表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

204/508

魔法少女とメイドと触手

 普通なら婚約者披露パーティーなんだろうけど、参加者全員婚約者でメイドに披露するパーティーになってやがる……


 自らの業の深さに戦慄しながら、あらためて婚約者たちを眺めるカケル。



 アルゴノート王女クロエ、ガーランド王女シルフィ、サラ、トラシルヴァニア王女エヴァンジェリン、アストレア王女ユスティティア、セレスティーナ、クリスタリア公女クラウディアの現役王女組。王女多くね!?


 カタリナさん、セシリアさん、次期聖女ソフィアの冒険者組。


 バドル冒険者ギルドのギルドマスターでアトランティア王女のリリス、リノ、商業ギルドのミレイヌのギルド組。


 ソニア、カイ、エルゼ、ヒルデガルドの魔人帝国組。


 アリス、ひめか、アリサ、美琴、刹那の転移転生組。


 聖女アリエス、辺境伯令嬢リーゼロッテ、公爵令嬢で近衛騎士団長のミヤビさん、伯爵令嬢のサクラのお嬢様組。


 そして水の大精霊にして有能な妹ミヅハと有能メイド長のアイシャ。


 総勢28名。しかもツバサたちハーピィを入れたらとんでもない数になってしまう。ほんと何してんの俺? 思わず遠い目になってしまう。



 まあでも、今のところ雰囲気は良いし、仲良く出来ているみたいだからひと安心。


 素晴らしいパーティーを準備してくれたアイシャ、ヒルデガルドを始めとしたメイドさんたちに感謝しないと。


 それにしても、メイドさんたち有能過ぎない!? まだうちの屋敷に来たばかりなのに……



 そして、そんな有能なメイドさんたちの中に、一人だけ普通に飲み食いしている子がいる。いや別に飲み食いするのは全然構わないんだが――――


 魔法少女なんですけど!? もう一度言う、魔法少女がいるんですけど!?


 なんでメイドさんの中に魔法少女がいるのか分からないが、異世界素晴らしいと言っておく。


「んふふ〜、お兄ちゃんも気付いちゃった? 仕方ないなあ……カタリナさん、セシリアさん、ソフィアさん、クラリスさん! あれ、やるよ!!」


 アリサに呼ばれた4人が集まってくる。いったい何が始まるんだ?



「うふふ、私がリーダーのマジカルクラリス! 永遠の17歳!!」


 ……43歳なんですが、それは……? 


「わ、私がマジカルピンク、セシリア……」


 は? セシリアさん? 何してんの?


「マジカルイエロー……ソフィア」


 ……ソフィアも何してんの!?


「ま、マジカルヴァイオレット、カタリナ……」


 カタリナさん……顔真っ赤ですけど!?


「ふふふっ、そして私こそが、新メンバー、マジカルショコラ、アリサ!!!」


 うんうん、可愛い可愛いぞアリサ! 俺の妹は世界一可愛い!


 

「「「「私たちマジカル戦隊がお仕置きしちゃうぞ?」」」」


 クラリスさんを中心にポーズを決める4人。すげえ、いつの間に着替えたの!?


「「「「「…………」」」」」


 パーティー会場が静寂につつまれる。



 そして次の瞬間、大歓声が!? え? マジカル戦隊知らなかったの、もしかして俺だけ?



「アリサ、私も入りたいんだけど……」


 美琴さん!? お前は勇者じゃないか!


「わ、私も入りたい。夢だったから……」


 刹那さん!? 貴女は博士枠……何でもないですごめんなさい。


『えへへ、私も興味あるな〜』

『え? ひめかちゃん!? だったら私も!』


 異世界組全員かよ……魔法少女恐るべし。


「あ、あの……私も興味がございます」


 アリエス……うんうん、好きにしなさい。全力で応援するからな!



 結局、全員入隊しちゃったんですけど!?

強力過ぎて怖いんですけど!?


「「「「「宜しくお願いします! 総司令」」」」」


「うむ、諸君たちの活躍を期待している!!!」 


 はっ!? いかん、ノリで総司令になってしまった!?


「駆、早速地下に秘密基地作ろう!」 


 刹那……それはどちらかと言えば悪側のイメージだが? でも……面白そうだな。


 ふふふ、俺と刹那の力を駆使すれば、全て実現可能。最高のマジカル戦隊が誕生するな! 胸熱。


「よし、やるか刹那!」


「刹那じゃない……マジカルスノーと呼んで……」


「……了解、マジカルスノー」

「うん、総司令」


 何コレ……意外と楽しい! よし、俺も格好良い衣装を作らないとな!


「魔法のステッキのプロトタイプはもう出来てるから」


 刹那……じゃなかった、マジカルスノー仕事早過ぎ!?



「よしアイシャ、マジカル戦隊の結成を祝う乾杯の準備を」


「アイシャではありません! マジカルメイドです!」


 えええぇっ!? いえ、文句などございませんよ?



***



「彼女たちが新しい御主兄様付きメイドです。ご挨拶して」


 クロエに連れられてきたのは、俺専用メイド、つまり、クロエやヒルデガルドの直属の部下にあたる。


(たこ)獣人のオクタです。御主人様」


烏賊(いか)獣人のクララです。御主人様」


 うねうねと触手をくねらせる2人のメイド。


 うんうん、とても可愛らしいのだが……獣人じゃないよね!? だってモフモフしてないし!?


「……何か御不満でも? 御主兄様?」


 ございません。まったくございませんよ? クロエさん。


「蛸と烏賊の獣人はとても珍しく優秀なのです。どの王宮も喉から手が出るほど欲しがっております」


 へえ……それは知らなかった。


「書類を書いたり、調理や掃除洗濯のスピードが、通常メイドの8倍から10倍、さらに夜は……いえ、なんでもありません」


 いや、クロエさん……そこで赤面して止めたら変な誤解を生むよ!? ほら、オクタが茹でだこみたいに真っ赤……いや、もともと赤かったね。



 何はともあれ、俺の屋敷は新しい住人も増えて、ますます賑やかになっていきそうだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
i566029
(作/秋の桜子さま)
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