六話
前回までのあらすじ
港町に着く、なお病欠
今回は戦闘シーンがあるので遅くなりました。
嘘です。普通に忙しかったです。
宿の外に出ると港の方から血相を変えた人々が走ってきていた。
「た、大変だ! 魔物だ! 魔物が出たぞ!」
なんでも港の方に魔物が現れたらしい。・・・町の外からじゃなくて中から出てきた?これって手引きした奴がいるってこと?もしくは人間の町に忍び込める奴がいるのか、それとも魔物をどこにでも送り込めるのか。
「ま、魔物って本当か」
「に、逃げなきゃ殺されちゃう!」
「だけどどこに逃げれば・・・」
っと、考えるのは後だ。ちょっと離れないと混乱に巻き込まれてしまう。
ざわざわと騒ぎが大きくなる中、兵士の隊長っぽい人が声を張り上げた。
「落ち着いてください! 戦える人は港へ! 戦えない人は門の近くに避難してください!」
その一声で少数の兵士に守られながら市民たちが門の方に誘導され残りの兵士や冒険者たちが武器を手に港に向かう。
えっと、俺はどうするべきか・・・。幸い熱も気にならない程度には下がってるけど港に向かっても大したことはできない。でも、だからってこのまま避難するのはなぁ・・・ひとまずライナードかローランたちに合流すべき、かな。
「た、助けてくれぇ!」
その時、男の人が慌てて家から転がり出てきた。そしてそれを追うように骨の魔物が家の中から出てくる。
「もうこんなとこまで魔物が!?」
「い、嫌だ! 死にたくない!」
これは不味い。この辺にいた兵士や冒険者はたった今港に向かったところだ。今ここにいるのは混乱し動けなかったひとたちだ。パニックを抑えられる人がいなきゃ混乱で怪我人がでるかもしれない。
・・・仕方ない。病み上がりというかまだ微妙にだるいけど俺がやるしかない。
背負っていた剣を両手で構えて転んだおっちゃんに迫るスケルトンの前に立ち塞がった。
「ここは俺にまかせて。 おっちゃんは残ってる人たちと避難して」
「あ、ああ。 だけどあんたは・・・」
「人の心配してる場合? これでもちょっとは戦えるから問題ない」
「・・・わかった。 怪我すんなよ!」
さーて、そうは言ったもののどうだろう?
いや大丈夫、きっとこいつはザコだ。だってこんな全裸で肋骨丸出しのスケルトンが強いわけがない。こういうのは弱いのがセオリーってもんでしょ?そうであってください。
「てえぃ!」
ザコであることを祈り、鞘で殴り付ける。するとガシャンと音を立ててスケルトンがバラバラになった。
あっ、こいつ思ってたよりもはるかに弱い。さっきまでの緊張を返してほしい。
「カタカタカタカタカタ」
「ひえ」
生意気言ったせいなのか。どこに隠れていたのかスケルトンがぞろぞろと。ザコなのは救いだけど物量で攻めてくるやつだこれ。
だけども相手が一撃で倒せるザコならばやりようはある。動きも遅いし囲まれないよう気をつけていこう。
「ちぇえい!」
殴りつけたスケルトンがバラバラになって散乱する。
ふふふ、この『同胞砕き』の前ではスケルトンなど無力無力ぅ!ちなみに『同胞砕き』とはさっき遭遇した二メートルぐらいのスケルトン(ラージスケルトンというらしい)の大腿骨である。
いや、大きさといい太さといいこん棒として良さげだったんでつい・・・。いや聖剣抱えて殴るよりはずっとやりやすいんですよ。
ちなみにラージスケルトンは遠くからひたすら石投げて倒した。身体が大きいだけで動き遅いし単純な行動しか取れないみたいだったからただのボーナスステージだった。いわゆる引き撃ちというやつである。
戦ってる内に身体のだるさもなくなったしまさしく絶好調というやつだ。まあ実際のところハイになってて感じなくなってるだけってのが正解だろうけど。
「おおい! そっちは無事か?」
道の向こう側から二人の男に声をかけられた。格好からして冒険者だろう。俺と同じように民家に潜んでいた魔物を相手にしていたらしい。
「こっち側はあらかた片付けた。 そっち側はどうだ?」
「一通りは。 でもまた来るんじゃない?」
「だろうな。 俺たちはこのまま魔物を倒しつつ前線に向かうつもりだ。 お前はどうする?」
前線か・・・そこならライナードたちもいるかな?
