表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

飲酒

作者: 鰆

酒を飲むと、目ばっかりがひどく熱くなる。いつもは空っぽの脳みそが急に重くなって、うなだれる。


酒を飲む前、メニューを眺めたり、店でカゴに缶をいくつか入れたり、つまみを用意しているときは、なんだかワクワクするのに、胃に収まってしまうとぼうっとするだけで楽しいことなんて何もない。いつもそうだってことと、実はそんなに酒が好きじゃないってことを、いつも飲み終わったころに思い出す。カラフルな液体に溶かされた微量の毒で脳を麻痺させても、嫌なことは忘れられないし、なくならない。アルコールは苦いし。今もまだ、オレンジジュースとかホットミルクの方が好きだし。


ギュッと喉が締まって、眼球から熱がボロボロ零れ落ちる。


本当は、アルコールがほしいんじゃない。額に当ててくれる冷たい手とか、飲み過ぎだよ、と心配する声とか、冬の冷えた布団の中で感じるべつの体温とか、本当は、そういうものがほしいのに。あいとか、そういうものが。


酒精に思考を溶かされた夢の中でそんな愛の幻覚ばかり見てしまう。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