第8話 本当は乙女ギャルだし?
建宮っち無双を見た時のドキドキがまだ収まらないし。
つうか、マジで建宮っち。ウチの理想ドストライクなんですけど。本当にどうなってるし~!
ウチとの別れ際も、ちゃんと帰れるか心配してくれて、マジ紳士だし~!
(七宮。また不良グループが絡んで来るような事があれば、直ぐに相談してくれよ。あの先輩達丁度良いツボ押し実験に…じゃなくて、ちゃんと俺が七宮を守ってやるからさ)
(建宮っち。そんなにウチの事を想ってくれてるん?………キュン///)
なんてカック良い事言っちゃって!
素敵過ぎかよ建宮っち~!! 心臓キュンキュンなんですけど。
「とか考えてる間に家着いたし。ママ、ただいま~!」
「あら、美来ちゃん。お帰りなさい~!」
《《銀髪》》の綺麗で美魔女みたいなのが、ウチのママだし。ドレスを着てるしどこかに行く感じ? 聞いてみよう。
「ママ、ドレスアップしてるって事はどこか行くん?」
「そうなのよ~! 本家のパーティーに呼ばれてるの。それよりも学校から連絡があったけど、《《また》》騒ぎを起こしちゃたの? 美来ちゃん」
ま、不味いし~! どの時の事だし? 体育倉庫の事? 建宮っち達とのかくれんぼ?
授業中の廊下追い駆けっこ? 思い当たる事が多すぎてわけわかんないし~!
「どうしたの美来ちゃん。お目目をグルグルさせて? それよりもあんまりいたずらしちゃ駄目よ。ね?」
「へぁ? ごめんなさいだし。ママ……あれ? 怒らなの?」
「何を言ってるのよ。怒ったじゃない今、〖あんまりいたずらしちゃ駄目よ。ね?〗って。美来ちゃんの事だから色々と考えての行動だったんでしょう?」
「ま、まぁ、そんな感じ……」
「そう。なら今度はちゃんと問題にならない様に行動しなさいね。それと夜ご飯は冷蔵庫に入ってるわ。夜に李奈ちゃんと食べてね」
「わ、分かったし。ありがとう、ママ」
「じゃあ、ママは本家に顔出しに行くから戸締まりはちゃんとしておくのよ。それじゃあね~!」
……ガチャッ!
「……どんだけ優しくて理想的なママだし。ウチのママ最高か?」
逆に怒られないと罪悪感出てきて凄く反省しちゃうんですけど……パパに会ったら謝ろう。ママにもちゃんと自分から謝んないと。
「あれ? お姉様帰って来てたんですか? お帰りなさいませ」
「李奈ちんただいま~! 今、帰ったし」
「今日は早かったですね。てっきり、前みたいに気になる男の子と一緒にマップに夜遅くまで居て、帰って来ないかと心配してましたのに」
この娘はウチの妹ちゃんの李奈ちん。銀髪のツインテールのロリ顔美少女。
「アハハ! あの時は楽しくて時間忘れてただけだし。今日はその逆で近くに居るとドキドキが止まんなくて逆に建宮っちから離れたかったんだよね~」
「? よく分かりませんが。お姉様が幸せそうなら別に良いです。では、私はお勉強に戻りますね……ですのであんまり騒がしくしないで下さいね。お姉様」
「はいよ~! 多分、無理だけど努力はする。了解~!」
◇
《美来の部屋》
「ふぅ~! 李奈ちんは本当に勉強好きだよね~! 感心感心」
(お腹が空いたら~! ご飯を~―――)
「あれ? 着信?……静華っちからじゃん。こんな時間に珍しい~!」
ピッ!
「オッス~! 静華っち。どうしたん?」
『あっ! 美来さん。やっと出てくれましたか! 心配してたんですよ。大丈夫ですか? 怪我とかしていませんか?』
親友の佐伯静華っちから凄い心配されてるんだけど。ウチ、《《また》》何かやらかしてたん?
