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異能力犯罪対策課  作者: みるく苺
第1章 汚れた魂と煙の異端児
1/23

帰還



「皆さんおはようございます、朝のニュースです。

まずは、速報です。今日からちょうど3年前の2014年5月19日から発生している集団行方不明事件。

世界中で5千万人、ここ日本でも200万人の行方不明者が出ている事件ですが、

先ほど午前5時頃、日本各地で、多数の行方不明者が発見されました。

警視庁は行方不明者を保護し事情を聞くなど捜査を進めています」





「大丈夫ですか、大丈夫ですか!」

閑静な住宅地、まだ薄暗い早朝のその場所では、

けたたましく鳴り響くサイレンと大勢の警察官、救急隊員で溢れていた、


その喧騒の中心にいるのは、何故か大量の札束の上に倒れている、20代と思われる赤い髪をワンブロックにし、見慣れない格好をした男。

男は救急隊員の呼びかけに応えるようにゆっくりと目を開けると、周りを見渡しそっと呟いた、

「戻ってこれたのかな?」




岐阜県〇〇市 警察署内

「要するに3年前、集団行方不明があった日に、いきなり黒いもやに吸い込まれたと思ったら異世界にとばされていたと。」

くたびれたスーツを来た40代前後の警察官と思われる男は、ボサボサの白髪混じりの頭を掻きながら、めんどくさそうに話しかけた。


「ん、まぁ、そういうことだよね、我ながら何言ってんだこいつって感じだけどさ。」

そう答えたのは今朝方路上に大量の札束とともに、倒れていた赤髪の青年


「いや別に疑っちゃあいねぇよ、お前と同じように見つかった行方不明者達が同じような事言ってたみてぇだしよ。」

警察官はそう言うと、手元の調書に目を通した。


「じゃあ、面倒だがもう1度確認するぞ、

まず名前と歳を、」

立花(たちばな) 春人(はると)

俺が失踪したのが3年前なら今は25歳かな、」


赤い髪と鋭い目つき、その見た目とはうらはらに春人はのんびりとした口調で話した


「よし、じゃあ、異世界とやらに飛ばされたあとの事を簡潔に。」

「簡潔でいいの?しっかり聞いといた方がいいんじゃない?」

「いんだよ、めんどくせぇし、どうせまた後日話聞かなきゃなんねぇだろうからな。」

警察官がそう答えると、次は春人の方が困った顔をして、頭を掻いた


「簡潔にかぁ、

3年前のあの日に、急に黒いもやに包まれたかと思ったら、大勢の人が集まった広場に飛ばされてその国の王だとかいう人が現れ、

この世界を脅かす魔王を倒してくれ!!

的なことを言われてなんやかんや冒険して魔王倒しちゃいました的な?」


春人はそういうと大きくノビをした

「なるほどな、まぁざっくりはわかったが、1つだけわかんねぇ事がある。」


そこで警察官は少し間をとると、急に厳しい顔つきになり

「異世界とやらに行ったのはわかった、わかったが、それならあの大量の札束はなんだ?」

と凄むように言った


「それなんだけどね、最初に王様に集められた時に、

見事魔王を倒した者達には一つだけ願いを叶え、元の世界に戻してやろう!

って言われてさ、んで、倒した後に日本円たくさん下さいってお願いしたのさ、」


あっけらかんと春人が言うと警察官は少し表情を緩め

「一応、そういう事で調書を書いておく、

だが、世界各地で行方不明者がでて、それが今になって続々と戻ってきた、そのせいで、どこもかしこも大混乱だ」


そこで一つ深い息を吐くと

「それにかこつけて悪さを企む輩がいねぇとも限らねぇ」

春人は右目を隠すように伸ばした前髪をかきあげると、鋭く冷たい声色で目の前の警察官に言う、

「それが、俺であると?」


凄む春人に対して落ち着いた様子で

「そうは言ってねぇよ、どっちにしろ疑うにしても、信じるにしても情報が足りなさすぎるしな」

警察官はあくびを一つすると

「もうすぐ日も暮れる、また明日話聞きてぇからもう1度来てくれ、それと金については落し物として受理しておく、

お前の言ってることが本当だとわかれば返してやるからよ、ちなみに全部でいくらだ?」


春人は薄く笑みを浮かべ

「5千兆円」

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