魂の救済 中編
「これはあくまで俺の推論なんだけどね」
春人はそう切り出すも、
途中でため息をつくと
自嘲気味に
「いや、答えを知ってる人がいるのに推論なんかしたってしょうがないか」
「いえ、春人くん、貴方の意見是非聞いてみたいわ」
どこから取り出したのか扇子で口元を隠しながらそれでも薄く笑っているのがわかる
「まぁ、そんなに大げさな事じゃないんだけどね、
そもそも、黒川さんと寧庵さんが解決に乗り出すって事は、幽霊だとか妖だとかそういうのが関わってきてる訳でしょ?」
「そうなるわね」
「それに、寧庵さんは魂の浄化?とかが専門だって事だから、妖というよりは霊とかそういうものだとわかる」
「如何にも」
「そして、寧庵さんはさっき
強く結びついてて慎重に作業を進めないと、
そんなようなこと言ってたでしょ?
結びつくって事は少なくとも2つ以上、
でその後に2人とも壊れてしまうと続いたから2つで確定。
じゃあ何が?そりゃあこの流れでいったら魂だよね、霊魂みたいな事なのかな?」
そこまで話し切ると黒川が小さく拍手を送り
「その通りよ、春人くん」
「いや、この程度で褒められてもね
それにこれで終わりじゃないし」
春人が続けると扇子の奥で僅かに黒川の表情が動く
「昨日黒川さん警察署に入ってきた時に言ってたよね?
なんでこんな所にソウルイーターが
って」
「まぁ、聞こえてたのね、」
「肉体強化かけてたからね、聴力もあがってたの、」
また一つ間を置くと
「でも、おかしいよね?
あの状況で少女ではなくて武器の方に目がいくなんて、しかもその言い方だと
本来違う場所にあるはずのものだと知っていたみたいだ」
そこで今まで黙っていた不知火が間にはいった
「立花、俺は肉体強化だとかよくわからねぇが、黒川さんがそれを知っている事がなんだっていうんだ?」
春人は一度大きく息を吸い込むと
「つまり、黒川さんは少なくともあの大鎌の所有者に心当たりがある
もしくは黒川さん自身があの鎌の持ち主である可能性もね」
そこまで言うと黒川の方をまっすぐと見つめ彼女の返答を待つ
黒川が返答を返す前に春人と黒川の間に割ってはいるように体を移動させた寧庵が
「夜魅殿如何される」
そう問われた黒川は口元を隠していた扇子を下ろすと、
少なくとも春人達が出会ってから見たことの無い程、満面の笑みを浮かべた
「春人くんホントに素晴らしいわ、
そう、元々ソウルイーターは私のモノよ」
どんどんと話の方向性がぶれてくるw