「・・・俺も行く」
二人と頷きを交わすと走り出した。
「つかなんだその骨?」
「武器だけど」
「ええ・・・背中の剣は?」
「・・・飾り?」
まあどっちにしろ用途は鈍器である。
「おい、あいつはなんだ?」
目についたスケルトンを倒しつつ港の方へと走っていたのだが途中で明らかにスケルトンじゃないのに遭遇した。
常人よりも一回り大きい体躯。その身体をすべて覆う漆黒の鎧。兜の奥から光る赤い目はそれが人間ではないことを示している。
そして手には俺の身長ぐらいありそうな長さの漆黒の長剣。うん、勝てない。これは勝てない。
「む、冒険者・・・か」
喋った!?最近の魔物って喋るの!?というか意識を向けられた瞬間、なんかこう、
「ぐ・・・」
「あ、あ・・・あ・・・」
こっちはある種のショック状態なのか冒険者たちは武器こそ構えているものの動けない。
俺が無事なのは別の規格外を知っているからか。戦闘中のエルザは怖いからね。笑いながら魔物を凪ぎ払うし。
「極力戦闘は避けろと言われたが、仕方ない。 向かってくるならば相手になるが」
静かに話しているだけなのに圧が凄い。これが、強者・・・!正直こういうのは俺じゃなくてエルザが戦うべき相手だろうに。
プレッシャーにやけになったのか冒険者たちが武器を向ける。
「ちくしょう! やってやる!やられる前にやってやる!」
二人が斬りかかるがあっさり切り払われる。咄嗟に俺も石を投げるが効果ない。だよね!全身鎧だものね!
もっと鋭利な石でも落ちてないか。もしくは俺が持てる程度の岩とか。
そんなことしてると一人が殴り飛ばされてきた。
「くそっ!」
「こ、こっちへ!」
倒れた冒険者を壁の影に引っ張り込んで回復薬をぶっかける。錬金術という技術で作られたこの薬は怪我した所にかければたちまち傷が治り失われた体力が回復するとかいう謎仕様の薬。なんか怖いけど効果は確かだ。
にしてもこの人鉄鎧着てなくてよかった!重かったら動かせなかったからね。
「隠れても無駄だ」
「わああああ!?」
ザン、という鈍く何かを切り裂く音。そして影に光が差す。
嘘でしょ!?壁を斬りやがった!?
「怯むな! いくら強くても三人同時にかかれば・・・!」
あ、フラグですねそれ。もはや頭の中のイメージが敗北で固定された。おのれぇ。
その瞬間、冒険者たちの剣、そして俺が持っていた『同胞砕き』が真っ二つになった。
そして目の前には剣を鞘に納める黒騎士の姿。そんな長剣で武器だけ壊すとかどうなってるんですかねぇ。
「ひえ」
「ひ、ひぃぃいいいい!? む、無理だ! こ、こんなのに勝てるかよ!」
一瞬で武器を破壊された冒険者の一人が慌てて逃げ出した。
ちょ、こらー!置いてくなー!ひどい!逃げるときはいっしょに逃げようねって約束したのに!お前のようなやつがマラソン大会で終盤突然ダッシュするんだ!
