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第一章 出会い
どこかで声がする。
「大丈夫ですか?」
美海が目を開けると、そこには信じられない程美しい少年が美海の顔を覗き込んでいた。
ルビーを彷彿とさせる紅い右眼とエメラルドのような翠の左眼、きめ細やかな肌は抜けるように白く、肩まである銀の髪はさらさらとして絹のよう。美海も一瞬女性と見紛うた。
「ご、ごめんなさい、ちょっと居眠りしてて」
美海が寝ぼけ眼で言うと、少年は苦笑し、
「僕は今日から白神学園に転入する風林空というもので、貴方がもしかしたら白神学園の生徒かと思って、声かけてみたんです。」
少年 - 空の言葉に美海は答える。
「私は白神美海。白神学園の生徒で名字からもわかる通りこの学園の理事長の縁者よ」
これが後に宇宙全体を巻き込む大きな動乱、その始まりだった。