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PAIN

作者: 篝 ハク

絶望を口にしながら

まだ心で

夜空を眺めているのは


消えない何かを

もう一度辿(たど)ろうと

してしまうから


冷たい空気さえ

この身を責めきれない


身を投げ出せるだけの理由(わけ)

突如失ったあの日

俺は空虚よりも

何もない人間になった


新しい場所は

犠牲を許さぬ

優しくて

厳しい荒野(こうや)


我が身を(かえり)みる事は

なんと難しい


消え去れたなら

滅びてもいいのなら

もう少し極端なままで

いられたというのに


捨て身の道を断ってから後

まだ勘を取り戻せずにいる


(もてあそ)ぶだけの生命(いのち)

どう使えばいい?

まだ見つけられない


あのまま雨が

胸を射ってくれればよかった

生きるという引き返せない道

まだ悲しい響きしか知らない


それもまた

使い物にならなくなった全てが

回復した証なのかもしれない


その回復さえ

しょっぱい味がするんだ

まだもがく事しか知らぬまま

この世界に居てみるよ


余ってしまったと

思うものばかり

積み重ねていく

その過程さえ

優しさで寿(ことほ)ぐんだろう?


いなくなったお前の

その優しさが

この心を

一番痛ませるまま


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