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彼女の詩  作者: 秋葉竹
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だからあたしは生きていいはず

はっきりいうけど、

何が正しく、何がまちがっているかなど、

ほとんどあってなきが如き幻想。


うつつは夢、

夜の夢こそまこと。


ていうのに、近い感覚かな。


そのなかで、ひとりの人が

他人を責めることができるとすれば、

ただ、その人が

弱者の側に立っているかどうか、

この一点のみがそれを可能ならしめている

と、いえるだろう。

てか、私は、そうである。


たとえば、

あなたが、強い立ち場の人なら、

私は味方する必要をおぼえない。


ただ、本来その立ち場でも

そのときあきらかに

弱い立ち場に立たされてるのなら、

そのときは、本来強い人のことを

助けるかもしれない。


わからないよね。

こんな気持ち。

じぶんは、少なくとも

この一件に関してだけは、

絶対に間違っていません、か?


そんなことを本気でいえるのは、

酔っ払って正義が大好きになった

ウイスキー瓶からストレートで

ラッパ飲みしてた頃の

あたいくらいのもんでしょう。


いや、甘いマスクの彼に、ただ、

甘えたかっただけだったけど、

酔うと正義が大好きになったばかだった。


天命なんて

さがしてたこともあった。

まだ、

アルコホルいぞんだったころ。


なにかをしなければならない

今、なにかをしなければ、という

もはや、強迫観念に、心を鷲掴みにされ、

バナナの皮をむくように

真っ白な、いちばんピュアなか弱い果実を

白日のもとに晒け出されて弄ばれているような

気も狂わんばかりの焦燥に

責め苛まれていた。

まだ、

アルコホルいぞんだったころ。


はっきりいうけど、

そこには、正義など存在せず、

ただ、声の大きさが、正義ごっこの

勝利者を決めていた。


ていうわけで、

あたいはアルコホルをやめちゃいました。


ほんとに、くるしかったら、

あたしなんかが、やめれるわけないから、

けっこー、楽なやめ方を選んだのかもしれない。

恥ずかしいので、やめ方は、秘密………ね?


いや、違う。

断酒自慢じゃなくて、


私は、弱い人の味方をするわ、ってはなし。


だって、経験したんだもの。

ちゃんと、経験したんだもの。



はっきりいうけど、

何が正しく、何がまちがっているかなど、

ほとんどあってなきが如き幻想。


この結論にたどり着くまでに、

それはもう、

断酒なんてお子様のお遊びといえるほどの

あんなことやこんなことを

経験したんだもの。


べつに、

いいことなんてひとつもなかったけれど。


ただ、じぶんのことを一番に

考えずに済む人間に

なりたいとおもえたのは

そのおかげかな?


寒い夜でもね、

燗もいらないわ。






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