ドラゴン討伐
んー戦闘シーンが短いような...
もっとわかりやすくなる様に頑張ります。
いやいや笑えねぇよ……
「グァァァウウウ」
やべーよ、ちょー威嚇してきてるんですけど。
「よし逃げ……」
そう思ったがローブに目が行ってしまう。
この依頼を出したのも無黒の人達だったよな、もしかしたら、このローブをくれた彼女がいるかもしれない。
そう思うと、ここから立ち去るわけにはいかなくなった。
「クッソ!!」
やけくそ気味に魔力を展開させる。
「グゥゥッ」
ビビってる?
魔力を展開させるとドラゴンの叫び声が、低くうねるような声に変わった。
「なんだよビビったのか、なら楽勝だな」
と思っていた時期がありました。
「グゥゥガァァァァ」
「うわちょっっ」
ドラゴンが叫び声に魔力を乗せてぶつけてきた。
よろけた身体を立て直しなが一つだけ発見があった、魔力を展開させとくと、他人の魔力が分かるのか。
そう思って、展開させた魔力に集中する。
「あれ?」
後ろに大きな魔力の塊を感じる。
人か? ドラゴンから感じる魔力と、ほぼ同等の魔力を感じるんですが……
コレ敵だったら不味くね? いやだって味方だったら助けに来るでしょ普通……初めてこっちの世界に来た時にぶっ飛ばした奴か?
そんなことを考えていると、甲高い耳障りな音が響き渡り、その音の発信源を見やる。
「あぁ……ドラゴンブレスってやつかな、シッテルー」
何て余裕こいてる場合じゃ無かった、やばいこれはやばい。
自分の魔力から伝わるドラゴンの魔力が、ドンドンと密集し、放出はまだかまだかとうねっているのが分かる。
そうだ、あの初めて会った少女が使ってた技を使えば……
「えっと、集え、ふふふふん、アクアァァア……なんだっけ?」
衝撃波と爆発音で耳がいかれそうになるが、それどころじゃ無い、ドラゴンのブレスが目の前まで迫って来ている。
「ハウはぁふやややばばい」
何を思ったか俺は、とっさに魔力を右腕に目一杯集めそのまま、
殴った。
それと同時に、ブレスが発動したより大きい音が鳴り響き、衝撃波が身体を襲った。
次第に、衝撃で巻き上がった砂塵が晴れて行く。
「おおぉ、生きてる」
周りを見渡すと大きなクレーターが自分を避ける様に広がっていた。
もう一度ちゃんと無事か自分の身体を見渡す。
右手は無傷だが、右手以外はかすり傷が多いな、飛んできた石とかのせいかな? ってか魔法ってやっぱすげーな、ドラゴンブレスもワンパンって。
「ふふふ……もう俺には怖いもんなど無いぞ、ハッハッハ、かかってココオオオォォォイ!」
…………。
あれ? ドラゴン死んでね?
ちょー恥ずかしいじゃん、顔真っ赤だよ。
かかってココオオオォォォイとか叫んじゃったよ。
殴った時は拡散でもしたかと思ったけど……どう見てもほとんど跳ね返ってますね。
ちゃんと確認しとけば良かった……恥ずかしすぎて死ねる、さいわい誰にも見られてっ!?
「そういえば、人らしい魔力があった様な……」
もう一度魔力を展開させ、反応があったとこを睨みつける。
人じゃありませんように、あんな醜態を見られたとあっちゃ表歩けねぇよ。
まぁ、こっちに来て、表を平然と歩ける様になったのは最近ですけど。
木の上にあった魔力の塊が動き出した。
「凄まじいですね……」
「受付の、おねぇさん??」
よりにもよって、唯一の知り合いかよ!
「受付? あぁそういえば自己紹介がまだでしたね。
私は烈火ギルド、ギルド長エステル アマネです」
ギルド長だったのか……ははっ終わったよ、こんなのギルドにバラされたら俺もう恥ずかしくて顔向け出来ねぇよ。
「ギルド長様、戦闘最初っから見てましたよね?」
「そんなかしこまらなくても大丈夫ですよ、アマネと呼んで下さい」
「じゃあアマネさん、戦闘最初っから見てた様ですけど、最後も見ました?」
「はい……失礼ながらキリガヤさんの実力を見るためと、全て拝見させて頂きました」
全て拝見させて頂きました……拝見させて頂きました……拝見させて頂きました……
エコーの様に頭の中で何度も響き渡る。
終わった……俺はこの世界でどんだけ恥を晒せば気が済むんだ。
「あの、私からも質問いいですか?」
「どうぞ……」
覇気も何も無く返事をする。
「どうして私の居場所がわかったのですか?」
「居場所? そんなのは魔法で……それよりもっ!」
「??」
小首をかしげながらこちらを見つめて来る。
「今日のこと誰にも言わないで下さい。
おねがいしゃあす!!!」
「えっええー! 誰にも言わないんですか?」
いやもうめっちゃ言う気でしたやん……良い話のネタにする気満々ですやん。
「いやもう本当お願いです、お願いします」
そう何度も頭を下げていると、いやまぁ言いたく無いと言うなら、と渋々引き下がってくれた。
その後、烈火ギルドはギルド長のみなどの話を聞き、誰に話すつもりだったんだよと叫んだのは関係ない話。




