう。


 後遺症? 大丈夫、俺には神水がある。



 その後、イリゼ様が乱入してきたのは言うまでも無い。 


 

 

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i566029
(作/秋の桜子さま)
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