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個人依頼

ブックマークありがとうございます。


数は多く無いですが1人増えるたびにグフフと気持ち悪い笑みを浮かべています。

頑張って更新します。

「さぁ、戦闘テスト受けましょう」


「…………」


 あのドラゴン討伐の次の日、ギルドに向かうと、アマネさんが張り切りながらそう言ってきた。


「いや、あの急にどうしたんですか?」


「マホウツカイの力を甘く見ていました。

 キリガヤさんならランクS何て軽く超えて、SSいや、最高ランクのSSSだって夢じゃありませんよ」


「ランク?って言うのは、どのくらいあるんですかね?」


「そういえば、説明してませんでしたね。

 ランクはAから始まり、AAランクAAAランクと上がり、その次がSランクSS、SSSと上がっていきます」


 へー結構大きく、括られてんだな。

 受けてもいいかな?


「簡単に受けれるもんなんですか?」


「はい、受験料の1万リールを払えば誰でも! 受けますかぁ!?」


 スッゲー迫力、でも


「すみません……俺お金無いんですよ……」


「はぁ?? お金が無い?」


 いや逆に、なんで払えると思ったか聞きたいわ。


「だって、だって、ドラゴン討伐の報酬が! それ以前に、ゴブリン討伐の報酬もあると思うんですが? もう使ったんですか?」


 ああ、成る程確かにそれなら納得だわ。


「いや両方とも報酬貰って無いんですよ、何か貰いづらくて、はは」


「そうなんですか、それなら……はっ? 報酬貰って無いんですか? ええぇ!!」


 そりゃ驚くか、俺だってこの世界の人なら驚くだろうな、でも元の世界に帰るつもりだし、正直こっちのお金はあんまり稼ぐぞぉって気にもなれないんだよなぁ、最低限の生活さえできれば。


「残念ですけど、また1万リールたまったら、お願いします」


「うーん……じゃあ、じゃあ私が受験料払うんで、是非受けましょう!」


 何でこんな必死に受けさせようとすんだよ、まぁ払ってくれるならいいか。


「じゃあ、お言葉に甘えていいですか?」


「はいじゃあ早速行きましょう、"受験会場"に」


 受験会場??


「ここでギルドマスターが見るとかじゃ無いんですか?」


「え? 違いますよ、国で試験管が雇われていて、その人に判断してもらうんですよ?」


 マジか! 何か俺の世界のラノベとかの設定で勝手に考えてたわ。


「その試験ってどのくらいかかりますか?」


「大体1日ですね、合格した場合次の日にランク昇格の手続きがありますから、大体2日くらいですかね」


 無理じゃん! 俺何処で寝るんだよ、ってか飯も無いじゃんか。

 はぁ……もうめんどくさいしこのままでいっか、お金が貯まった時に受けなおそう。


「すみません、そんなに時間掛かると思ってなくて、やっぱり辞めときます」


「そんなぁ……」


 いやそんなにガッカリしなくても……


「まぁ、そのうち受けますんで、とりあえず不足依頼お願いします」


「絶対ですよっ! 絶対ですからね」


 そう必死に机越しに寄ってくるアマネさん、そして机に挟まれて大きく沈む谷間……


「はい……」


 あの谷間が見れるなら、何回も断るのも悪くない。

 まぁ、お金何て直ぐ貯まるだろうし、貯まってから考えよう。










 何て思っていた自分を殴りたいです。


 あれから一ヶ月か、よく考えたら不足依頼ってお金無い人が依頼するもんだった。

 気付くのが遅すぎた。

 依頼も、達成後に飯と寝床用意してもらったらなんか貰いずらいし、はぁ日本人ってこういう時不便だなぁ……

 元の世界にも戻れる手掛かりも無いし、そろそろ本気でお金必要になってくるかな。

 あぁ、憂鬱だ、金持ちの不足依頼こないかな。


「はぁ……」


「どうしたんですか? そんなため息なんかついて」


「いや、不足依頼も減ってきたし、これからどうしようかと」


「もしかして、やっと受けてくれるんですか?」


 そうグイッと寄ってくる。

 本当、ありがとうございます。

 いつかその谷間に手を入れさせて下さい、じゃなかった。


「そろそろ、本当に考えないといけないですね」


「んーやっぱまだ受けないですか……そういえば、キリガヤさんに個人依頼が来てますよ」


「個人依頼?」


「はい、個人依頼と言うのは依頼主が名指しで依頼するものですよ、登録してこんなすぐに個人依頼が来るなんて凄いですよ!」


「でも、俺名指しで依頼されるほど知り合いいませんけど?」


 言ってて悲しくなる。

 向こうの世界には友達いたんだからね。

 両手で数え切れるくらい……

 


 余計に悲しくなってしまった。


「キリガヤさんの場合、経歴じゃないでしょうか? 正直めちゃくちゃな以来の受け方してますし、何処かでその噂でも聞いたんじゃ無いんですかね」


 めちゃくちゃって、大体どの以来も5分も戦闘してないんだが。


「依頼主は?」


「貴族のインター ゼネル様ですね」


 キタっ! 貴族、大金を稼ぐチャンス、グフフ。


「報酬は、どのくらいですか?」


「えっと依頼内容ですね、明日貴族どうしのパーティーがあるのでそれの警備ですね、報酬が100万リールです。

 それと個人依頼の報酬の方は、個人が断ってしまうとその時点で依頼は達成されませんので、面倒なお金の受け渡しを減らす為に、不足依頼と同じで自主回収です。」


「よしキタァ、それ受けます。

 それと今日はこの不足依頼受けますね」


 机の上に置いてある不足依頼と、アマネさんが持っている個人依頼の依頼書を取って、そのままダッシュでギルドを出た。


「あっあの、行っちゃった……インターゼネル様か、大丈夫かな?」


 その声は1人になったギルド内に静かに響いた。

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