彼女は、宇宙人ではない。1
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その頃、
僕の心にはぽっかりと穴が開いていて
埋められる何かを探し続けていた。
海辺の街にひとりで遊びに行って、
僕は彼女と出会ったんだ。
夏も終わって
ひと気もない砂浜で、
なにかを懸命に探しているようで、
座り込んではなにかを拾いあげ、
太陽に透かしてみては、
その可否を確かめろようで、
合格のものは、小手に抱えた
丸みをおびた白色の小さなバスケットに
そっと入れていた。
とても興味を持って
ずいぶん長い時間
飽きもせずに彼女の所作を見ていたんだ。
気がついて、気に触ったらしく、
ずんずんと私の方へ近づき、
あとで彼女から聞いた表現でいうなら、
犬コロでも見るような目で、
僕のことをやぶにらみしながら、
『なにか、ご用ですか?』と、
口尖らせながら
「見るな、」という意志まんたんで、
一応「ですます」調の質問のかたちで、
威しをかけて来た。
僕は、言外の強い意志には
まるで気づかない振りして、
『なにを拾われているか、ちょっと、気になりましてね』
と、視線を彼女の目から逃がして、
海の、それも遠いところを見ながら返答した。
目が、ちょっと、怖かったので。
『私がなにをしようが、あなたには関係のないことです。部外者は、口を挟まないで下さい。」
攻撃的なほどはっきりした口調で、
言外ではなく、そのままの意味で、
興味を持つことさえ、拒絶された。
ただ、彼女のその意志に従うかどうかは、
僕の自由ではあるのだが。