ぐぅぅ・・・でもこんなやつ相手に背を向けるとか自殺行為ですし、逃げた途端にまとめてズンバラリンとか勘弁願いたい。
「冒険者さんも行って!」
「なっ!? お前だけに任せておけるか!」
「柄の方しか残ってない剣で何ができるの!? それよか援軍! もっと強い人連れてきて!」
「・・・っ! わかった! 死ぬなよ!」
はっはっは、難しいことを言いなさる。武器無い冒険者さんじゃ足止めとか無理だと思って逃がしたけど援軍来るまで生き残るとか九割九分無理ですわ。
背中の聖剣を両手で構えて騎士に相対する。まったく、俺はこういうことするキャラではないんだけど。あー、家出るんじゃなかったかなー。引きこもってればよかった。
「ほう? お前は逃げぬか」
あ、これ逃げても良かったやつ?いやでもこいつから目を離して逃げるのも怖い。避難した人の所に行かれても嫌だし頑張るしかあるまい。
抜けない聖剣だけど今だけは、今だけは力を貸してほしい。抜けなくてもいい。でも少しだけでも加護的なものを・・・じゃないと死んじゃうからこれ!
心の中で死の予感に号泣しながら俺と騎士は同時に剣をふるった。
金属と金属がぶつかり合い凄まじい音を立てる。
っと!一瞬身体が浮きかけたんですけど!?
「ほう・・・その剣、断ち切るつもりだったが」
「あの、これ一応家宝だからやめて」
しかし伊達に聖剣と呼ばれてるだけあって頑丈。盾にはもってこいだ。剣だけど。
「こっちから!」
基本は足使い!格上に真っ向から勝負しても勝てるわけがない。だから兎に角動く。足を止めない。足を動かし衝撃を流し打ち合い続ける。
だけど剣がぶつかり合う度に剣が、身体が持ってかれそうになる。すでに手は痺れ始め足も痛い。なにより精神がガリガリ削れていく。なんでこんなことしてんだと泣きたくなる。
打ち合う度にわかるのは敵との絶望的な差。どうあがいても勝てないという覆せない悲しい現実。漫画やアニメなら気合かなんかで逆転できるけど現実は厳しいものだ。
ええい、それでも一か八か!人生はギャンブルだ!
何度目かの打ち合い。完全に俺は打ち負けた。後ろにぶっ飛び壁に激突し土煙が立ち上る。
風が吹き土煙が飛ばされるとそこには鞘ごと壁に突き刺さった聖剣の姿と聖剣の柄に引っ掛かっている荷物。
だけどそこに俺はいない。
「剣、だけだと?」
大きい剣はよく目立つ。だから囮には最適だった。剣と一緒に俺がぶっ飛んだと誤認させる程度には。
少なくとも数秒、俺自身から目をそらすことができた。その隙に・・・。
「っ! 上か!」
バレた!修行してる間に気持ち悪いほど身体能力上がったから跳び上がってみたけど端的に言えば跳びすぎた。
だけどそれでも一撃叩き込むだけの時間はある!
「こいつでっ! どうだあああぁぁぁぁぁっ!」
手にはさっき拾ったスケルトンの骨(二本目)。それを思いっきり騎士の頭に降り下ろした。
まあ鉄兜に多少骨密度が高い骨が敵うわけありませんよね。
叩きつけた骨はあっさりと折れて、俺は勢い余って鎧に顔面からぶつかった。
うごごごごご、めっさ痛い!
顔面を押さえて悶える俺に剣が突き付けられる。
「お前はよくやったと言える。 だがここまでだ。 降伏するといい」
「あ、殺さないんだ?」
「主からは必要以上に人間を殺すなと言われているのでな」
あら優しいこと。その優しい主とやらに感謝をしつつ折れた骨を捨てて手を上にあげてついでに仰向けになってお腹を見せる服従のポーズ。完全敗北である。
「というか主って? 死者の王? それともネクロマンサー?」
スケルトンとか使役してる辺りその辺がイメージとして浮かぶんだけど。
「いや、・・・魔人だ」
魔人というのは例の魔王とやらの配下で特に強い人たちのことを言うらしい。全体の種族そのものを示すなら魔族が正しいんだとか。
ということは魔王の侵攻とやらは正しく言うなら人間と魔族の戦争ということになる。えー、こんなん勇者だけに任せてられないやつじゃん。
いくらエルザが強くても一人しかいないのだからいろんな場所に一気に攻め寄せられたら対応しきれない。・・・だからあいつは俺だけ守るとか言ったのかね。
さて、その辺のことはともかくこの騎士、いや騎士さんは思ったよりいい人っぽい。人じゃないけど。
あれから一応捕虜として捕まってるけど拘束はされてないし驚くことに武器も返してくれた。まあそんなことしなくても問題ないって自信の表れでもあるんだろうけど。
それになんといっても話しかけると応えてくれるのだ。律儀!
