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異世界行ったら、出会う女性みんな俺を好きになるので収拾つかなくなっている ~スケッチブックに想いをのせて 死神に恋した男の無双&ほのぼのハーレム~  作者: ひだまりのねこ
第十一章 勇者な美琴と天才の刹那 

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娘さんを俺に下さい

 会議室に入ると、各国首脳の注目は必然的に俺に集まった。


 確かに誰だよってなるよな。死神のローブも怪しさ全開だし。


 入室前に武器を渡すようには言われなかった。


 俺のデスサイズも美琴のエクスカリバーも召喚武器だから基本手ぶらだからね。



 しかし、久しぶりの再会を喜びたいだろうに、さすがは王族。誰もそのことには触れない。まずは職務優先ということだろう。


 俺、美琴、セレスティーナたちが、これまでの経緯と現在の状況を、各国首脳に説明してゆく。


 特に邪神の因子に関しては、俺の記憶情報を見せて納得してもらう必要があった。


 もちろん頭部の接触はさすがに失礼なので、今回は指輪を使ったよ。


 幸い各国の首脳は聡明な人たちばかりで、思いの外、話し合いはスムーズに終わった。


 セレスティーナたちや勇者美琴が一緒だったことも大きかったと思う。



 となれば、次は当然――――



「娘さんを俺に下さい!」


 頭を下げて結婚の許しを求める。


 この世界の作法は知らないけれど、ストレートに伝えるのが誠意だと思ったから。


 目の前には、アストレア、アルゴノート、クリスタリアの国王たちが居並ぶ。


 若干王たちの顔色が悪いのは、俺の背後から凄まじいプレッシャーをかける娘たちのせいかもしれないが、多分気のせいだろう。


「カケル殿、親の私が言うのも何だが、娘たちは相当変わり者だぞ? 本気で娶るつもりか?」


 アストレア国王アレクサンドロスが何気に酷いことをおっしゃる。


「もちろんです。2人とも必ず幸せにして見せます」


「うむ……ならば許そう。カケル殿、2人を助けてくれて感謝しているよ。どうか娘たちを幸せにしてやってくれ」 


 最後にほんの少しだけ、表情が緩んだ気がした。


 チラチラ俺の背後を気にしていたのは見なかったことにする。



「カケル殿、子は何人作るつもりだ?」


 いきなりそんな質問をしてきたのは、クロエの父アルゴノート国王クランだ。


「……少なくとも5人、出来れば二桁を目指します」


「それは頼もしい! うむ、許す」


 なんかあっさり許してくれた!? 


 彼も俺の背後をやたら気にしていたけど、気にしないったら気にしない。


 

 最後はクリスタリア国王クライフォート陛下。


「ちなみにカケル殿。現在の資産は?」


 うっ、いきなり直球が来た!?


 だが金ならある。いやらしい話だが、腐るほどありまっせ?


 クラウディアが国王に何か耳打ちしている。



「よし、許す! ついでに妹のシルヴィアも付けよう!」


「は? 何言ってるの? シルヴィアはまだ5歳じゃないの!」


 怒るクラウディア。さすがの俺も5歳はギリギリアウトだ。


 もちろん異世界ジョークだよ?



 良かった。何とか無事許可を貰えてひと安心。



「ではカケル殿には、アストレアの伯爵位を与えよう。王族を娶るには必要だからな」


「ハハハッ、さすがは大国アストレアはセコい。国を救った英雄に対して伯爵位? カケル殿、我がアルゴノートは侯爵位を用意しようではないか」


「ククク、失礼ながら、カケル殿の価値が分かっておられないようだ。私たちクリスタリアは公爵位と領地を用意しよう」


「なっ!? 抜け駆けは許さん、アストレアは公爵位に領地、名誉騎士団長を付けるぞ!」


「くっ、ならばアルゴノートは公爵位に領地、モフモフ大臣を付けよう!」


 も、モフモフ大臣!? 何それ俺の天職?


「ぐぬぬ、カケル殿、温泉施設のフリーパスと混浴大臣のポストを追加しよう」


 混浴大臣って何? 謹んでお受けいたします。


「色事とは卑怯な……ならばアストレアは――――」


「「「「いい加減にしなさい!!!」」」」


「「「はい、すいません……」」」


 娘たちに怒られる国王たち。


 思ってない、思ってないからね! なぜ止めたとか全く全然思ってない。大丈夫。


 

 その後、会議は一旦お開きとなり、ようやくセレスティーナたちは家族と水入らず――――



「待て! カケル殿! 美琴殿を賭けていざ尋常に勝負しろ!」


 目の前に立ち塞がるお兄様方。


 あ~、忘れてたよ!? どうすれば?



「兄上……」

「セレスティノ兄様……」


 セレスティーナとユスティティアがハイライトが消えた目で魔剣に手をかける。


「クロード兄様……せっかくお会い出来たのに永遠の別れが来てしまいましたね……」


 クロエがまったく温度を感じさせない声色で兄との別れを惜しむ。


「お兄様、手を引くならこれ位支払う用意がありますけれど……断れば……分かってますね?」


 怖い、妹たちが怖いよ!? 


「ま、まあまあ。ここは平和的に美琴に決めて貰おうよ?」 


「せ、先輩!? それはそれでかえって残酷な気が……」


 確かに目の前で惚れた女性にイチャイチャされたら、俺なら心が折れるな。



「仕方がないですね。3人まとめてかかって来て下さい!」


 結局3人の気の済むまで勝負した。


「くっ、さすがは異世界の英雄殿。参りました」


「まさかここまで歯が立たないとは……私の負けですね」


「俺の負けだ。得意の計算や鑑定でも勝てないんじゃ言い訳出来ない。悪かったな」


 

 ちゃんと負けを認める器の大きさに感動した。さすが次期国王たちだ。


 皆さん外見だけでなく、中身もイケメンだったよ。



でも――――



「サクラ、綺麗になったな! どうだ? 私と結婚――――」

「美しいお嬢さん、私と結婚――――」

「いや、俺こそが彼女を幸せに――――」

 



「「「ぎゃあああ!!?」」」


 あ~あ、せっかく助かった命を無駄にしてしまったお兄様たちに合掌!

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i566029
(作/秋の桜子さま)
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