重たい話し
何度も読み返してるんですが、展開が早い気がしますね、描写も少ない...
なぁーーもっと上手く書きたいぃぃ
んー何食べようかな...
「カヤは何食べたい?」
「私はキリガヤ様とならなんでも」
不覚にもドキッとしてしまった。
俺が完全な童貞だったら勘違いしてたとこだぜ、でも俺は昔の俺とは違う脱童貞(予約)だからな。
「じゃあ適当に入るか」
「馬鹿にしてるのか!?」
適当に飯屋にでも入ろうかと思ったが、誰かの叫び声が聞こえそちらに目を向ける。
「ゲッ...」
カヤの兄のユウが店員ともめているようだった。
「貴族の俺にサービスとは、馬鹿にしてるのか?平民に施しを受けるほど程落ちぶれちゃいない」
んー店員がサービスしてくれたのが、プライドが触ったのか...
「めんどくせえー...」
ついついカヤの目の前で本音が漏れてしまった。
「あっ...いやそのそういうつもりじゃ...」
「いいんですよ、兄様は口が悪いですから」
なんか思ったより普通に返された、まぁあんな兄貴じゃいわれ慣れてそうだけど。
「それより早くご飯食べに行きましょう」
「おぉう...」
自然と言うかカヤみたいな子だったら実の兄があんな態度とってたら、申し訳なさそうにしそうだけど。
っていうか、言われた店員も何故か笑顔だし...怖い文化の違いって。
それからカヤのオススメのお店に入った。
「いっつも思うけど...食べ物普通だよな...」
「え、何か言いました?」
「あぁいやいや独り言」
こっちに来て村でご飯を食べさせて貰ってる時は意識したこと無かったけど、食文化は一緒ぽいんだよな、まぁ料理名が違うけど...
「はい、ボルボアのソテーお待ち」
そう言ってカヤと俺の前にステーキが運ばれてくる。
「そういえばカヤ聞いていいか?」
「はいなんでしょう?」
笑顔で返事をするカヤに、大人の階段を上った(予約)の俺がこの子になら騙されてもいいなどと童貞臭いことを考えてしまった
「カヤの両親ってどうしたんだ?まだ見てないけど」
その質問を聞くとカヤはうつむいて沈黙してしまった。
うわ...地雷踏んじゃったかも...
「私の両親は...」
「あぁ、いやいや話しずらかったら話さなくていいから」
すっごい重たく口を開き始めたので慌てて止める。
聞いた所で何にも出来ないし。
「いや、キリガヤ様には聞いて欲しいんだと思います」
「そっか...」
聞かなきゃダメみたいです。何て言えばいいんだろう。
今から慰めの言葉を考えているとカヤが口を開き始めた。
「私の両親は殺されています」
おふぅ...思ったより重たいぞ。さて俺に慰めきれるだろうか...
「両親は旅先の途中で盗賊によって殺されたと言われてます。でも本当は...」
おk読めた、ゼネルだなゼネルのやつだろ。
「キリガヤ様もお会いしてるインターゼネルに殺されています」
やっぱりな、って言ってる場合じゃなかった。
「何でゼネルはそんなにミヤガワ領を目の敵にするんだ?」
「ゼネル...様は知っての通りこの王都で一番の領土を持っています。そして、ゼネル様についで領土を持っているのがこのミヤガワ領です」
「うん...知って...知りませんでした...」
知ったかしようと思ったけど、よく考えたら嘘が分かるんだった、恥かくとこだったぜ。あぶねぇ...
「領主は自分の領土のルールをある程度自分達で決めれるんです」
「ルール??」
「はい、税金や住む場所の地税などです。私達の領土はゼネル様の領土に比べて非常に軽いです」
「それでゼネルの領民がこっちの領土に流れて来て逆恨みと?」
なんとなく推測した、事を口にするとカヤは正解だと言うように首を縦に振る
「はい...ゼネル領土は今移住禁止令を出す程領民が激減してます」
「それで、移住した先の領土ごと乗っ取ろうて言う魂胆か」
でも、それならなんでわざわざ両親だけ殺したんだろう。
「そうだと思います、両親を殺したのもまだ幼い私達なら傀儡に丁度いいと思ったからでしょう。ゼネル領土になってしまえばまた領民は他の領土に移住してしまうかもしれないので、現に両親が亡くなってからすぐにゼネル様が訪問してきてあれやこれやと言って来ましたから」
「でも突っぱねたんだろ?」
「はい全て兄様が拒否してましたので...それで我慢が出来なくなったゼネル様が強行手段で来ました」
なるほど、結局あいつはクズで間違いないな。ってか俺そんなに権力持ってる人ぶっ飛ばしたが大丈夫か...
「王に直接進言し私達兄弟の幼さを理由に自分の領土の監視下に置かせろと...根も葉も無い話もされ王も頷くしか無く領土を監視下に置かれました」
「え?じゃあ今も」
ここあいつとリア充の領土かよ、そう思うだけで虫酸が走るんだが。
「今は違います。兄様が王へ直接進言しに行って下さって、私達どちらかがゼネル様に領主としての教えをこうのであればいいだろうと」
「ん?それでなんで奴隷になったんだ?」
「ゼネル様が直接私達の元へと来て、奴隷になるんだったら見逃してやろうと...」
なる程ね、カヤかユウを奴隷にしてしまえば残った方を殺してしまうなりどうにかすれば良いわけだ。俺の教えを受けたものを領主にするべきだとかなんとか言って、領主になっても奴隷のまんまだから傀儡の出来上がりってことか。
「大変だったんだな...でもカヤの兄貴はゼネルを見てるのになんでああも態度がデカイかね」
「兄様は良く言ってました、"貴族は貴族らしい態度で居なければいけない、で無いと貴族の力は使えない"っと、兄様も考えが合ってのことだと思います。口は悪いですが...」
貴族の力ね、ゼネルみたいな力が欲しいのかね...
「話を聞く限りゼネルもこのままじゃなさそうだし、なんか出来ることが合ったら手伝うよ」
「本当ですか!?ありがとうございます」
やっぱ笑顔の方が可愛いな。
「じゃあ冷える前に食べちゃおう」
「はいっ」
飯を食べ終える頃には外は暗くなっていた。
「じゃあ送って行くよ」
「ふふありがとうございます」
かわええなぁ...よしゼネルが来てもこの子"だけ"は絶対守る、ユウは...貴族だしなんとかするだろう。
そのまま他愛のない話をしながらカヤの家の前に着く。
「今日はありがとうございました。明日も教えて貰っていいですか?」
「ああ、なんでも教えるよ」
手とり足とり、グフフ。
何てイヤラシイ妄想をしているとカヤの家から結構大きめの物音がした。
「ん?どうしたんだ?」
そう思って魔力を展開させる。
6…7人か、もしかしてゼネルのやつもう来たのか?早すぎだろ...
「カヤ家に入るなよ、様子を見てくる」
「はい...気をつけて下さい」
カヤも物音に反応して覚えたての魔力感知を使ったのだろう、真剣な表情に変わる。
ゆっくり、カヤの家の扉を開ける。
そこには、騎士の様な格好をした男が6人と縛られて身動きが取れなくなったユウがいた。
「貴様は、そのフードに見た目、黒風の魔術師だな」
そう言ってくるが俺は、殴られた後であろう腫れ上がったユウの顔しか目に入らなかった。
「ふふ、ざまぁみろ」
と満面の笑みを浮かべている間に捕まってしまった。




