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第30話 彩愛ちゃんの撮ったもの

《白鳥家 彩愛の部屋》


 夜の暗い部屋。俺は白鳥さんと対峙していた。


「白鳥さん。俺が脱がされていく動画を消してくれ」


「嫌です。これは私のです。消しません……永久保存版です」


 俺は白鳥さんが何を言っているのか、理解できなかった。


 なんでこんな状況になっているかって? 時は少しさかのぼるんだ。


 そう。あれはマップでの騒ぎの後、だった。


「じゃ、じゃあ! ウチ等。先に帰ってるし……ばいちゃ!!」

「ゆ、ゆー君。ゆー君のパンツプレゼントしてくれてありがとう! 宝物にするからね。先に帰ってるよ~!」


 俺がトイレに行って帰って来ると、慌てふためきながら急いでマップの店内から出る藍と七宮。


「あ! 待て! お前ら。話しはまだ終わってないんだぞ!……くそ。逃げ足だけは日に日に早くなりやがって」


「ひぃい! ごめんなさい。建宮君」


 逃亡に失敗しすっ転んでいる白鳥さんに、何故か謝られた。


「……とりあえず。白鳥さん。家まで送っててやるよ」


「ひぃんん! 大丈夫です~!」


 俺は心の底からの親切心しんせつしんで白鳥さんを家まで送り届けてあげる事にした。



 そして、現在。


「俺の盗撮動画を消せ。白鳥さん」


「……無理です。フォルダーのロックパスワードを忘れたので。無理です」


 白鳥さんは、そう言いながら机の前に置かれたパソコンの前でキーボードを叩いている。


「ロックパスワード?……どうせ。いつものタテミヤアヤメとかじゃないのか?」


「ふえぇ?! なんでそのパスワードを知っているんですか?」


「いや、いつもタテミヤアヤメをパスワードに使ってますって言ってたじゃないか?」


「……それは。そうでした!!」


 頭を抱えて騒ぎ始めた白鳥さんを放っておいて。今日の日付が書かれたフォルダーをクリックし、パスワードを入力。中身を開いた。


「建宮君裸……とんでもない。フォルダー名だな」


「へ?……み、見ちゃ駄目ですよ。建宮君~! へむぅ?!」


 あわてふためく白鳥さんの頭をおさえる。


「見ちゃ駄目とか言われると見たくなるのが男のサガだぞ……白鳥さん達の悪行。俺が確認してやろう」


 俺が気絶させられた後に、何をされていたのか気になるしな。


「だ、駄目ですよ~!」


カチッ!


〖建宮っち。しっかりしろし~!……気絶しちゃったし〗


〖ゆー君。大丈夫?……しちゃったね〗


〖気絶と同時に撮影始めたので。記録は任せて下さい〗


〖ありがとう。白鳥さん……七宮さん。今のうちにゆー君を裸にしてメイド服を着せちゃおうか〗


〖はぁ~?! ぬ、脱がせるだし?……てっ! 藍ちゃん。なんで、建宮っちのズボンから脱がせてるし……しゃああ/// パンツまで?……それ。どうするん?〗


〖うん。私が貰うね……ゆー君のやっぱり大きいや。変わりに私の体操着履いててね。ゆー君〗


〖……藍ちゃん。マジか。変態だし……上も全部脱がしてと。全裸にできたし。建宮っち~! メイド服着させてあげるかんね~!〗


〖キャアアア!! 何してるんですか? 皆さん。なんで建宮君を裸に?〗

〖……蘭の方が立派かな〗

〖凄い光景です。記録しときましょう……〗

〖建宮君……なんて姿に〗


パシャパシャパシャパシャパシャ!!


 ここで幾重いくじゅうにも重なるシャッター音。どいつもこいつも記録に残してんじゃねえか!!


〖ふぅ~! ゆー君のパンツ履いてきたよ~! 白鳥さん〗

〖……建宮っちの匂いがするし~! ウチは建宮っちの制服も~らい!〗

〖……では私は建宮君のTシャツを頂きます〗


 ピッ!と動画を一時停止する俺。


「そういえばないと思ってたが。取ったのか? 俺のTシャツ」

「……えっと。変わりに私の建宮君Tシャツを着せてあげときましたよ」

「とんでもないTシャツだな。それは……」

「はい」


 気まずい状態で再び動画を再生させた。


〖うし! 建宮っちにメイド服着させるの終わり~! 可愛いじゃん。建宮っち~!〗

〖写真いっぱい撮ろうね。ゆー君〗

〖……あ、あのやり過ぎじゃないですか。それにそろそろ起きるんじゃ……〗

〖え~! 建宮っち。1度寝たらなかなか起きないから大丈夫っしょ!〗

〖そうそう。それにゆー君のこんな寝顔普段は見れないんだ……〗


〖ん?……お前等。俺が寝ている間に何を……何じゃこりゃああ?!!〗


〖……よ……ゆー君。起きちゃった!!〗

〖は、早すぎるし〗


ピッ!


「いちを止めてはくれてたんだな。白鳥さん」

「……はい。いちを……あの、私の事、ギルティーしちゃいますか?」

「……いや。なんか動画見たら疲れたわ。1人だけ止めてくれて嬉しかったわ。ありがとう。白鳥さん」

「へぅ?! い、いえ、これくらい当然ですよ。にへへ」


 白鳥さんが変な笑みを浮かべている。


「そうか……悪い今日は疲れたからもう帰るわ……じゃあ……あれ? 目の前が真っ暗に……」

「疲れたんですか? それならベッドの上で休んで下さい。建宮君……」

「い、いや、それは……マズい……だろ……」


ドサッ!


「ウフフ……文化祭前夜の2人きりなんて萌えますね。建宮君……」


スルスル……ピッ!


 その日の夜。俺は白鳥さんに何をされたのか覚えていない。起きたら自分の部屋のベッドで目を覚ましたからだ……



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