第3話 クラスメイトも個性のようです
朝の教室……入った途端、昨日の話題で騒がしな。
「いや~! 昨日はお祭り騒ぎだったらしいですね。美来さん。お手柄さんでしたね」
「そうなんよ。静華っち! アホな先輩達が暴走して藍ちゃんに手を出そうとしてたから、必死に止めてたんよ~! ウチ、マジ救世主みたいな感じ~!」
「凄いです凄いですね~! 美来さんは~!」
「せやろせやろ~! それで建宮っちが颯爽と現れてさ~!」
「ほうほう。それでそれで~?」
「……つうか。それ喋って良い内容なの?アンタ等さぁ」
朝から騒がしくうちのクラスのギャルグループが教室の一角を占領し、昨日の体育倉庫での話しで盛り上がっている。
……昨日の帰りは七宮のハイテンションで疲れたな
(ウェイ~! 親睦を深める為に深夜まで、マップ行こうマップ! レッツコミュニケーションってやつ?)
((深夜まで?))
旧校舎での七宮との隠れ鬼の後、俺は人前でずっと右手を握られていた。なんでかって? 逃がさない為だってよ。素直で宜しいなギャルビッチは……
その後は、ザッ!ヤンキーのたまり場の定番。マップに行って、ハンバーガーを食べながら体育倉庫での話に花を咲かせていた。七宮だけだけど。
藍は疲れたのか。食事が済んだ後は、俺の肩に身体を預けて寝ていたな。そして、1人取り残された俺はマシンガントークで話す七宮の会話をずっと聞かされてたんだよなぁ。
「おはよう。建宮君。今日も早いね」
「おはよう。蘭。今日も眠そうだな」
「うん……毎朝変な起こされ方されてるからね」
「……?」
俺に朝の挨拶をしてくれた四君子蘭。高校入学時に隣の席で喋ってたらいつの間にか、仲良くなっていた友達だ。
最近は垢抜け始めたのか、オシャレに目覚め髪型も整えた結界。童顔美少年だったのがクラス中にバレて密かに同学年の女子からモテ始めているが。
何を隠そうこのクラスには蘭の元恋人が居るらしく。噂だと寄りを戻したとか戻さないんだとか。今もクラスの片隅で藍は話し込んでるな。
「雨宮さん。昨日は大変だったんだね」
「そうだぞ~! 私等がまだ教室に残ってたんだから、相談してから行動しろ~! 藍さんや」
「う、うん。ごめんなさい、一之瀬さん。九条さん」
七宮のグループとは違い。大人しい系の女の子達が集まったグループか。
藍は物静かだからな。あってるよな。
「なんで、小春の方をジーッと見てるの? 建宮君」
「いや。藍の方をジーッと見てるだけなんだが」
「そう。それなら良かったよ……アハハ」
乾いた笑いだな。蘭の奴……蘭とクラスの清楚担当アイドルの一ノ瀬さんが付き合ってたって噂マジからもしれんな。
「いや~! それにしても昨日は大変だったらしいね。色々とさ」
「ん? あぁ、ヤンキー達の報復して来ないように体育倉庫での記憶は坪を押して消したからな。多分、何もされないと思う」
「記憶を消す坪って……どんな異世界スキルだよ」
なんか、蘭に呆れられた顔をされているがなんでだ?
「いや、実際あるだろう。脳に強い刺激を与えたりしたら、記憶喪失になったり記憶が甦ったり……建宮マッサージ店はそういうのが得意な一族なんだ」
「何それ? まるで忍者の家系みたいなロマンチックな話」
「実際にそうかもな。今度親父に……」
「なになに? 内緒話してんの? 建宮っち~! ウチ等も会話に混ぜろし~! うぃうぃ~!」
蘭とたわいもない話で盛り上がっていると。俺の背中の方から2つの盛り上がった感触がいきなり押し付けられてきた。
もにゅもにゅっ!
「?! この感触は?! まさか?……七宮! 何、いきなり抱き付いてんだ?」
「ん~? 何がだし? それよりもウチ等も会話に交ぜろし。親交深めようぜぇ、建宮っち。うりうり~!」
「ばっ! よせ! ヤンキーギャル、皆に注目されんだろうが」
「え~! 別に注目されて良いじゃん~! 実際にウチ等、昨日は夜中まで一緒に居たんだし~!」
「「「昨日は夜中まで一緒に居た?」」」
ぐおぉ!! 皆、耳を済ましながら聴いてやがる! 俺達の事をメチャクチャ注目してる。七宮を引き剥がさないと大変な事になる。
「おはようございます~! 蘭々~!」
「おはよう。静華ちゃん。今日も早いね」
俺と七宮の隣では、蘭と佐伯の幼馴染み同士の仲良し会話が始まった。俺と七宮の事は放置するな。お前等~!
「ちょっ! 七宮、お前。皆の誤解を生むから離れろ」
「えぇ? 良いじゃん良いじゃん。減るもんじゃないんだし~! ウチのおっぱいデカイし、感触は良いやろう? 建宮っち」
「いや……それはそうなんだが……」
(……………)
藍の奴が冷たい目線で俺を睨んでいる。色々と不味い……
「ん~? なら真っ正面の方が良いし? なら、パフパフに変えてやるし。建宮っち」
「は? パフパフ? それってドラク………不味い妄想しただけで鼻血が……これは……来る……」
ぶしゅぅ!!
「んしょ! ほれ~! パフパフパフパフパフ~!と見せかけてのクッションだった落ちだし~! 建宮っち?……はれ? 建宮っち!しっかりしろし~! 鼻から鼻血噴水するなし~!建宮っち~!」
この日俺は朝から致死量の鼻血を吹き出し、貧血で倒れ保健室へと藍に緊急搬送された。




