チートじゃあ無いらしいです
また評価してもらえたよーーー
本当にありがとうございます。頑張って更新します。
夢は届かないから夢なんだ。
思い描くから夢なんだ。
手が届く夢は夢じゃない。
それは目標だ。
「妹を救ってくれてありがとう、兄として礼を言う」
はい、ユウちゃんじゃ無くてユウ君でした。
俺の夢は儚く散ったよ。
「ハハ、はぁ……」
でも、やっぱ兄弟だなすっごい似てる。
年も割と近い感じかな、俺ともそんなに離れて無いんじゃないだろうか。
違うのは髪の色ぐらいか、兄弟だからって無黒ってわけじゃ無いんだ。
茶色の髪に瞳も茶色ってことは土かな? まぁ属性全然知らないんですけど。
でも、正直そんなのどうでもいい、気になるのはコイツの顔だ。
イケメン過ぎる。
死ねばいいのに、絶対いつかイケメンをブサイクにする魔法を作ってやる。
これは夢じゃない、目標だ。
出来なかったら、片っ端からブサイクにしてやる(物理的に)
「っで、お前の目的は何だ、金か? 言っておくが金はないぞ」
「兄様!!」
「ぁあ?? いらねぇよ、なんだそのツンツン感がモテるのか? ぁあん? 言ってみろよ、コラ、お前見たいな奴のせいでな……」
んっ? 確かに俺イケメンじゃないけど向こうの世界に彼女いんじゃん。
まだ童貞だけど……
「フッ、勝ち組はお前だけじゃないぞ」
「お前は、さっきから何言ってるんだ……?」
「兄様が失礼な事言うからでしょ!!」
カヤお前こそ何言ってんだ? こいつがイケメンと言う事実が変わらない限り、何を言われても文句言ってたぞ?
「じゃあ聞き方を変えようか、お前は何の目的でカヤを助けた?」
「なんの? なんだろう? ただ恩を返しただけだが……」
それだけなので、真顔で言葉を返す。
「カヤ!!」
俺が嘘をついているか確認したいのか、カヤに声を掛ける
「キリガヤ様は嘘は言ってませんよ、兄様」
それでも納得しなかったので、ことの経緯を話した……カヤが。
「そうか、事情はわかった。
じゃあ、もう用事は無いだろう帰れ」
ングッ!ムカつく、貴族はこんなんばっかか?
カヤはこんな環境でよく真っ直ぐ育ったもんだ。
かわいいし。
「じゃあ、俺はこれで」
カヤの家を出る。
ってか領主って貴族だよな? 勝手に貴族だと思い込んでいたが、カヤの家ってどっちかって言うと貧乏のほうじゃないのか?
使用人どころか家の中も普通の家って感じだったし、領地が狭いのか?
「キリガヤ様! 待って下さい」
後ろを振り返ると、カヤが走って追いかけて来ていた。
「おおう、ってかいいのか出て来て? せっかく兄貴とあったんだし、つもる話もあるだろう?」
「先程はすみません。
兄は本当は凄く感謝しています。
言い方はあれですけど」
「気にしてないからいいよ。
じゃあ、またな」
本当に言い方は別に気にしていない、むしろ気にしていたのは、あのリア充感あふれる顔だけだった
「待って下さい! 私にマホウを教えてくれる約束は?」
そういえばしてたな、どうしよう。
ノリで受けちゃったけど、正直教えることなんて無いんだよな。
「じゃあ、どっか広いとこでも行って、特訓するか」
「はいっ」
笑顔が眩しい、もし使えない何てなったら……意地でも使えるようにして見せる。
「さてと移動して来たはいいけど何から始めよう?」
「私に聞かれましても……」
だよねぇー、どうしよう。
「じゃあまず、魔力を出してみて」
「あの私見ての通り、魔力が無いんですが?」
そんなわけ無い、もう一度確認のために魔力を展開する。
しっかりカヤから魔力の反応がある。
「そんなわけ無い、カヤの体から魔力の反応はあるぞ?」
「魔力の反応?? マホウはそんなことも分かるんですか?」
ってか分からないのか普通は? 魔力感知とかありそうだけど。
「分かるな、魔力感知ってやつだ、でそれで感じた感じ、カヤからしっかり魔力を感じるぞ」
「本当ですか? 私にも魔力がっ! 頑張ります」
カヤは、どうにか魔力を引き出そうと集中する。
俺も後ろで見ながら魔力を展開するが、カヤの魔力は微動だにしてないことだけはわかる。
先は長そうだなぁ。
それから数時間経って空が薄暗くなってきた。
「カヤ、そろそろ暗くなるし今日は帰ろう。
送って行くよ」
「はぁはぁ……そ、そうですねまた明日もお願いしてもいいですか?」
