【60秒で一気読み! キャラクター小噺】 〜もしも、こんな○○がいたら
【60秒で一気読み! キャラクター小噺】 〜もしも、こんなすぐ自習になるスポーツインストラクターがいたら
【 すぐ自習になるレッスン スポーツインストラクター サセル子登場、せず⁈】
とあるスポーツクラブ。
そこは体質改善を切望するもの、体重を減らしたいもの、見た目を整えたいものたちが集う。汗にまみれたタオルを盗まれないように鍵かけてロッカーに保管する集団。
彼らの望みは高い。
成し遂げるまでには幾多の試練をくぐり抜けねばならない。
しかし、人間は誰しも弱きもの。困難を前に挫けずに己を貫けるものは少ない。
そのとき、陰に日向に、悩めるものを救い、助け、バックアップする。
ときに笑い、ときに泣き、ともに高い山、遥かな道を歩んでいく。
それがスポーツインストラクターだ!
ところが、いつも特定のコマだけ自習になってしまう。
インストラクターは姿を見せない。
もちろん、生徒さんはみな不満ブーブー。
今では慣れっこになってしまった。
ある女性が声を上げた。
「もう、使えないインストなんて無視しちゃお。あたしらでさ、しっかりメニューこなして目標達成しちゃおうよ」
その言葉に一致団結! みな明るく自主的にメニューをこなしていった。
その様子をひとりほくそ笑んでいた。
「ふふふ、みんな気づいてない、気づいてない」
その女性、影のインストラクター サセル子は今日も生徒さんたちを導くのだった。