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彼女の詩  作者: 秋葉竹
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生まれ変わっても、いっしょになろうね、真剣(まじ)で。

生まれ変わっても一緒になろうね、

と言ったのは、

別に軽い冗談だったのに。


「じゃぁ、

もう一度一緒になると言うより

今度は姉妹がいいわね」


何かを期待して

どうして?

聞くと


「だって恋人だとあなた重過ぎるんだもの」


な、な、何を言ってる?


「嘘だよ、嘘だよ、これこそ軽い冗談だよ。」


あなた性格悪すぎ、まるで蛇みたい今、蛇っていってもさそり座の白蛇だけどね


そういえばあの日2人初めて出会った日。


乙女ばかりが通うことにして

「乙女坂」って通称の

坂を上った突き当たりにある名門で、

セーラー服が制服の女子校で、

あなたはいつもみんなに囲まれてて

勉強もできるしスポーツもできるし

いつも、みんなの悩みをきいてあげる、

人柄もいい

って思われてたし、

あなたあの高校の憧れの君だったものね。


本当に勉強できたよね。

頭は良かったと思う。

陸上競技もクラスで一番ではあったと思う。


ホントは水泳は泳げないカナヅチだし

球技に至っては女の子投げしかできない

お粗末なものだったんだけど、

何故かあなたはそれを上手にかくして

運動神経全般が良いと思わせる

テクニックを身に付けていた。


それだけじゃなく、

じぶんを好きにさせるテクニックも

計算尽くで身に付けていた。

ふざけんなよ。

こっちは、いい迷惑だったよ。

もちろん、ウソだけど。

好きにさせてくれて、ありがとう。

そして、

冒頭のこの話へ向かうのだ。

「生まれ変わっても、

いっしょになろうね」と

いった私に「恋人としては重すぎる」発言。


軽い冗談っていわれても、

ちょっと、悲しい、かな………


そういえば、初めてあなたと、出会ったあの日。

なぜか、いきなり私を指差し

『好きになるかも、しれない』

あなたの取り巻きのいる前で

澄ました顔していってくれたとき、

私はその日教科書に出てきてた慣用句(?)

「鳩が豆鉄砲をくらったような顔」して

あなたと見つめ合う関係になってしまった。

いったいなんという物語だったかは、

覚えてないんだけどね、あなたなら、

きっと今でも覚えているよね?

いまから、考え直すと、

「蛇な」あなたは、その日教科書に出ていた

「鳩が豆鉄砲をくらったような顔」を

観たくて、あんなこと、いったのかな?

そのあと、「嘘だよ、軽い冗談よ。」

って、取り巻き見回しながら

王様の言い訳みたいに、苦い顔していっていた。


私は、(好き?)という

小さな感情を揺るがす嵐が

いち早く去ったあとも、

その言葉が「胸から離れな」くって、

あゝ、この「胸から離れな」いって

これも、教科書に載ってたなぁと

立ち止まったまま、なにかから立ち直れず、

なんとか懸命にあなたから

目を離す努力を続けていた。


ね、

だれが、わぁ〜〜るい?


あなたでしょ?

悪い子は。

責任とらなきゃね?

だから、お願い、

ふつうに、ウン、ていってよ。


生まれ変わっても、いっしょになろうね?


ほんき、だよ。


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