「ちょ、ちょ、ちょお、何がだし? 何でそんなにウチの事心配してんの?」
『大切なお友達が危ない目に遭ったんだから、心配するに決まってるじゃないですか!! 小春さんから聞いたんですよ。美来さん達が退学した不良の先輩達に取り囲まれていたって』
「あ~! あれ? 見られてたん? マジ?」
「マジです。マジです……それを聞いて私、凄く心配したんですからね。それなのに、美来さんのスマホに何回もかけたのに全然出てくれませんでした」
電話だし?……あっ! マジじゃん! スマホの電話通知、静華っちからの鬼電ばっかだし。
「ごめん。静華っち、今、気づいたわ。すまんすまん。でも安心してほしいし。ウチの白馬の王子様に助けられてピンピンしてるから」
『白馬の王子様ですか?………あぁ、私の蘭々《らんらん》の親友君ですか』
「蘭々?……う、うん。そんな感じだし?」
……私の蘭々《らんらん》って何だし? 蘭々……蘭。 もしかして建宮っちの親友の蘭ちんの事だし?
『そうですか。あのヤンキーギャルだった美来さんにも遂に春が訪れましたか。フフフ、これは将来が楽しみですね。美来さん』
な、なんだし。いきなり静華っちの声が甘々《あまあま》になってるし。どうしたんだし。
「ま、まぁ。そんな感じだし? ウチの白馬の王子様は無敵?みたいな感じだし~! とにかく最高みたいな?」
『そうなんですか~? まぁ、美来さんのそんな白馬の王子様よりも、私の蘭々の方が素敵だと思いますけどね。蘭々は耳触りとかとにかく最高なので!』
「……は? 静華っち。今、なんて言ったし? ウチの白馬の王子様バカにしてるん? ウチの白馬の王子様の方が、蘭ちんよりも100倍最高だし!」
『はい?!……ちょっと。美来さんがなにを言いたいのか分かりませんが。私の蘭々が世界一最高の寝顔の持ち主で、私の最高の幼馴染みなんですけど。美来さんのハリボテの王子様と比べるの止めてくれませんか?』
「ムカッ! なんだし~! 静華っち、その言い方~! それなら、どっちの男が最高なのかレスバしようし! 勝った方は負けた方に明日、お昼ご飯奢りだし!」
『ほほう。そのケンカ買いましょう! 私の蘭々がどれだけ最高の男の娘なのか。美来さんに教えて差し上げましょう。お覚悟して下さい!!』
「覚悟を決めるのは静華っちの方だし! 建宮っちのカック良い所教えまくってやるし~!!」
その後、静華っちとは数時間に渡って惚れた男議論で盛り上がったし。超楽しかった~!
「お姉様~! あれだけ騒がないで下さいねって、お願いしましたのに~! なんでお騒ぎになってるんですか? お姉様!!」
ドンドン!!
隣の部屋の妹の李奈ちんがぶちギレてるし。怖~!
「ご、ごめんだし。李奈ちん~! 夜にウチのプチンしたプリンあげるから許してだし!」
ドンドン……シ~ン
「分かりましたわ。それで手を打ちましょう」
……壁の騒音が消えたし。
『ぜ~……は~……ぜ~……は~……それじゃあ、どっちの男の娘も男の娘だったて事で結論づけましょうか。美来さん』
「うぃ~! それで良いし。引き分けだし~! 疲れたし……さっきから李奈ちん。切れてるから電話もこの辺で切るわ~! 静華っち」
『あ、そうですか了解です。ではまた明日、学校でお会いしましょう。美来さん』
「了解だし……それじゃあ、また明日だ……」
『あっ! そうでした。私、クラスの委員長として、最後に美来さんに伝えないといけない事がありました』
「伝えないといけない事? 何だし?」
『文化祭のクラスの出し物。何が良いか考えといて下さいね。そろそろ色々と決めて学校側に書類とか提出するので……まぁ、1度ホームルームの時に皆で話し合いますけどね』
「文化祭……了解だし!」
『はい。ではでは、これにて失礼しますね。電話できて楽しかったです。さようなら~!』
ピッ!
「文化祭のクラスの出し物だし?……建宮っちと仲良くなれる超大型イベント到来出し~!」
その後のウチは、建宮っちとの未来の文化祭ライフを妄想して深夜まで悶え苦しんでたし。
「建宮っち~!! カック良いし~!!」
ドンドンドンドンドンドン!!
「お姉様。もう夜ですよ! いつまでも騒いでるおつもりですかぁ!!」
その後、妹の李奈ちんにこっぴどく怒られたし………




