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新しい仲間

「え? それじゃあ美琴が勇者だったんだな」


 鑑定持ち同士だとスキル使えないんだよな。


「うん、だけどカケル先輩の方がよっぽど勇者してるよ。私なんてイリゼス守るので精一杯だったんだから」


「馬鹿だな。美琴がイリゼスを守ったから今があるんだぞ。誰がなんと言おうとも、真の勇者は美琴だよ。この世界を守ってくれてありがとう」 


「ふふっ、カケル先輩、それ言われるの2回目だよ? でもありがとう、大好き!」


「2回目? よくわからないけど、俺も大好きだ美琴」


「カケル先輩……」


 再び抱き合う2人。


 ああ、駄目になるよこれ。ミコトさんが言ってる意味が分かった。


 なんであんなに簡単にハーレム状態になるのか不思議だったけど、これは仕方ない。


 カケル先輩と比べると他の男がじゃがいもにしか見えない。いや、じゃがいもは好きだよ? ああ、ポテチ食べたくなってきた。先輩に作ってもらって憧れの口移し……んふふ♡


 とにかくこのままではハーレムが際限なく……それは嫌だ。


 でも私に出来ることは、カケル先輩と女性をなるべく会わせないことぐらい……って無理だわ〜世界の半分は女性だし?


 んふふ〜でも私には最強の味方がいるんだから!! カケル先輩の正妻ミコトさんという最終兵器がね!!! つまり私が正妻も同然。


 勝ったわ! 誰にと言われても何となくとしか言えないけれども。



「美琴……じゃあ、名残惜しいけどそろそろ行かないと……」


「ふえっ!? ど、どどど何処か行っちゃうの? 逢ったばかりじゃない!?」


 捨てられた仔犬のように絶望した目で俺を見上げる美琴。


 くっ、可愛い……愛おしい。このまま愛でていたい。


「明日バドルでスタンピードが起こるから、これから向かわないといけないんだよ」


 苦しいが時間は止められない。


「あ、それなら私も行きます!!」


 ついてくるという美琴だけど……


「でも、急に美琴がいなくなったら街の人たちがびっくりするだろ?」


「う……でも、もう魔人は居ないし、私がいなくても……」


 美琴の頭を抱いてサラサラの髪をクシャっとする。


「か、カケル先輩?」


「わかった、俺の召喚獣を置いてゆくから、準備が出来たら呼んでくれ。ちゃんと別れの挨拶はしておいた方が良いぞ」


「じゃあ一緒に行っても良いってこと? やったああああ!! 了解です! 速攻で三行半叩きつけてくる!!」


「いや、美琴、それ色々間違ってるから!?」


 

 ありがとな美琴。本当は俺が離れたくなかったんだ。



「美琴……お前のことは俺のすべてをかけて守るよ」


 今度こそは……とカケルは誓う。


「ふえっ!? な、なななな急に何なの? 不意打ち禁止!! そんな……今更口説かなくたって、私はとっくに……あああ恥ずかしいイイイ。あ、あの〜もし良かったら今夜……って貴女だれ!? カケル先輩は?」


『…………』


 いつの間にか目の前にはターコイズブルーの髪と瞳が美しい女性が生暖かい眼差しで立っていた。し、死にたい……


『はじめまして、スズカゼと申します、美琴さま。王様でしたらとっくにお帰りになりましたが?』


「えええぇっ!? いつの間に……ま、まあ良いわ。貴女がスズカゼね。本当に綺麗! カケル先輩が気に入ってるのもわかるわ〜」 


『ふえっ!? お、王様が私を? そ、そんな……どうしましょう』


 頬を桜色に染めて恥じらうスズカゼ。


 なるほど! これは勉強になるわ〜。私に足りない恥じらい属性を今度取り入れてみようかな。カケル先輩にもっと喜んでもらいたいし。


 

 さあ、とりあえず出発の準備をしないとね。


 直接話したら引き留められそうで面倒だから……うん、置き手紙で良いか!


 

 カケル先輩〜待っててね。


 やっと逢えたんだから一生イチャイチャしちゃうよ!



