初戦闘
「立花!!お前どうやってここに!」
不知火は何故か動くようになった体で春人の方を向くとそう叫んだ
「んー、どうやってって警察署の入口に来たらなんか騒々しいんで不知火さんの近くに短距離転移したら、殺されそうになってるからさぁ」
そういうと少女の方を指さした
不知火がそちらの方を向くと白い煙のようなものに四肢を拘束され獣のように低く唸りながらこちらを睨む少女の姿だった
「煙天・縛
本来は発動に時間のかかる魔法なんだけど、たまたまタバコ吸いながらきたから良かったよ」
そう言うとこの殺伐とした状況にも関わらず春人は短く笑った
「よ、よくわかんねぇが、とにかく助かった、
とりあえずそのまま縛っといてくれ、」
不知火はそういうと倒れる同僚たちのもとへ駆け寄ろうとする
「いや、ちょっと待ってよ、本来発動に時間かかる魔法なんだって、そう長くはもたないよ」
春人は少女の方を向きながらそれでもまだ余裕があるように見える、
「なら、もっと強く縛れ!少なくともここにいる連中を避難させるまでは!」
不知火も少女のほうに向くが、
その少女の奥ちょうど玄関のあたりに、
この状況にはあまりに不自然な、着物を着た妖艶な女性を見た、
その女性は腰まで伸びる長い黒髪に、大きく少し目尻の垂れた目、
黒を基調とした上品な着物を着ていた、
「穏やかじゃないわね」
その女性は一言そう零すと、少女の持った大きな鎌に目を移すと
その大きな瞳を更に大きくし
「・・・ソウルイーター!?ど、どうしてこんな所にあるの!?」
「やべっ、もう解ける
おねぇさん!不知火さん逃げて!」
そう春人が叫ぶとほぼ同時、少女を縛っていた煙が霧散すると、少女はあろうことか自分の後方にいる女性へと向きを変え走り出した
「ちっ、ミスった、余裕ぶってる場合じゃ無かったわ」
いつも飄々とした態度であった春人もあからさまに焦った表情になると、それでも少女を超えるスピードで玄関の方へと駆ける
女性はその一連の流れを視界に収めつつも一度呼吸を整え
少女の方へ手を向け
「少し落ち着きなさいな、
呪法・反魂」
女性がそう唱えると少女へ向けた手から黒いオーラのようなものが半円状に広がり、そこへ少女がぶつかった瞬間弾かれるように少女の体が跳ねる
そこへ追いついた春人が少女を羽交い締めにすると、
「おねぇさん!大丈夫?
ごめん、俺が油断したばっかりに」
「いいのよ、わたくしも自分の身くらいは守れるもの」
女性は春人の近くに歩み寄ると
「呪法・宵闇の子守唄」
春人に羽交い締めにされている、少女の耳元で囁いた
すると、低く唸っていた少女はゆっくりと目を閉じスヤスヤと眠りに落ちた
「これで、ひとまずは大丈夫よ、刑事さん貴方も大丈夫かしら?」
女性は不知火のもとへと歩み寄るとそっと手を差し伸ばした
「あぁ、大丈夫だ、俺は大丈夫だが、斬られた奴等が心配だ、手ぇ貸してくれねぇかな?」
差し伸ばされた手には捕まらず、無様に尻餅をついた姿勢から自力で立ち上がる不知火
「そう、無事なら良かったわ、でも恐らく彼らはもう助からないわ」
少し目を伏せ差し伸ばした手を引っ込めると女性はそう呟いた
薄々わかっていたのか、不知火は唇を噛み締めるともう1度地面に座り込んだ
「おねぇさん、随分詳しそうだね、」
春人は女性へそう問いかける
「あら、なんでそう思うの?」
「あくまで推論だよ、あくまでね」
当初考えていたより主人公が随分足でまといにw
これから挽回してく予定です、というかそうじゃないと困るw