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異世界行ったら、出会う女性みんな俺を好きになるので収拾つかなくなっている ~スケッチブックに想いをのせて 死神に恋した男の無双&ほのぼのハーレム~  作者: ひだまりのねこ
第九章 決戦の前に 束の間の日常

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混浴クライシス再び

 夕食を終えてプリメーラにあるカルロスさんの屋敷に戻る。


 すっかり我が家同然となっているので、あと少しで引っ越すことを考えると淋しい気持ちになってくる。


 いつもならお帰りなさい、と飛び込んでくるフリアも、セレスティーナに引越したのでここにはいない。まあ、さっき一緒に夕食食べたけども。




「お帰りなさいませ、皆様」


「すいません、マルコスさん、また増えちゃったんですけど」


「ハハッ、大丈夫ですよカケル様。部屋は余っておりますので」


 執事長のマルコスさんが笑顔で迎えに出てくれた。


 我が家に帰ってきたような気がして、なんかほっこりする。



「なぁ、カケル。本当に俺たちも世話になって良いのか?」


 ジャミールがこっそり大丈夫かと聞いてくる。そりゃこんなデッカイお屋敷みたらビビるよね。


「もちろんだ、ジャミール。ヴァレンティノさんも、姫も遠慮なく寛いで下さいね。なんたって最高のお風呂があるんですから!!」


「何から何まですまないねカケルくん」


「きゃー、久しぶりのお風呂! 楽しみだわ」


 恐縮するヴァレンティノさんと、はしゃぐソフィア。


 俺の屋敷ではないけど、有名人大好きカルロスさんが喜ぶのは間違いない。



「それと……カケル様にお客様が来ております」


「俺に客? こんな時間に? じゃあ先に会うよ。みんなは先に風呂に入っていてくれ」



「「「「えーっ!! 混浴は?」」」」


 いや、このメンバーで混浴はないだろ? ジャミール、そんな眼で見ないでくれ。誤解だ。


「今日はソフィアもいるんだぞ? 諦めなさい」


「えっ? 私も一緒に入るわよ? 婚約者なんだから当たり前じゃない」


 ソフィアさん……嬉しいんですが、話がややこしく……嬉しいんですよ本当に。


「……わかった。なるべく早く行くようにするよ」


「「「「はーい」」」」


「うふふ、黒髪の王子様と一緒にお風呂なんて……作りますか? 既成事実」


 耳元でささやくソフィアさん。


 作りたいけど、絶対無理だからね? 状況的に。



「あっ、カケルさま、夜分に申し訳ありません」


 マルコスさんに案内されて応接室に行くと、商業ギルドのミレイヌさんがプリンを食べながら待っていた。


 来客用にとカルロスさんにプリンを渡しておいて良かった。他のお客様にも大好評みたいだし。



「すいませんミレイヌさん、待たせちゃいましたか? でも急にどうしたんです?」


「実は商業ギルドにセレスティーナ行きの希望者が殺到しておりまして、明日にでもギルドに来ていただけたら大変有り難いのですが……」


 そういえば、クラウディアが言ってたな。きっとミレイヌさんが頑張ってくれたに違いない。


「ありがとうございますミレイヌさん。明日必ずギルドに伺います」


「そうですか。それはとても助かります。あと、甘味を販売するスタッフや、作り手の方もすぐに集められると思いますから、もう少し待ってくださいね」


「分かりました。セグンダでも販売して欲しいと伯爵から言われているので、助かります」


「えっ、セグンダでも? すごいじゃないですか!! それならもう少し人数増やした方が良さそうですね!」


 眼鏡越しでも自分の事のように喜んでくれているのが分かる。有り難いことだ。



「あの、もし食べられるなら、新作のデザート食べます? クレープっていう異世界の定番デザートなんですが、さっき食後のデザートに作ったので」


「……例え満腹だったとしても、胃の中をすべて出してでも……食べます!!! しかしながら、幸い夕食を食べていなかったので、余裕で食べられます」


 鬼気迫る勢いで食べると力説するミレイヌさん。


 夕食が取れないほど、こんな時間まで頑張っていたんだな……ミレイヌさん。それなら――――


「良かったら、夕食の残りもありますから、一緒にどうぞ」




「ふふふ、おいひい……おいひいれす〜もぐもぐ……」


 泣きながら一心不乱に食べるミレイヌさん。よほどお腹が空いていたのかな?


「……セレスティーナでは毎日食べられるのよね? 決めたわ、明日からご飯はセレスティーナで食べます!」


 目をキラキラさせるミレイヌさん。運ぶの俺なんだけどな。まあ今更か。


「ミレイヌさん、セレスティーナへは毎朝この屋敷から転移で行きますから、行くときはここに来てもらえれば」


「わかったわ。それじゃあ……ご飯のお礼をしないとね」


 そう言ってミレイヌさんが、なぜか俺の太ももの上に乗ってきた。



『……カケルにゃん、私の耳と尻尾……好きにして良いにゃあ』


 真っ赤な顔で抱きついてくるミレイヌさん。


 ありがとうございます。ありがとうございます。遠慮はしません、出来ません。


「ミレイヌさん……俺、もう我慢出来ない……」

「き、来て……ふにゃ〜!?」 


「……痛くないですか?」

「大丈夫……気持ちいいにゃん」


「スベスベもふもふですね……最高ですよミレイヌさん」

「ふふふっ、カケルにゃん以外には触らせないにゃ、特別にゃん」


 ミレイヌさんが嬉しいことを言ってくれる。


「カケルにゃん……良かったら、他の所も――――」



「失礼します。カケル様。ミレイヌ様もお風呂の準備が出来ております」


 執事のノックを聞いた瞬間、ミレイヌさんは元の席に座っていた。


 さすが猫獣人。瞬発力がすごい。



「良かったらミレイヌさんも一緒にお風呂どうですか?」


「そ、そうね、せっかく準備していただいたのだから断るのも悪いですし、私も入ります」 


 

 はうっ、何この急展開!? カケルさまと距離を縮める絶好のチャンスじゃない。


 ふふっ、2人っきりでお風呂♪ 2人っきりでお風呂♪



 って思ってたのに……何コレ!?


「あら、ミレイヌも一緒に入るの? ここのお風呂すごいわよ」


 なぜクラウディアが……あ、そういえば一緒に住んでるって言ってたわね。


 私もここから出勤しようかしら。



 一方でカケルは――――


「ミヅハ、悪いけどまた頼むよ……」

『ふふふ、大丈夫です、お兄様。すべてミヅハにお任せください』


 出来る妹に混浴時サポートを依頼していた。

 









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i566029
(作/秋の桜子さま)
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