 その晩、イリゼスは勇者がいなくなったことで大騒ぎになった。


 美琴は失念していたのだ。美琴はスキルのおかげでこの世界の言葉も文字も話せるし、読めるが、美琴の書いた文字は誰も読めないことを。



***



「という訳で、彼女が勇者の美琴だ。みんなよろしく頼むな」 


 あの後、美琴を迎えに行って、黒の死神メンバーに紹介しているところだ。


 それにしても、美琴めちゃくちゃ準備早かったけど大丈夫なんだろうか? 一抹の不安が残る。



「みんなよろしく! 勇者の美琴だよ〜」


 うん、完全にアイドルのノリだね。


「よろしくお願いします、クロエと申します――――」


「きゃああああ! 貴女がクロエ? うわあ可愛い、銀髪サラサラでモフモフプリンセス〜、あ、御主兄様って言って欲しいんだけど――――」


「あ、あの……」


 クロエが困惑して俺に視線で助けを求める。


「ほ、ほら美琴、次のメンバーだ」


「は、はじめまして、シルフィです」

「はじめまして、サラだよ!」


「いやああああああ! 本当にそっくり! お人形さんみたいに可愛い〜、ギュッってして良い? はあ〜、くんかくんかスリスリ……」


「あ、貴方様……これはどうすれば?」

「ふふっ、やっぱり異世界人は面白いね」


「わ、妾がエヴァンジェリンじゃ」


「うはっ、ロリ吸血鬼でのじゃ姫のエヴァね! 可愛い〜どうしよう、撫で撫で撫で」


「や、止めるのじゃ!」


「く、クラウディアです。よろしくお願いします」


「はううっ、こ、これが知的美少女クラウディアの力なのね……私の全てが覗かれてしまうのだわ」


「あ、あの、鑑定を持っている同士では鑑定出来ないんですが……」


「そんなの分かってるわ。真面目なところも好き〜!」


 唖然とするクラウディアを抱きしめる美琴。


「あ、ああああ、アリサです――――きゃあ!?」


「アリサちゃん、アリサちゃん、今日から私がお姉ちゃんだよ! やった! 可愛い妹〜」


 震えるアリサを高い高いする美琴。



「ねえ、先輩! セレスティーナたちは居ないの? 早く逢いたいな」


「あ、ああ、また後でな」


 なぜか美琴がやたらうちの事情に詳しいのだが、とにかく仲良くやれそうで良かった。



 困惑しながらも、美琴を加えた俺たち黒の死神は予定通りバドルへと向かうのであった。



********************************************************************

【登場ヒロイン名鑑】


【名 前】 クロエ=アルゴノート(女)

【種 族】 獣人族(銀狼族)

【年 齢】 16

【その他】 白銀の悪魔の二つ名をもつ 


 獣人国家、アルゴノート王国第3王女。銀髪、碧い瞳。留学で、アルカリーゼにいた為、災厄の難を逃れる。祖国を救うため、冒険者となり、予言されていた黒目黒髪の異世界人を探していたが、カケルと出会い、専属妹メイドになる。最短C級到達の記録をもっていた。現在はB級。感情を嗅ぎわける匂い鑑定のユニークスキルをもっている。獣化すると銀色の狼となる。セレスティーナ、クラウディアとは同志であり、友人。匂いフェチ。カケルのパーティ『黒の死神』のメンバー。カケルの事を御主兄様と呼ぶ。Aカップ


【名 前】 クラウディア=クリスタリア(女)

【種 族】 人族

【年 齢】 16

【その他】 冒険者ギルド人気NO1受付嬢


 商業国家クリスタリア大公国、第一公女。青い髪に紺色の瞳。クロエ同様、留学中で難を逃れた。ギルドで受付嬢をしながら、祖国復興のために情報収集をしている。セレスティーナとクロエは、同じ境遇を共にする同志。普段はダサい眼鏡をかけてその美貌を隠している。鑑定の能力に長けており、ギルドマスターの信頼も厚い。他のメンバーに後れを取っていることを苦悩している。カケルのパーティ『黒の死神』のメンバー。カケルの事をカケル様と呼ぶ。Bカップ


【名 前】 シルフィ=ガーランド(女)

【種 族】 エルフ族

【年 齢】 37

【その他】 暴風の魔女の二つ名をもつ 


 エルフ国家、神聖ガーランド王国第一王女。翡翠色の髪と翡翠色の瞳。双子で妹のサラがいる。生まれつき精霊に愛されしものという加護を持つため、カケル以外の異性は触れることができない。カケルに助けられ妹のサラとともに婚約者となるが、基本的に異性に免疫が無い。風の精霊シルフィードに守られ、風の精霊魔法を使う。カケルのパーティ『黒の死神』のメンバー。カケルの事を貴方様と呼ぶ。Bカップ


【名 前】 サラ=ガーランド(女)

【種 族】 エルフ族

【年 齢】 37

【その他】 紅蓮の魔女の二つ名をもつ 


 エルフ国家、神聖ガーランド王国第二王女。ガーネットレッドにオレンジのメッシュの髪にガーネットレッドの瞳。双子で姉のシルフィがいる。生まれつき精霊に愛されしものという加護を持つため、カケル以外の異性は触れることができない。カケルに助けられ姉のシルフィとともに婚約者となる。姉に比べて積極的にスキンシップをとる傾向がある。火の精霊サラマンダーに守られ、火の精霊魔法を使う。自分のことはボクと呼ぶ。カケルのパーティ『黒の死神』のメンバー。カケルの事を貴方様と呼ぶ。Bカップ


【名 前】 エヴァンジェリン=トラシルヴァニア(女)

【種 族】 吸血鬼族

【年 齢】 15

【その他】 吸血姫の二つ名をもつ 


 吸血鬼国家、トラシルヴァニア公国第一王女。白髪、赤眼。高い再生能力を維持するため、大食いしないと魔力が枯渇する。そのため吸血パートナーを探しており、自分を助けてくれたカケルをパートナーに選んだ。自分のことを妾と呼ぶ。器が大きく基本的に血を吸わせてもらえれば文句はない。血を自在に操り、変化のスキルで空を飛べる。カケルのパーティ『黒の死神』のメンバー。カケルの事をダーリンと呼ぶ。通称エヴァ。Aカップ



【名 前】 スズカゼ(女)

【種 族】 ハーピィ

【年 齢】 16

【その他】  


 カケルの召喚契約したハーピィの中でも、お気に入り。ターコイブルーの髪と瞳をもつ。ユスティティアに殺されかけた。主にツバサのサポートをしている。



【名 前】 不知火美琴(女)

【種 族】 人族

【年 齢】 16

【その他】 元トップアイドル


 創造神イリゼによって送り込まれた勇者。素直で前向きないい子。逆境にも負けない芯の強さが魅力。死神のミコトが身体に同居している。現在、人々を救い強くなるため日々奮闘中。カケルと会うことを楽しみにしている。Cカップ


【名 前】 アリサ(亜里沙)(女)

【種 族】 人族

【年 齢】 16

【その他】 フィステリア冒険者ギルド人気NO1受付嬢


 カケルの前世で幼くして亡くなった妹、亜里沙の転生した姿。カケルと出会ったことで、喪った記憶を取り戻した。明るい茶色の髪と瞳。カケルと一緒に暮らすため、フィステリアからプリメーラへ引っ越した。Bカップ。 





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i566029
(作/秋の桜子さま)
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