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きみ想い  作者: njxmrf
8/9

本心

 時雨が、ここに来る気がした。何の根拠もない勘だけど、来る気がした。

 来てはいけない。時雨おまえはここに来ては行けない。

 来るはずはないと分かっているけど、時雨は心を殺せることを知っている。消せない痛みをマヒさせることを知っている。

「…時雨が来るよ

 ここに、来る」

 

「そ…う…

 だめだな、わ…たし

 こん、な…状態じゃ…時雨を…ころ

せな、い…」


「皮肉だけど、あなたは嬉しそうだ」


「ふふ…どうしてだろう…

 ばれちゃう、から…かな…」


 私に刺されて、血塗れでぼろぼろになりながらも玄幕遠子は未だに生きていた。雨で血は流れ、辺りは血で真っ赤に染まっている。もちろん、私も血で染められている。

 玄幕遠子は苦しそうにしながらも、笑うことを止めなかった。涙を流しながら、笑っていた。悲しいくせに、笑っていた。

 なんて、時雨に似ているんだろう。

 

「ねぇ、伏見、縹さん…

 わた、しは…ず、と…しぐ、れが

 す…き、だ、たの…」


 いつからだろう…時雨が憎くなったのは…?


 

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