手を膝に置いて、肩で息をしながら聞いてくる
「いいけど、大丈夫?」
魔力を出そうと、いろんな態勢を取ったり、走ったりしていたカヤを心配しながら声を掛ける。
正直、今日まで奴隷していてやっと帰って来たんだ、もう少し休んでてもいいんじゃ無いかな。
「はい大丈夫です! せっかく希望が見えたのに、これくらい平気です」
「まぁ、カヤがいいならいいけど……俺も今日のお金があるから、いっときは働かなくていいし、出来るだけ手伝うよ」
「そういえば、キリガヤ様は何処かに宿を取られるんですか? もしよろしければ、私の家に来て下さい」
二つ返事で行こうと思ったが、ユウの顔を思い出す。
「いや、やめとくよ、俺はそこらへんの宿にでも泊まっとくよ」
「そうですか……」
そのままカヤを家に送る。
「じゃあ、明日起きたら今日の場所に集合で」
「はいっ! 今日はありがとうございまた。
明日もよろしくお願いします」
どうにか使えるようにしてあげたいな、まぁ、いろいろ試してみるか。
「ふぁー眠い……あれもう来てる?」
結構早起きしたつもりだったけど、もう練習してるし。
俺は、少し早足でカヤの元へと向かう。
「あっ! おはようございます」
「おはよ、早いねどのくらいに来たの?」
「私もさっきぐらいだと思います」
にしては結構汗かいてるな、気づかないうちに時間結構経ってると思うよ。
「どんな感じ?」
「やっぱり全然です、コツとかありますか?」
コツか、コツ、うーん……勝手に出来てたしな……
「逆に今はどんな感じでやってる?」
「魔力でろーって思いながら、とりあえず気張ってます」
気張らなくても魔力でろーで出ないかな?
感覚でやってることって伝えるの難しいな。
「ちょっと動かないでね」
そう言って魔力を展開させる。
何時もと違って展開させた魔力にもっと集中する。
カヤの身体にある、魔力が集まっている場所を重点的に、魔力を集中させる。
魔力はあるし、問題ないはずなんだけど。
「ん?」
そこで初めて気づいたが、魔力を放出している場所に壁? みたいなのがあることがわかる。
これのせいっぽいな、カヤの身体の中に、俺の魔力をゆっくり流し入れてみる。
この壁見たいなのをどうにか出来ないかな?
俺の魔力でその壁見たいなのに小さく穴を開ける。
「あっ、あ、きゃああ」
おおう、ちょっと穴開けたらせき止めてた川みたいに一気に流れ始めたぞ。
「あのキリガヤ様? これは?」
「それが魔力だよ、試しに、できる限りこの周りに魔力を展開してみて」
マジで焦ったー! いきなり魔力が流れ始めたからまずいことしたかと思った。
自分の焦りを隠して、そう言うとカヤの身体から魔力が広がったのが分かる。
「よかったね。
これで魔法使いだねカヤも」
あれこれって、カヤも出来たら俺チートじゃあ無くね?
「やった、これで私も、やったぁありがとうございます」
そう言って抱きついてくる。
まぁいっか、煩悩には勝てません。
報酬として少しお尻を触らせて貰ったし、こっそり。
「それで、キリガヤ様これからどうすれば?」
「展開させた時、人の魔力ってわかる?」
「はい、これが魔力感知、マホウ……」
「後はいろいろ試してみて、出来ること増やしたらいいよ」
さてと、一気にやることが無くなってしまった。
というより、ろくに何かした記憶がない……
「はい、頑張ります」
でも、カヤってギルティ何て特殊能力持ってて、魔力も扱えるようになって、あれ? 俺よりチートじゃね?
「あのキリガヤ様、ありがとうございます。
私で出来ることがあったらお礼させて下さい。
それとよかったらでいいので、その、あの、これからも教えてください」
「まぁ教えれることが俺にあればいいけど、うん教える分には問題無いよ」
「本当ですか、やったありがとうございます。
あの、キリガヤ様何かお礼は出来ませんか? 私に出来ることがありましたら、そのお金は無いですけど」
「お礼か、んー……じゃあパンツ下さい」
「ハハハ、もうキリガヤ様ったら、何か私に出来ることがあったら、遠慮なく言って下さいね」
「ハハ、うんじゃあそん時にお礼してもらおうかな、とりあえずご飯でも食べに行かない?」
「はい、行きます」
異世界に来て、平和な日常、この時はまだ誰も想像して無かっただろう……
俺が本気でパンツを貰おうとしていたことに。




