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異世界行ったら、出会う女性みんな俺を好きになるので収拾つかなくなっている ~スケッチブックに想いをのせて 死神に恋した男の無双&ほのぼのハーレム~  作者: ひだまりのねこ
第十二章 王都からの使者と聖女

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カケルの進化と市民プール


『……簡単にいえば、カケルくんが進化したのよ』  


「俺、進化したんですか?」


『そうよ、カケルくんたらハイヒューマンを飛び越して、亜神になっちゃったんだから』


「……は? 亜神?」


 確かミコトさんの話だと亜神になるまで早くても100年かかるっていってたような……


『そうね、普通なら100年はかかるわよ? さすがカケルくんね』


(本当は、私と×××したからだけど、恥ずかしくて言えない……)


 い、イリゼ様……さすがに死にます。その表情が可愛すぎて死にますから手加減してください。



「ち、ちなみに亜神になると何が出来るようになるんですか?」


『そうね……基本的には普通の人間と同じだけど、眷族を作ったり、保護を与えたりできるようになるわよ』 


「なるほど……たしかに見た目はなにも変わってないですね」


 

 イリゼ様によると、眷族になれば、俺の力の一部が眷族効果で加算され、念話による意思の疎通や、視界共有など出来るようになるらしい。要するに俺の召喚獣は眷族と基本的に同じシステムなんだな。


 あれ……もしかしてツバサたちが進化したのって……


『そうよ、召喚獣から眷族にランクアップしたせいね』


 マジか……じゃあ他の召喚獣たちも進化してるってことだよな? 後で確認しておかないと。


『あと、保護に関しては、加護の効果を弱めたものね。少し運が上がったり、様々な耐性が上がったりするわ』


「じゃあ、良いことづくめですね」


『そうでもないわ。カケルくんも知ってると思うけど、シルフィとサラの精霊の加護みたいに、基本的に加護は束縛とセットなの。この間も私の加護のせいで迷惑かけちゃったでしょ?』


 そう言って顔を赤らめるイリゼ様。はい、100回は死にましたよ。


「ということは、保護にもなんらかの束縛がかかるんですか?」


『まあ、他の男と楽しそうに話すと変顔になったり、キスすると唇がたらこみたいに腫れるとか可愛いもんだけどね?』


 いやいやいや、全然可愛くないし、地味に結構問題ありますよ!?


『ちなみに、保護の付与は、カケルくんが強く守りたいと思ったら付与されちゃうから、加減に慣れるまでは気を付けてね? もちろん、解除はできないから』


 えええ……結構責任重大なんですけど!?



『ふふっ、じゃあ話は終わり……ねえ早く……しよっ?』


 ぶふぉぉ!? また死んだ、死んでるからやめて!? 不意打ち禁止ですよ? しますけどね。



***



 神界いや天国から戻ってきた俺だが、もうひとつ今日中に決めなければならない大仕事がある。


 そう、ワタノハラ家のメイドの制服だ。


 今はとりあえず市販のものを使っているが、我が誇りある家のメイドがそんな状態では可哀想だ。


 別に俺の趣味がどうという話ではない。伝統と矜持の問題だ。職人のこだわりといっても良い。


 えっ? 伝統もないし、職人でもないだろうって?


 ふふふ、伝統はここから始まるのだ。そして俺以上にメイド服を知り尽くした男はいない。


 冒険者辞めたら、メイド服職人になってもいいほど愛しているからな。



 だが、独りよがりは良くない。


 デザインはともかく、機能性に関しては、現役のメイドさんたちの意見を聞くべきだろう。


 夜、屋敷に戻ってから、その道のスペシャリストを召喚する。



「というわけで、お前たちの意見を聞きたいんだ、アイシャ、ヒルデガルド」


 メイドのことなら、メイド界の頂点を極めた2人に聞いた方が早いだろう。


「…………御主兄様、なぜ私をのけものに?」


 突然、ピタッと背中にすがりつくクロエ。


「うぉっ!? クロエ、ち、違うんだ。今回はメイドのスペシャリストに話を聞こうと思ってな」

  

「くっ、確かに私は朝も起きれませんし、料理も得意ではありませんし、メイドらしいことは何もしておりませんが、あれ……もしかして私、メイドじゃないのでは?」 


 急に不安になったのか、涙目でガクガク震えるクロエ。


「そ、そんなことないぞ!? お前は立派なメイドだ。少なくとも俺にとっては世界一のメイドだ」


 震えるもふもふ銀髪プリンセスを抱きしめる。あ……しまった保護ついちゃった。


「「……カケルさま、ということは私たちは?」」


 ショックで震えるアイシャとヒルデガルド。


 しまった!? 世界一は言い過ぎだった。


「安心しろ。お前たちは俺にとって最高のメイドだ」


 不安に揺れるアイシャとヒルデガルドを抱きしめる。あ……やべ保護ついた。



 途中から何をしているか分からなくなったが、とりあえず3人から貴重な意見を聞くことが出来た。



「よし、あとは全員の採寸をすれば準備万端だが、問題は300人という人数だな。仕方がない、一度全員と風呂に――――」


「「「…………」」」


 止めて!? その微笑ましいものを見るようなジト目は止めて!? 器用な事しないで!?


「お前たち、勘違いしているようだが、ミリ単位のズレが戦闘では生死を分けることもある」


「……メイドは戦闘員ではありませんが……」


 くっ、おっしゃる通り!!


「カケルさまならば、サイズを自動調整する機能を付けられるのでは?」


 くっ、正に正論!!


「できなくは無いが、その分防御力が低下――――」


「……メイドは戦闘員ではありませんが……」


 くっ、ぐうの音も出ない。


 論破され崩れ落ちる俺の前に、優しき3人の天使が微笑む。


「御主兄様……ひとりで抱え込むのはいけませんよ?」 

「カケルさまの本当のご要望は何ですか?」

『カケルさま、私たちは一心同体。誤魔化しなど不要なのですよ?』


 俺が間違っていたようだ。ふふっ、涙が止まらない。お前たちは本物のメイドだよ。


「俺……みんなと風呂に入りたいです……採寸はついでです」


 なぜか素直に言えたんだ。飾らない裸の心の声を。伝わると良いな、この身を焦がすような想い。

 


「ふふっ、まったく御主兄様は困った御主兄様です」

「そんなことだろうと思って、すでに全員大浴場にて待機しております」

『風呂上がりの冷えたコーヒーミルクも用意してありますので』


「お前たち……ほんと俺には勿体無いメイドだな……」


 涙が止まりそうに無いが、心配はしていない。だって――――


『お待たせしましたお兄様……その涙、私が頂きますね。私にとってどんな宝石よりも価値がありますから』 


「いつも悪いな。ミヅハ」 


『いいえ。お兄様のお役に立てることが、ミヅハの喜びなのです』


 混浴と言えばミヅハだ。俺には有能過ぎるメイドと有能過ぎる妹がいる。



「じゃあみんなで風呂入るか!!」


「「「「「はいっ!!」」」」」



 婚約者たちも加わって、さすがの大浴場も市民プール状態だったよ。


 どういう意味かって? 最高だったってことさ。

 

 


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i566029
(作/秋の桜子さま)
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