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異世界行ったら、出会う女性みんな俺を好きになるので収拾つかなくなっている ~スケッチブックに想いをのせて 死神に恋した男の無双&ほのぼのハーレム~  作者: ひだまりのねこ
第九章 決戦の前に 束の間の日常

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妹以上恋人未満

「だからごめんって! 機嫌直してくれよ、アリサ」


「…………」 


 ひとりプリメーラに置いてけぼりにされたアリサが口を利いてくれない。


 クラウディアに言われてすぐに迎えに行ったんだけど、目に涙を溜めて無言で俯いている。


 ま、マズイ。怒らせたならともかく、悲しませてしまったようだ。



「ほ、ほら、アリサが食べたがっていたクレープ作ってやるから」


 おっ、少し反応があったぞ。もうひと押し。


「あと、何でも1つだけお願い叶えてやるから」

 


「…………1つ?」 


「うっ……わ、わかった3つだ、3つ願いを叶えてやろう」


 俺はソニアだったのか……


「…………何で上から目線?」


「……すいません……願いを叶えさせて下さい」


 妹に頭を下げお願いする。



「ん、わかった。許してあげる」


 ようやくアリサが微笑んでくれた。良かった。妹の笑顔プライスレス。



 ごめんねお兄ちゃん。別に怒ってなかったんだけど、こんなチャンス滅多に無いし。


 世界を救う為に頑張ってるお兄ちゃんはとっても格好いいし、誇らしいけど、妹としては、もっとおしゃべりしたり、遊びに行ったりしたいんだよ?


 だって、やっと逢えたのに、せっかく再会出来たのに、お兄ちゃんの周りにはいつも沢山の女の人がいて、私が入る隙間なんて何処にも無い。みんな良い人ばかりだから尚更ね。



 あの頃は良かったな……身体が弱くていつも寝てばかりだったけど、いつもお兄ちゃんがそばに居てくれた。私だけを見ていてくれた。


 

「……ねぇ、お兄ちゃん、おんぶして!」


「おう、おんぶな、いいぞ」 


 ふわあ……お兄ちゃんの背中、とっても広くてあったかい。後頭部に顔を埋めてお兄ちゃんの匂いを満喫する。首筋に頬を擦り付け体温を直に感じる。


 こっそり首にキスしちゃったけど、バレてないよね?



「……お兄ちゃん、抱っこ」


「了解、対面とお姫様どっちが良い?」


「両方」


「承知いたしました、妹姫さま」



 しまった……お姫様抱っこはともかく、対面はさすがに恥ずかしいかも。だって身体はもう大人だし。



 いやぁ……対面抱っこ……気持ちいい。これは危険過ぎる。変な気持ちになっちゃうよ。


 この世界のアリサの身体が喜んでいるのが分かる。求めているのが分かる。


 キスしたい…………


 駄目よ、私たち兄妹なんだから。


 でも……血のつながりは無い。


 じゃあ……良いのかな。よく分からない。



「ねぇ、お兄ちゃん」


「なんだ? アリサ」


「私、またお兄ちゃんとお祭り行きたいな……憶えてる?」


「もちろん、俺が忘れる訳ないだろ?」 

「ふふふ、そうだったね!」


「あとね、海とか、温泉とか、お買い物とか、行きたいな……出来なかったこと全部お兄ちゃんとしたいの……ごめんね3つじゃ足りないね」


「……大丈夫だ、3つ目の願い事で回数を増やせば良いさ」 


「ええ!? それ駄目なヤツじゃないの?」


「アリサは大事な大事な俺の妹だからな、特別だぞ?」


 お兄ちゃんが口に人差し指していたずらっぽく笑う。


 私が大好きなお兄ちゃんの笑顔。 


「じゃあ、3つ目のお願いは、願い事を無制限にして!!」


「ええ!? それは……ちょっと欲張りすぎじゃ……」


「…………駄目なの?」


「承知いたしました、妹姫さま」 


 ちょっと泣きまねしたら困った顔でわがままを聞いてくれる優しいお兄ちゃん。


 大好きよ……この世界の誰よりも。


 でも、ごめんねアリサ。


 私はもう少し、お兄ちゃんの妹でいたいのよ。だから今はまだ…………




「お兄ちゃん、お腹空いちゃったよ! 晩ごはんは何かな〜?」


「アリサの好きなカレーもあるぞ! ちょっと味は違うけどな」


「本当!? カレー食べたかったんだ。ありがとうお兄ちゃん、大好き!!」


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(作/秋の桜子さま)
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