「ああ、ここにいたんだ」
む、女の人の声が聞こえた。
この人が騎士さんの言ってた主かな?
見た目は女の人。だけど頭には角があってそれが人間とは違うのだと主張している。
服はそれ防具ではないよね的なへそだしルックにショートパンツでその上に左半身を覆うようにマントを着けている。そして腰には二本の片刃剣。
魔人でも武器使うんだ。なんとなく親近感である。
それよりも気になるのは魔人が抱えている女の子のこと。見た感じ同じ人間だし逃げ遅れて捕まったのだろうか。
「主よ、その娘は?」
「逃げ遅れたみたいでね。 巻き込むのもあれだし拾ってきたけどどうしようか。 人質にするのもなぁ・・・」
状況的には助けられたはずだけど女の子は涙を流してガタガタ震えている。あれじゃまともに話もできまい。様子を見る限り魔人としても扱いに困っているらしい。
なら、理由があればあの子は解放されるに違いない。
よーし、そうと決めたら即時実行!覚悟を決めて魔人の前に出た。
「人質なら俺だけでいいんじゃない? これでも俺、王さまから護衛が付けられる程度には重要な立場にいるんだけど」
勇者への撒き餌としてのな!しかも俺が死んだ場合ほぼ確実に勇者は目の前のものすべて破壊するバーサークモードに突入するというとんだ爆弾である。
ここで初めて正面からはっきりと彼女の顔を見た。
綺麗な人だ。赤い髪と目も綺麗だしよく見れば優しげな顔してる。女の子への対応を見れば実際優しい人なんだろう。
・・・しかし返事がない。えー、覚悟して言ったのに。でも無視してるわけじゃないよね?こっちガン見してるし。
「・・・えっと、話聞いてる?」
「え? あ、いや、こほん。ま、魔人たるボクにそんなことを言うなんて勇ましいじゃないか。 なら抵抗せずに最後まで人質として振る舞うならいいよ?」
あ、何事もなかった感じですか。というかボクっ娘ですか。
「そうすればその子は放してくれるの?」
「え、いいの?」
「ん?」
「じゃなかった・・・ふふふ、いいだろう。 その勇気に免じてこの娘は放してあげる。 その代わり・・・」
割とキャラがぶれる魔人が視界から消えたと思った瞬間身体に光る縄のようなもので拘束、いや束縛され宙に持ち上げられる。これが噂に聞く魔法というやつなのだろうか。
「君にはボクと一緒に来てもらおうか」
まさか一瞬で拘束されるとは・・・でも剣(鈍器)持ったままなんだけどいいの?
