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やっと、やっとだよ。

ソロソロ矛盾とかでてきそうです...

矛盾とか無いように意識してるんですが...ムズイ

指摘がありましたらぜひお願いします。


 ヤバイ非常にヤバイ!

 見る限り日本語で書かれている申し込み用紙、異世界に来て文字の壁より遥かに高い壁があろうとは。


「だ……代筆はありますか?」


 そうだ異世界漫画のテンプレでは、文化レベルが低くて計算はおろか文字も書けない人がいる。

 代筆も存在してるはずだ。


「はい、ございますよ。」


 キタァー、よしフフ神よ詰めが甘かったな俺を追い詰めるにはもっと策を練ってくるが良いわ!!


「じゃあ……」

「代筆は100リール必要ですがいいですか?」


 詰めが甘かったです。


 金がいるだとまずリールってなんだよ、こっちに来て初めて金の単位聞いたわ!!

 ど、どうしよう……

 考えろ俺漫画やラノベの主人公ならどうする。











 そうか! そう言うことか!



 俺の知識には、ローブ一枚のほぼ裸の主人公など存在しないんだ。

 クッソ! 異世界に来る主人公はイケメン、チートに、運がいいと相場が決まっていたんだった。

 チート? そうだ俺は顔は普通だし、童貞卒業寸前で飛ばされる運の悪さだが、魔法使えたじゃないか! 魔法使わず、いつ使うんだぁ!


 あの時の感覚を思い出しながら集中する。

 いけるイケるぞ。

 自分の身体を、魔力らしき物が包むのを感じる、

 自分の身体の、魔物らしき物が反り返るのを感じる。


 確かにポカポカして気持ちいいが、毎回起たれたら困る。

 ローブの隙間から顔を出した親不孝な息子を睨みながら魔力に意識を集中する。


「あ……あの?」


 息子がばれたか? と焦ったが、よく考えたら机で隠しているし、お姉さんの角度からは見えないだろう。


「すみません、やっぱり自分で書くんで代筆はいいです」


 魔力を集めて思ったが、名前ぐらい書けそうだ。

 自分の前に集まる魔力を感じながら思う。


 魔法の使い方は分からないが、この魔力は、結構自由度が高い気がする。

 魔力の形も、イメージするだけで変わっていく。

 取り敢えず手だ手の形になってくれ。


 見えていないが、歪な手の形になった気がする、見えないのに感じるこの感覚気持ち悪いな。

 作り上げた歪な手で羽の様なペンを握る。

 この辺は異世界チックで腹が立つ、でも集中を切らすわけにはいかない、ゆっくりと自分の名前を書き上げていく。


「キリガヤ・ハヤト様ですね」


 笑みで細めた目を少し見開きながら訪ねて来た。


「はい」


 カタカナで書いたのが悪かったのか、お姉さんの顔つきが変わったのを感じる。

 そんなに細かく動かせないから勘弁してほしい。


「次に戦闘スタイルをお聞きしてもよろしいですか?」


 俺がペンを置いたインクの入ったペン立てから、ペンを取りながら聞いてくる。


 いや!! 名前の時もお前が書けよぉおおお!!

 何の嫌がらせなんだよ。


「あの代筆は100リール? いるんじゃ」


「はい、名前の場合登録に同意したと言う意味で、直筆で書いて貰っています。

 代筆の場合書いた後に指紋を押してもらい、同意のしたというのを示して貰っています」


 な、なんだと、危なかった。

 安易に代筆を選んでいたら死んでいた。(社会的に)


 まぁ、選べなかったんだが。


「ギルドのお仕事には戦闘が関連がほとんどでございます。

 なので戦闘スタイルをお聞きしているのですが」


 さっきまで怪しんだ目を、営業スマイルで隠しながら聞いてくる。


「えっと……じゃあ魔法使いで」


 まぁ、戦闘なんて出来ないけど、魔法使えるし魔法使いでいいだろう。


「マホウツカイ? でしょうか?」


 完全に営業スマイルを忘れ、怪しげにこちらを見つめてくる。


「そう、魔法使い」


 この世界は魔法を使える人は少しなんだろうか?貴族とかだけ〜とかありきたりな設定あったな。


「申し訳ございません。

 勉強不足で、魔術師の方はよく御目にするのですが、マホウツカイというのはどういった戦闘スタイルでしょうか?」


 そう言うことか、魔法使いって言葉がなかったってことか。


「んー魔術師と一緒ですよ。

 魔術師って変えてもいいですし」


「そ、そうですか、分かりました。キリガヤ様のランクを決めるために、簡単な戦闘テストをしたいのですが、よろしいですか?」


「はい」


 お姉さんの目が少し残念そうになって、表情豊かだなぁなんて思っていたら、俺の返事とともに表情に光を取り戻した。

 何に返事したんだっけ?


 お姉さんの言葉を思い出す。

 テストか、戦闘テストね。


 自分の服装を足から見つめ直す。


「ちょ、あ、あのすみません、その戦闘テストは絶対に受けないといけませんか?」


 イヤイヤ、受けれねぇよ。

 俺の全力を見せる前に俺の全部見られちゃうよ。


 自然とローブの両端を握っている手に力が入る。


「受けないことも出来ますが、ランク無しからですがいいですか?仕事も限られてしまいますし」



クッ……背に腹は変えられん。


「大丈夫です……」


 残念そうに答えた俺より、お姉さんの方が残念そうにしているのが不思議だった。


「登録は完了です」


 元気が無くなったお姉さんが、引き出しからカードを取り出し、お姉さんの手元が一瞬淡く光ったと思ったら、カードを差し出して来た。

そこには、


・所属ギルド烈火

・ランク無し

・マホウツカイ

・キリガヤ ハヤト



と簡素に書かれていた。

 名刺大の白く硬いカードを手にしてやっと、登録出来たと安心と不安とほぼ疲労のため息をはきながら受け取った。


やっちまった……


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