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警告
すんなりと、影宮時雨に会えるとは思っていなかった。今までも必死に消息を探してきて、ようやく手掛かりを見つけて、ここまできたけれど
「時雨に会いたい?あいつを殺して欲しくはないんだが…まあ、せっかくここまでたどり着いたのだしな。セッティングくらいはしてみよう。だけど、誰が来るかはわからないぞ」
昨日、稗田子凪が私に向かってこう言った。そのときにも、時雨がこないと悟った。
けれど伏見縹に会えるとも、考えもしなかった。
罠だとか、正体不明の刺客くらいはいるのかと身構えてきたのだけど。
伏見縹は今ここで、私と戦うつもりなのか?
私はそんなこと望んでいないのだけど、
時雨に会うためなら、仕方がないな。
「────時雨君は差し上げます。殺すなりなんなりして下さい。稗田子凪も同様ですよ。まあ、まずムリだと思いますけど。しかし、伏見縹はいけませんよ────」
語り──遠子