「さ、約束だ。 君は行っていいよ。 今度は逃げ遅れたりしないようにね」
「う、うん・・・。ありがとお兄ちゃん」
女の子が走り去っていくのを見て胸を撫で下ろす。
ふぅ、ひとまずは安心か。子供がひどい目にあうのは嫌だからね。
「さ、それじゃ君にはボクたちに協力してもらおう。 なに、痛くはしないさ」
港の付近では兵士や冒険者たちが魔物相手に激しい戦いをしていた。
俺と魔人さんはちょっと離れた建物の上からその様子を窺っている。どうやらここでなにかするつもりらしい。
「それで、何をするつもりなの? 俺を盾に大虐殺とかだったら全力で抵抗するけど」
まあそもそも事情を知らない人たちには人質として機能しないわけだけど。
「あはは。 そんなことはしないってば。 むしろ無駄な死人を出さないためなんだよ?」
ううむ、それならいいか。まあやることは大人しくしてるだけなんですが。
俺の反応に機嫌良さげに頷くと魔人さんは人間たちの前に降り立った。ちなみに俺は束縛されたまま後方に放置である。
「いやはや、思ったよりやるじゃないか。 驚いたよ」
拍手なんてしながらかなり偉そうに出てきた魔人さんにその場の全員が目と武器を向ける。
「そういきり立たないでよ。 ボクは提案しに来たんだよ? 君たちにとっても有利な提案をね」
「なんだと? おちょくっているのか。 そんなことしなくても今ここでお前を倒せば終わる話だ!」
おや見知った声。
「あはは。 これを見ても同じこと言えるかい? 少なくとも兵士諸君には効果覿面だと思うけど」
あ、出番ですね。ういーす。
拘束されたまま兵士や冒険者たちの前に出される。あ、ライナードたちいた。めっちゃ驚いてる。すまんな、うん。
というか下を骸骨が歩いてて怖いんだけど。襲ってこないこれ?
「イニャス! キサマッ! イニャスをはなせ!」
「ちょっとちょっと、私の弟子をどうする気なのさ?」
「さあどうしようかな? 洗脳して君達と戦わせる、ってのも面白そうだけど」
洗脳されても勝てる未来が見えないんですがそれは。
「させると思うかっ!」
しかしあれだ。空気がピリピリしている。これがシリアス展開ってやつね!
兵士には事情が説明されていたのか動揺が伝わってくるし、冒険者たちもその空気に困惑し動くことができない。
でも人質になってる身としては暇なのでとりあえず拘束が甘い手首を動かして鞘で近くを歩く骸骨をポコポコ殴る。何回か叩くとバラバラになったのでそしたら次の奴を小突く。
この骸骨たちは命令されないと駄目な骸骨らしく空中にいる俺に反撃することなく一方的に殴られている。いえーい!いい稼ぎ場だぜー!経験値とかあれば良かったのに!
そんなことしてたら「話の途中だし大人しくしていてくれ」と縛り直されてしまった。無念。
「ま、すぐにどうしようって話でもない。 助けたければボクの元に来るといい。 それで助け出せたら君たちの勝ち。 ボクは大人しくこの町を諦めよう。 ああ、助けられなかったらってのは考えなくていいよ? そうなったらどうせ君たちに戦える力なんて残ってないだろうし」
わー、すごい。ライナードたちめっちゃギリィッ!って顔してる。ほんとすまんな。
言いたいこと言った魔人がふわりと宙に浮かび彼女に拘束されている俺も追従してーーーって高っ!怖っ!
「ひえ・・・」
高いの怖い!そういえば俺高いの駄目だったんだ!ひぃえ、足が地面についてないのがやばいほど不安を煽る。声も録に出せねえ。
「待ってろイニャス! すぐ助けに行くからな!」
助けてほしいのは今だよ今!下ろして!というか魔人さん余裕ぶっこいてないで早く帰るなり転移なりなんなりしてよ!泣くぞこらぁ!
「ふふ、それではごきげんよう」
その瞬間、世界がぶれた。
次に視界に入ったのは生い茂る木々だった。
ここどこだ?さっきまで町中にいたはずだけど・・・。でもまあ高くないからどこでもいいや。
「驚いたかい? これでもボクは高位の魔人だからね。 転移もお手の物ってわけさ」
はえー、すごい。どれくらい凄いことかよくわからんけどすごい。だって俺ワープとかできんもの。
拘束が解かれ地面に足が触れた途端に力が抜けてその場にへたりこむ。
「おや、緊張したかい? 」
「高いのだめなんだ・・・」
「あ、うん・・・ごめんね?」
もうさっきまでの緊張感は欠片も残っていなかった。
簡単な戦闘シーンでした。
さーて、あと二話ぐらいでプロローグ終わるといいなぁ!