脱出??
「お……お主こんなとこで恥部を晒してこ……ここを何処だと心得ておる」
やばい非常にやばい、とりあえずやばいしか出てこないぐらいやばい。
状況をこの少女にしなければ俺が終わる!
というより俺の今の状況は…
全裸に、こんな状況でも反り返る行き場の失った息子。
終わった………
俺の言葉を待っているのか、ウルウルした目で少女がこちらを見ている。
綺麗な青色の目に溜まっていく涙。
引き込まれそうな程綺麗で、あの瞳に自分のモノが写っていると思うと死にたくなる…
そういえば青色の目? ここは外国か?
でも彼女は日本語を喋っている、綺麗なブロンドの髪に青い目、でも歴史の教科書で出てきそうな貴族のような服が気になる。
部屋を見るに金持ちそうだし、日本ならもっと違う服装をしてそうだ。
「早く答えぬか!」
綺麗な肌のせいで余計に目だつ、真っ赤な顔をこちらに向けたまま言う。
顔が赤いのは怒っているせいだと思いたい。
取り敢えず逃げないとっ!
ど……どうしよう。
オギャーと言って赤ちゃんの振りはどうだろう? 丁度今も生まれたままの姿だし。
そう思って禍々しく反り返るモノを見て断念する。
だいたい18歳になって赤ちゃんの振りは無理がある。
ふと、彼女の後ろにある空いたままの扉に気づく。
そうかあそこから逃げれるかも...
でも逃げ出そうとしたら誰か呼ばれるかもしれない、どうにかばれないようにあそこから逃げ出さないと。
俺は人生をかけた大芝居を打つことにした。
「しっ! 静かに……」
俺の人生がかかっているんだ、ちょっと迫力を出し過ぎたかもしれない
「ヒッ」
小さい悲鳴を上げていたが気にしてられない、もう俺の意識は扉にしかない。
あそこから逃げ出す、俺から扉まで10メートルほどだろうか?
いける、少女が叫んで誰か呼ばない限り逃げ切れる。
「おい、そこにいるんだろ? 出てこいよ!」
ゆっくり立ち上がり少女の後ろを見ながら意味ありげに、そして周りに聞こえないように普通の会話のような音量で言う。
もちろん誰もいないので、返事など返ってこない。
「何を言っておるのじゃ」
「静かにしてろ……そっから動くな騒ぐなよ」
ゆっくり扉にむかって歩く、少女に逃げていると悟られてはいけない、落ち着いて落ち着いてさも意味ありげに歩みを進める。
全裸で……
「はぁ……黙りかそこにいるのは分かっている、出てこないならこっちから行くぞ」
あたかも、誰かがいるように、扉に向かってゆっくりと歩みを進める。
イケる、このまま後5メートル程、そして扉から出たら取り敢えず猛ダッシュでここから脱出する。
俺の人生が終わるには早すぎる。
「クク……面白い小僧だ」
そう聞こえたと同時に、白いローブで顔を隠した男が誰もいなかったはずの場所から忽然と現れた。
「何者だ小僧?」
お前がなにもんだよぉぉぉぉおおお!