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異世界行ったら、出会う女性みんな俺を好きになるので収拾つかなくなっている ~スケッチブックに想いをのせて 死神に恋した男の無双&ほのぼのハーレム~  作者: ひだまりのねこ
第八章 セントレアを奪還せよ

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セントレア奪還戦 前夜①

「……また御主兄様が女性を口説いていらっしゃいます……」


 クロエが呆れたように耳をピコピコ動かす。



「貴方様には自覚がないのだから困ったものね」

「うんうん、あれはもはや様式美だよね!」


 シルフィとサラは今更よね、と笑う。



「このままじゃと世界の半分の女性がダーリンの毒牙にかかってしまうのじゃ」


 皆笑っていたが、割とあり得るのではと、急遽対策会議が始まった。



「――――という訳で、何か名案はないか、サクラ?」


 真剣なまなざしで問いかけるセレスティーナ。


「んー、分かりやすい形でハードルを上げるしかないですね」


 桜色の瞳に強い決意を込めて拳を握るサクラ。


「ハードルを上げる? どういうことだ?」


「結局、あれだけ魅力的な王子様が独身なのが問題なのです! 早く結婚してしまえば良いんですよ。王族の婿となれば、大多数の女は気後れするはずですし」


「なるほど……さすがサクラだな。しかし、旦那様と、け、け、結婚はしたいが、この状況ではな。クロエやクラウディアのこともあるし、しばらくは難しいだろう」


 結婚という言葉に顔を赤らめるセレスティーナ。


「アリーセ殿下もお迎えしたいので、魔人帝国を倒すまで婚儀は待っていただけたら有り難いのですが……」


 黙って聞いていたソニアが口を挟む。


 結局また増えるのかと、一同苦笑いする。


「ふふっ、何人増えようが私には関係無いがな。私が旦那さまをどれだけ愛しているか、大事なのはそれだけだ」


 自信満々に語るユスティティア。その瞳に迷いなど微塵もない。


「さすがお姉様……このセレスティーナが間違っておりました」

 

 瞳をキラキラさせて姉を称賛するセレスティーナ。




「……カケルくんはずいぶんとその、モテるのだな?」


 唖然としながら対策会議を見守っていたノーラッド王子が、呆れたようにため息をこぼす。


「あら、兄上、まだいらっしゃったんですか?」

「早くガーランドへ帰った方が良いんじゃない?」


 シルフィとサラはノーラッドに対して素っ気なく見えるが、これでも兄に甘えているのだ。


 ノーラッドもそれが分かっているので、嬉しそうに微笑み返す。


「そうはいかないよ、これからセレスティーナとガーランドは重要な交易相手になるんだ。エルフ族の移住の件も含めて、詰めなければならないことは山ほどある」



 そこへミレイヌたちをプリメーラに送り届けたカケルが戻ってくる。


「ノーラッド兄上、すいません、お待たせしてしまいましたか?」


「やあ、カケルくん。今来たところだ。久しぶりに妹たちと話が出来て楽しかったよ」


 柔らかい笑みをこぼすノーラッド。


 さすがエルフの王族、イケメンオーラがすごい。


「それは良かったです。では詳細を詰めて行きましょう――――ですが、その前に」



 カケルの表情が真剣なものに変わったのを見て、その場の全員が雰囲気を切り替える。


「すでに伝えている通り、明日セントレアを奪還するけど、メンバーは、俺とユスティティア、セレスティーナ、サクラの4人で行くことになる」



 カケルの言葉に当然仲間たちが反発する。


「な、ちょっと待って下さい貴方様! 私たちも行きます」


「そうだよ、確かにボクたちはアストレアの人間じゃないけど、セレスティーナたちは大切な仲間なんだ」


「御主兄様、決して足手まといにはなりません、人手は多い方が良いと思いますが」


「うむ、水臭いではないか。後方支援でも構わん、何か手伝わせてくれ」


「そうですよ主様! 第一、魔人帝国と戦うのに私を連れていかないとか意味不明です」


「み、みんな……ありがとう……」


 セレスティーナたちも涙ぐむ。



 ああ、分かってるさ。でもそうじゃないんだ。



「……魔人帝国の次のターゲットはガーランドだ」


「「「「「なっ!?」」」」」


「すでに奴らは動き出している。おそらく、明日攻め込んでくると思う。シルフィたちにはそちらにあたって欲しいんだ」



「カケルくん、それが本当ならすぐに戻らないと……間に合うかどうかぎりぎりだが……」


 ノーラッド王子が顔色を変えて唸る。



「大丈夫ですよ兄上! 夕食後にでも、全員転移で連れて行きますから」


 兄上を安心させるように、軽い口調で話す。



「貴方様……いつの間にガーランドへ召喚獣を?」


「もちろん最初からに決まってるだろ。大切なシルフィとサラの故郷に何かあったらどうするんだ?」


「あ、貴方様……ありがとう」

「こっちはボクたちに任せてよ! 2人揃えば魔人なんて敵じゃないからね」


 涙ぐむシルフィとサラ。


 確かにこの2人が揃えば魔人にも十分対抗出来るだろう。俺もこの2人とは戦いたくない。



「そんな訳でセントレアにはアストレア組で行く。クロエ、エヴァ、ソニア、シルフィたちを頼むぞ」



「お任せください御主兄様、魔人どもには生まれてきたことを後悔させてやります」


「ふん、魔人とはいえ、血は流れておるのじゃろう? ならば妾の敵ではないわ。だから……後でいっぱい吸わせてね」


「もとより同胞の愚行を阻止するのが私の使命。身命をとして皆さまをお守りいたします」



 本当はガーランドへの侵攻を防いでから、全員でセントレアに行くことも考えたんだけど、状況が変わった。明日行かないとセントレアが間に合わなくなる。



 もちろん、シルフィたちのリスクを少しでも下げるために俺が出来ることは全部やるつもりだ。


 さて、次は――――





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(作/秋の桜子さま)
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