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久しぶりの街へ


「ミツバちゃんお菓子食べる?」


「おかしっ!!食べたいっ!」


「はい、あーん」


 そう言って幸せそうにミツバにお菓子をやっている鎧の冒険者を見やり、街に向かうため馬車を操縦しているジークに視線を移す。

 葉っぱ1枚腰に携え、馬を操縦するその姿はまさに森の王者の風格が漂ていた。


 俺が気にする事じゃないが、こいつら冒険者って言ってたけど大丈夫か?

 そんな俺の心情が顔に出ていたのか、隣に座っている男が申し訳なさそうに頭を抱えて口を開く。


「一応、こいつら冒険者としてはそこそこ働けるんだけどな……はぁ」


 苦労してるんだな……

 鎧の男を可哀そうに見ていると、俺達にジークが声を掛けてくる。


「街が見えてきたぞ……あれミントさんかも」


 少し間があった後、ジークが震える声で報告してくる。

 俺も確かめるために、窓から顔を出すと遠くで手を振っているミントらしき人物が手を振っている姿が目に入る。

 ミントらしき人物は、手を振りながらこちらに向かって走ってくる。


「おーい、お前らぁー、どうだったんだぁ?」


 ある程度近くに来ると、ミントが声を掛けてくる。


「おりゃぁあああ!」


 笑顔で駆け寄ってくるミントに、ドロップキックを決め込む。


「いってっ! 何すんだよっ……げっ」


「何が、げっだよ! あの説教だけじゃ足りなかったのかよっ! あぁ? 面倒な奴らけしかけやがって」


「いや……なんていうか、その……何があったんだ……」


 何か言い訳を考えようと周りを見渡すと、ジークが視界に入ったのか、本当に不思議そうにミントは聞き返してくる。


「何があっただぁ? 全部お前のせいだろうがっ!」


「ダメだよ、お兄ちゃん痛いのはミツバ嫌いだよ!」


 ミントに拳骨を落とそうとするが、その間にミツバが入り込み止められてしまう。


「ミツバに免じて許してやる……ただ、次は無いぞ!」


 そういうと、ミントはコクコクと何度も頷く。


「さて、じゃあ街に繰り出すか!」


 俺がそういうと、ミツバが嬉しそうに俺の横に来て、服の裾をちょこんと掴む。

 かわぇぇ。


「街に行くのか……ですか?」


 ミントが遠慮がちに、聞き返してくる。


「そうだよ、なんか問題があるのか?」


「いや、ただ、街の外に住んでて盗賊狩りなんてことしてるからってきり街に近寄りたくないのかと」


「そんなことは無いけど……」


 それを言われて、俺がなんで街の外で盗賊を狩っていたのかを思い出す。


「もしかして、街に入るのに身分証とかいる?」


 俺のその質問に不思議そうにミントやジークたちは首を傾げる。


「そりゃ、いりますけどもしかして持ってないんですか?」


「持ってない、ミツバは?」


「もってない……」


 ニコニコしていたミツバがシュンとうつむいてしまう。


「じゃあ、ミントさんが保証人になってその間に冒険者ギルドでギルドカード発行してもらえばいいんじゃないかな?」


「え!? そんなこと出来んの?」


「俺が……保証人?」


 俺が嬉々としてミントの方を見つめると、ミントが何か絶望したような表情を浮かべる。


「なんだよ、迷惑かけたんだからそれくらいいいだろ?」


「いや、だってなんか問題起こしたら保証人の責任に……」


「はいはい! ミツバちゃんの保証人にならなってもいいよ!」


 絶望した表情のミントとは逆に、嬉しそうな声色で鎧を着た女性が手を上げる。


「じゃあ、ミツバの保証は任せるかな、俺はミントに頼むわ」


「ダメなのか……頼む、問題だけは起こさないでくれ! なぁ、約束してくれよ」


「大丈夫、そこの裸族よりはまともだから」


 ジークを指さしながらそういうと、ミントの顔から血の気が引いていき、この世の終わりのような表情を浮かべる。


「よし、問題解決だな早速街にレッツゴー」


「ごー!」


「あっ、ちょまっ、ホントに問題は起こさないでくれよ! 頼むから」


「ミツバのギルドカードも作らないとな」


「うんっ!」


「聞いてるのかよ! おい、おいってば」


 口調が素に戻っているミントを置き去りにして、早速俺たちは街に向かう。

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