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1.いつもの朝

柔らかく沈むベッドの中。

ブルーのカーテンの隙間から、朝の光が差し込む。

5月だが、部屋の中は少し肌寒く、

肩を窄ませながらベッドを出る。



寝室のドアを開け、リビングを抜けて洗面所へ向かう。

冷たい水で顔を洗い、少し耳にかかる髪のハネを直し、

申し訳程度の髭を剃り、歯を磨く。

いつもより長めの睡眠で、鏡の中の顔は調子が良さそうだ。



洗面所を出て左手、リビングの奥のキッチンにある

頂き物のコーヒーメーカーをセットし、寝室へ。



クローゼットからスーツを出して着替えていく。

細いパープルのストライプの入ったシャツにグレーのスーツ。

水玉模様を配したネイビーのネクタイ。

ブラックの靴下を履き、シルバーの腕時計をはめる。



リビングにはコーヒーの香りが立ちこめている。

落ちたばかりのコーヒーをカップになみなみと注ぐ。

朝はこのコーヒーが無ければ調子が悪い。

いつからそうなったのだろう。

テレビを付けて朝のニュースに耳を傾けながら、

朝一で入っている会議の書類に目を通す。

どれも面白い案だ。なかなか濃い会議になりそうだな。

テレビで時間を確認する。AM8:00。

そろそろ出なくては。



テレビの電源を消し、カップを洗う。

書類と携帯をバッグに入れ、部屋をざっと見回し玄関へ進む。

履き慣れたダークブラウンの革靴を履いて、

靴箱の上の鍵の束を握り、ドアを開ける。



同時刻に出勤のお隣のご主人と挨拶を交わしながら

鍵を閉めて、連れ立ってエレベーターへ。

12階から地下1階の駐車場まで止まることなく下り、

1216のスペースに駐車した車に乗り込む。

暖かい日差しの中、通勤の波へと出て行く。



今日も一日が始まる。

これが俺、立花幸多(たちばなこうた)、28歳の日常だ。



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