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異世界行ったら、出会う女性みんな俺を好きになるので収拾つかなくなっている ~スケッチブックに想いをのせて 死神に恋した男の無双&ほのぼのハーレム~  作者: ひだまりのねこ
第十章 魔人帝国編

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朝はやっぱり焼きたてパンとコーヒーだよね

 朝の鍛錬を終えて部屋に戻ったが、ありすたちはまだ夢の中だ。


 カイと顔を見合わせて笑う。



『そろそろメイドが朝食を知らせに来る頃だな……起こさないと』

 

 カイがみんなを起こし始める。


 そういえば腹が減った。いつの間にか、この寝室まで朝食の良い香りが届き始めたのだ。



「カイ、この寝室に俺がいたら問題になるんじゃないか?」


 仮にも嫁入り前の皇女様の寝室だ。いきなり見知らぬ男がいたらメイドが腰を抜かすかもしれない。


 衛兵を呼ばれでもしたら、それこそ面倒だからな。



『大丈夫です。この離宮付きの使用人には全て説明済みですので』


 さすが仕事に抜かりが無い。


 それにしてもこの香りは……


「カイ、まさかこの香り、コーヒーがあるのか?」


 この鼻孔をくすぐる至高の香り。この世界に来てから恋しかったものの一つだ。


『はい、コーヒーは魔人帝国の主要特産品の一つです。やはり黒影殿もお好きでしたか。アリーセ殿下もお好きなのですよ』


 マジか……それなら交易でコーヒー豆を輸入して、大陸にもコーヒー文化を広めよう。


 甘味とともにコーヒーを販売することが俺の中で決定する。




『うーん、ダメだな。みんな全然起きない……』


 声をかけても、揺さぶっても起きる気配がないことに呆れるカイ。


「よし、俺に任せろ」


 順番に目覚めのキスをしていく。


『ん、んんんむむ~。!!!!!? お、おはようございます、大海原さん……』


 顔を真っ赤にして慌てて起きるありす。


 さすがにキスされながら寝続ける剛の者はいないようだ。


「――――よし、みんな起きたな、ってなんでカイが寝てるんだよ!?」


 顔を赤くして見事なたぬき寝入りをきめるカイ。うん、確かに仲間はずれは良くないよな。


 とびきり濃厚なキスをしてやった。


『『『ず、ずるい……なんかゼロだけ5秒長い……』』』


 ええぇっ!? キスしている時間数えてたの? なんか恥ずかしいんですけど。



 

「うん、美味い! この世界で淹れたてのコーヒーが飲めるとは思わなかったよ……」


 焼きたてのパンとコーヒーの組み合わせは最高だ。スクランブルエッグのようなものまで用意されているのは、多分ありすのおかげだろう。


『え? まさか……海の向こうにはコーヒーが無いの?』


 驚いたようにありすが食事の手を止める。


「ああ、コーヒーどころか、甘いものとか嗜好品がほとんど無いからな」


『大海原くん、もしかしてこの国の方が暮らしやすかったりするのかな?』


 絶望したような表情でたずねてくるひめか。


「さあな。俺もこの国のことをよく知らないから比較はできないな。その辺どうなんだソニア?」


 魔人帝国は快適だけど、ここは皇女様の宮殿だから参考にならない。両方知っているソニアはどう感じているんだろうか。



『主様がいるから向うの方が好きですね!!』


 駄目だ……嬉しいけど何の参考にもならない。ソニアがポンコツ可愛いことだけは分かったけれど。



『黒影殿、これも美味しいから食べて見てくれ』


 カイがお薦めの食べ物を次々と食べさせてくれる。


 そんなカイの姿に周りは疑惑のジト目を向け始める。


『なんでしょうか……ゼロと大海原さんの距離がやたら近い気が……』

『たしかに~、ゼロ、大海原くんとなんかあったでしょ?』


 ありすとひめかが鋭く追及する。


『ふえっ、い、いや特になにも……そ、そうですよね、黒影殿?』

 

「そ、そうだな、ちょっと2人で朝の鍛錬をしていたぐらいだな……」


『あ、朝から破廉恥ですよ!? 外でそんなことをするなんて』


 エルゼさん、全然破廉恥では無いですよ? まあ抱き締めたりはしたから否定は出来ないけれども。 




『ところでアリーセ殿下、皇帝陛下からは面会の許可は下りたのでしょうか?』


 ソニアが本題に話題を移してくれた。俺が関わらないと本当に優秀なんだよな。


『その件なら、もうすぐ返事が来ると思うけれど……』


 

 そこへタイミング良く執事がやってきて頭を下げる。


『アリーセ殿下、皇帝陛下より面会するとの使者が来ております。すぐ御用意を』


 

 正直、正攻法でしかもこんなに早く皇帝に会えるとは思っていなかった。


 意外とアリーセは皇帝に愛されているのか? それとも何か別の目的でもあるのだろうか?


 どんな思惑があろうとも、こちらとしては皇帝の判断に感謝だ。




 皇帝に面会できるのは、アリーセと俺の2人だけ。


 当然武器の類は携帯出来ないが、デスサイズがあるから特に問題にはならないな。


 

 ありすと迎えに来た馬車に乗って、皇帝陛下の居城へ向かう。


 仕方ないのかもしれないが、家族なのに一緒に暮らせないのは少し可哀想な気がするな。


 馬車を使うのは、同じ帝城内といっても、プリメーラと同じぐらいの面積があるからだ。帝国はとにかく全てが大きいらしい。



 皇帝の居城に近づくにつれて警備も厳重になってゆく。


 ありすの話によると、ナンバーズとは別に近衛兵の精鋭部隊、近衛兵48というのがあるらしい。正直反応に困るがな。



『大海原さん、あれが皇帝陛下、父の居る居城です』



 ありすが指差す方向にひそびえ立つ巨大な建造物に唖然とする。


 とにかくデカイ。サイズ感がおかしくなりそうなほどデカイ。


「…………デカイな。まるで小人になった気分だ」


『あはは……ですよね』


 ありすが苦笑いで応じる。



 さて、超大国の皇帝陛下が話の通じる人物だと良いのだが。



 俺たちを乗せた馬車は、大きく口を開けた巨大な建造物へと吸い込まれて行った。



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(作/秋の桜子さま)
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